Shizuoka University of Art and Culture Academic Repository / 静岡文化芸術大学学術リポジトリ
Not a member yet
1878 research outputs found
Sort by
Supporting Regional Performing Artists : A Case Study of the “Ensemble Musik Hamamatsu” Initiative
本稿は、地域における実演芸術活動の担い手の多様な現状を踏まえ、音楽分野に焦点を当て、事例をもとに実演芸術家の支援に必要な視点を明らかにすることを目的とする。先行研究によれば、大都市圏のみならず地域においても実演芸術家が定着できる環境整備が求められている。そこで本研究では浜松市に本拠を置くNPO法人アンサンブル・ムジーク浜松の活動を事例として調査し、地域における演奏家支援の取り組みの実態把握を行った。その結果、同法人は音楽団体の育成を通して地域の演奏家がプロとして活動できる仕組み作りを目指していることが把握できた。これに基づき、地域の実演芸術家支援の視点としては、多様な組織形態があり得ることを踏まえ、長期的視点で創造活動を育成していくことが必要であり、プロとしてのキャリア形成の様々な段階に応じた萌芽的な取り組みも含め、地域における舞台芸術創造環境を総合的に捉えることが求められていると指摘した。This study examines the field of music and aims to clarify the perspectives required to support regional performing artists based on the diverse contemporary situation. Previous research has highlighted the need to create an environment where performing artists can settle, not only in metropolitan areas but also in regional areas. This study examines a case study of a specified nonprofit corporation, “Ensemble Musik Hamamatsu,” in Hamamatsu City, focusing on the actual conditions of assistance for regional musicians. Consequently, by nurturing musical groups, the “Ensemble Musik Hamamatsu” seeks to create a system that allows regional musicians to work professionally.
I conclude that the perspective required to support regional performing artists involves fostering creative activities from a long-term perspective, considering the potential diverse organizational forms. A comprehensive analysis of the regional performing arts environment is necessary, including the embryonic initiatives that align with various stages of professional career development.departmental bulletin pape
The Transformation of National and Cultural Integration in Singapore : An Analysis of the Discourse on Racial Harmony Day in The Straits Times
本研究は、現地英語新聞The Straits Timesに掲載された「人種調和の日(Racial Harmony Day)」に関する言説分析を行い、以下の問いを明らかにするものである。第一に、どのような文化・芸術活動が行われてきたのか。第二に、それは国の動きや社会問題とどのように対応しているのかである。これらの問いを明らかにすることで、国民統合・文化的統合における中心的価値観と手法の変遷を究明する。
本研究で使用するデータは、シンガポール国立図書館に所蔵されている1997年から2017年までの351の報道記事と19のレター(投書)である。
その結果、文化的統合における中心的価値観と手法は、トップダウン式のアジア的価値観重視のアプローチから、草の根のイニシアティブを通じた「思いやり」や「共感」に重点を置くものへと変化していることが分かった。また、プログラムの内容も、いわゆる3F(食、ファッション、フェスティバル)を中心とした文化活動からコミュニティ・アート等の芸術活動へと変化していることが明らかになった。This study analysed the discourse on Racial Harmony Day in The Straits Times, a local English newspaper in Singapore. This study investigated how national values have been transformed and manifested through art and cultural activities. Accordingly, we examined the following questions: (1) what cultural and artistic activities have been undertaken in Singapore?; and (2) how do they correspond to national development and social issues? Data were collected from 351 press articles and 19 letters, published and/or written from 1997 to 2017 in the National Library of Singapore.
The results reveal that the core values and methods of cultural integration have transformed from a top-down, Asian value-oriented approach to a focus on ‘caring’ for and ‘empathy’ through ground-up initiatives. The programme contents also experienced a shift from culture-centric activities on the so-called 3Fs—food, fashion, and festival—to artistic activities.departmental bulletin pape
Albrecht Altdorfer : History of Reception and German Art in the 20th Century
アルブレヒト・アルトドルファーは、1891年のマックス・フリートレンダーの論考以降、長らく風景画の先駆者として語られてきた。第一次大戦後、ナチス政権の成立にともない芸術が政府の統制下に置かれるようになると、アルトドルファーはドイツ・オーストリアの政治的統一を宣伝するプロパガンダとして利用されることとなった。この頃大ドイツ芸術展に出品された、ナチスの公式画家ヴェルナー・パイナーによる戦争画のタペストリー連作の下絵は、アルトドルファーの《イッソスの戦い》が着想源となった可能性が高い。一方、当時退廃芸術とされたオットー・ディックスやオスカー・ココシュカの作品においても、アルトドルファー作品からの引用の可能性が考えられる。アルトドルファーの作品は、戦前より主にナショナリズムの高まりのなかで政治的に利用されてきた。今後は、彼の作品をより包括的に見直すことが求められるだろう。Albrecht Altdorfer has long been regarded as a pioneer of landscape paintings, since Max J. Friedländer’s article was published in 1891. After World War I, when the arts in general were placed under the control of the government following the establishment of Nazi Germany, the works of Altdorfer were utilized to propagate the political unity of Germany and Austria. It is highly probable that Werner Peiner, one of the Nazis’ official painters, was inspired by Altdorfer’s “The Battle of Alexander at Issus” when he drew the series of Gobelin designs depicting battle scenes for display at the Great German Art Exhibition. On the other hand, it is also possible that Otto Dix and Oskar Kokoschka, both of whom were branded as “degenerate” artists during this period, borrowed from Altdorfer, too. Since before World War II, works by Altdorfer have been used mainly as political tools to boost nationalism. We now need to reevaluate these works in a more comprehensive manner.departmental bulletin pape
Research methods to promote UX design in emerging countries
次世代に向けたモビリティ開発は、ユーザー視点の情緒的価値を含めた新しいライフスタイルの移動体験としての提案性を持ち、市場規模が発展する新興国もターゲットにしていく必要がある。著者たちは、新興国でのUXデザイン活動の課題に対応してUXデザインの知識と経験が無くても取り組める新たなメソッドを開発した。本研究では、調査メソッドの実証性と有用性を確認するために、インド次世代モビリティ開発の現地調査テーマをUX探索するワークショップで検証を行った。検証により新たに抽出したメソッドの課題は継続して研究を行い、インド以外の新興国へも展開適用を進めていく。Mobility development for the next generation must be able to propose new lifestyle mobility experiences that includes emotional value from the user's perspective and should target emerging countries where the market size is developing. The authors developed a new method that can be worked on without knowledge and experience of UX design in response to the challenges of UX design activities in emerging countries. In this study, to confirm the validity and usefulness of the research method, we conducted a workshop to explore the UX of the on-site research theme of next-generation mobility development in India. We will continue to research the issues of the method newly extracted through the verification and proceed with expanding and applying it to emerging countries other than India.departmental bulletin pape
Level of Understanding Japanese Implicature by Japanese Learners: An Empirical Study on Ten Usages of ‘Daijobu’
2024PDF遠藤(2020)は、日本語表現「大丈夫」の意味および使用法が時代の中で変化してきたことを指摘し、昨今の「大丈夫」をポライトネス理論に基づき15種類に分類し、その性質について議論している。他にも、山下(2013)は、現代の日本語社会において「大丈夫」が他者の感情に配慮する表現として機能していることを示唆している。このように、日本語母語話者が「大丈夫」をどのように使用、理解しているかについては研究がされてきたが、一方で、日本語を第二言語として学ぶ学習者が「大丈夫」の含意をどのように理解しているかに関する研究は、これまで十分に行われていない。「大丈夫」は一般に「問題ない」や「平気」といった意味を持つ表現として理解されているが、その使用には含意が伴う場合が多く、解釈が曖昧になることがある。この曖昧さは、日本語学習者にとっても課題となりうる。そこで、本研究では、遠藤(2020)の分類に着目し、日本語学習者が「大丈夫」の用法を母語話者と比較してどの程度理解しているかを検証することを目的して実験を行った。実験の結果、日本語学習者は、日本語母語話者と比較して、ネガティブ・ポライトネスに関わる含意の理解に困難を抱えている可能性があることが判明した。修士(文化政策)静岡文化芸術大学master thesi
Reception of Western Music in Cities during Russo-Japanese War Focusing on Kagoshima
2024PDF本論文では、日露戦争期の鹿児島県を対象とし、洋楽受容に関わった人物や団体、演奏曲、音楽の場から、地方都市における洋楽受容の過程と、日露戦争との関係性について明らかにする。『鹿児島新聞』の音楽関連記事の悉皆調査を中心としながら、情報を補足するため、『鹿児島実業新聞』を参照、国立国会図書館デジタルコレクション等でその他資料を収集し、分析を行った。
鹿児島県では明治二十年代に唱歌教育がはじまり、明治三十年代には学校行事で唱歌や軍歌が歌われていた。高等女学校や第七高等学校造士館においても、ピアノによる洋楽指導や寮歌が歌われており、学校において様々な音楽活動が行われていたことが明らかになった。また、「学舎」という武士階級の男性を中心とした鹿児島県独自の社会教育において、軍歌の歌唱や喇叭の吹奏が行われていた。これは薩摩藩時代から引き継がれた鹿児島、薩摩の気風を表す特徴的な音楽文化であったといえる。
明治三十年代以降から日露戦争期にかけて、県内各地で民間による楽隊が設立されたことが確認できる。そのなかでも、「鹿児島音楽隊」は、社会的・経済的有力者のもとに設立され、提灯行列や祝捷会、音楽会や学校行事などで活動した。「鹿児島音楽隊」は地方都市の鹿児島県に初めて、近代的な楽器と服装、西洋の響きを持ち込んだ団体であり、洋楽受容に大きな影響を与えたといえる。
日露戦争期になると新聞には多くの軍歌が掲載されるようになった。これらの軍歌は、県内の音楽教員によって創作されたものが多い。そのなかでも、第七高等学校の学生、佐々木信香と師範学校教員の佐藤茂助による《上村将軍》は、鹿児島県出身の軍人を歌った歌詞と特徴的な曲が異色の軍歌であり、県内各地で歌われた。さらに、海軍や第一高等学校で歌われるなど、県内にとどまらず県外へと伝播した軍歌であった。
日露戦争以降、鹿児島県内では音楽会の開催が活発になった。ほとんどが婦人会によるもので、軍や軍人家族援助のための寄付金集めが目的で開催されている。これらの音楽会には、鹿児島県における邦楽、西洋音楽のローカルな音楽家たちが出演しており、鹿児島県における洋楽受容を示す場であった。
教育の場における音楽活動や民間楽隊の設立、軍歌の創作、音楽会の開催など、明治後期においては音楽活動が活発であったが、男女によって担う音楽文化に違いがあった。これは薩摩藩時代から引き継がれた、勇壮で、男らしいことが求められた封建的な価値観が、当時の鹿児島県においても根強くあったことが考えられる。
また、音楽活動が活発化した背景に日露戦争がある。戦争によって提灯行列や祝捷会、凱旋行事や葬儀など戦争関連の行事が増えると同時に演奏の場も増え、戦意高揚や愛国心の鼓舞を示すものとして、音楽は用いられ、戦争協力を目的としながら、副次的に洋楽受容が進められた。
従来の洋楽受容史は東京を中心に、著名な音楽家たちが取り上げられ進められてきたが、明治後期の音楽文化は、地方の音楽教員や一般大衆によっても担われ、現在考えられているよりも多彩な音楽活動があったことは間違いなく、本研究ではその一端を明らかにすることができた。修士(文化政策)静岡文化芸術大学master thesi
温故知新:静岡文化芸術大学図書館・情報センターだより Vol.46
PDF【表 紙】
赤蝦夷風説考
【図書館散歩】
「美」なるもの / 宮崎 千穂
いくつかの本の想い出 / Jérôme Boulbès
【知っていますか?こんなサービス】
学生購入希望(リクエスト)
【図書館ニュース】
静岡文化芸術大学 デジタルコンテンツのご紹介1881-2848othe
FSC認証天竜材を用いた薄型小幅直交集成板の開発と社会実装に関する基礎的研究
2024PDF本研究は、今般開発した、FSC認証天竜材を用いた薄型小幅直交集成版(以降、本資料において薄型パネルと記載)の社会実装に向け、その利用の可能性を検証することを目的としている。
地球温暖化対策の一環として、多方面で木材利用が推進されており、木材利用率の高い建築分野は木材利用推進の基軸として位置付けられている。注1)中でも、木材の弱点を補うCLT(“Cross Laminated Timber”JASでは、直交集成板)は、国内外から利用促進が求められ、各分野・地域において、技術開発と利用促進が進められている。県内に優れた木材産地を抱える静岡県内においても、例外ではなく、行政の行う木材利用促進の基軸として位置付けられ、本論の主題にある天竜材もその一つである。紀伊山地とともに人工美林として歴史的にも名高い天竜材は、木肌が美しく、質の高い木材を特徴としているが、CLT材の原料とされるラミナには不向きであるとされる。CLTの原材料であるラミナは、間伐材を中心とした安価で大量のものが必要とされるからである。
そこで、供給できる天竜材の生産量に見合い、経済合理性に適った、質の高い薄型直交集成板の開発に至ったのが、本研究の動機である。
本資料は、3つの章立てにより構成されている。第1章は、薄型パネルの基礎的条件、第2章は、実用新案取得条件を含めた開発パネルの特徴と構造実験について、第3章は、社会実装に向け、仮)伊東プロジェクトを例に薄型パネルの可能性を検証する。修士(デザイン)静岡文化芸術大学thesi