Shizuoka University of Art and Culture Academic Repository / 静岡文化芸術大学学術リポジトリ
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高齢者の身体機能維持を楽しく支えるプロダクトデザイン研究 -「二人でトレーニング」するサポート機器-
2024PDF日本では2007 年より超高齢社会となり、前期・後期の高齢者数の割合が増えている。後期高齢者になると、心身の機能の減衰が顕在化し、フレイルを発生しやすくなる。さらに老年症候群、認知症が増加し、要介護となりやすい。
高齢者がもしもフレイルの状態になると、活動量や社会活動の参加が減っていって、外出意欲も低くなる。また、男性は女性より他人と交流する意欲が低く、退職後に地域社会との関わりが少なくなるため、孤独感を抱きやすいと言われている。そこで、本研究は男性の後期高齢者を主な対象として他人との交流機会を創出し、心身の健康を促進することを目的とする 。修士(デザイン)静岡文化芸術大学thesi
Possibilities of Chinese Ḥalal Food and Ḥalal Certification - a case study of Gansu and comparison with Shizuoka -
本論文は、中国甘粛省での実地調査を通じて、中華ハラールと中国におけるハラール認証の実態を明らかにし、静岡県に応用する可能性を検討する。中国甘粛省における調査の結果、次の2点が明らかになった。①中国には統一されたハラール認証がなく、イスラム教徒人口の多い地域を中心に認証が進められていること。②中国国内ではハラール食品の需要が一貫して高く、近年では非イスラム教徒による需要も増加した結果、ハラール食品の生産力が向上し、海外に販路を広げるハラール食品の輸出企業も増えていること。
静岡県の場合、現在までムスリムとの接触が希薄だった為、かなり緩いハラール食品対応をしている現状がある。しかし、今後はムスリム人口、ムスリム観光客の増加が見込まれるので、中国甘粛省の取り組みは、先進事例として一定の有効性を持つであろう。複雑なイスラーム法学の解釈上の相違から、東南アジア系のムスリム人口が多い静岡県では、中国の認証制度などをそのまま模倣するのは難しい。だが、資本主義の論理に従って動くハラール食材の輸入などの面では、甘粛省に多数あるハラール食品輸出企業との提携を検討する価値はあると思われる。Through field research conducted in Gansu Province, China, this paper has revealed two main points: ①There is no unified ḥalal certification system in China, and certification is primarily promoted in regions with large Muslim populations; ②in China, the demand for ḥalal food has remained consistently high, and in recent years, demand from non-Muslims has also grown, leading to increased production capacity for ḥalal food and more ḥalal food export companies expanding their markets overseas.
In regards to the current situation in Shizuoka Prefecture, there has historically been little contact with Muslims and, as a result, the prefecture has a fairly lax policy on ḥalal food. However, as both the Muslim resident population and tourist population are expected to increase in the future, the efforts of Gansu Province can be instructive as a pioneering example. Due to differences in the makeup of the Muslim populations of Gansu Province and Shizuoka Prefecture and the related complex differences in the interpretation of Islamic jurisprudence, it may be difficult to imitate China’s certification system in Shizuoka Prefecture, whose population of Muslims is largely from Southeast Asia. However, in terms of importing ḥalal foods to meet the needs of the growing Muslim population of Shizuoka Prefecture, it may be worth considering partnering with the many ḥalal food export companies in Gansu Province.departmental bulletin pape
三遠南信中央部の産業遺産と「なりわい」の歴史に関する研究
本報告では、現代に三遠南信、特に三河・遠江と南信の間に懸隔ができたという問題意識から、その2地域を結び付けてきた三遠南信中央部における近代の「なりわい」、そしてそれに関連する産業遺産を調査することによって、その産業遺産やなりわいの歴史的意義を見出すとともに、三遠南信の間にかつて存在した経済史的紐帯を明らかにした。具体的には、森林、絹、鉄道、河川という4つのキーワードを軸に、それらにまつわる産業遺産を紹介しつつ、その中央部がかつて豊饒の地であったこと、そして現在支配的な地理感覚を再考すべきことを歴史的視点から論じた。This paper addresses the issue of the modern-day divide that has emerged in the San'en Nanshin regions, particularly between Mikawa-Totoumi and South Shinano. By investigating the livelihoods (“nariwai ”) and the related industrial heritage of the “central region” of San'en Nanshin during the modern era, this research aims to uncover the historical significance of these livelihoods and the industrial heritage, and to elucidate the economic ties that once existed between these regions. Specifically, this paper focuses on four key elements: forests, silk, railways, and rivers. By introducing the industrial heritage related to these elements, it is demonstrated from the historical perspective that the “central region” of the San’en Nanshin was once a prosperous area and that the current prevailing geographical perceptions should be reconsidered.departmental bulletin pape
Forestry industrialist Tonooka Soseki (殿岡嗽石) and Nihondaira from the Perspective of the Shokuju (殖樹神社) Shrine Construction Project
大正一四年(一九二五)、上川根村(静岡県榛原郡)の林業家殿岡嗽石は、大日本山林会の大会において、林業家へ対して殖樹の祖神を祀る神社を創建する計画を提案した。この神社の建設候補地となったのが日本平であり、その最大の理由が風光明媚な場所であることであった。昭和二年(一九二七)には、東京日日新聞がおこなった「日本新八景」の企画において、日本平は平原の部の候補となった。日本平保勝会も結成され、地域をあげて新八景への登録をめざした。結果、日本平は日本百景に選出された。他方、殖樹神社の建設計画は頓挫した。林業家を主たる対象とし、地域との連携が必ずしも十分ではなかったこと、日本平に神社を建設する理由が希薄であったことなどが理由であろう。それは林業家殿岡嗽石による神社建設運動の限界でもあった。In 1925, Tonooka Soseki (殿岡嗽石), a forestry industrialist in Kamikawane Village (now Kawanehoncho Town, Shizuoka Prefecture), proposed a plan to build a shrine to worship the ancestral god of tree reproduction. Nihondaira, a scenic spot, was chosen as the candidate site for the shrine. In 1927, the Tokyo Nichinichi Shimbun conducted a “New Eight Views of Japan” project, and Nihodaira was selected as a candidate for the plain section. The Nihondaira Preservation Association was formed, and the entire community worked to have the area registered as one of the new eight scenic spots. As a result, Nihondaira was selected as one of the 100 most scenic spots in Japan. On the other hand, the plan to build Shokuju Shrine was abandoned. This was probably due to the fact that the shrine was mainly targeted at forestry industralist, that it did not have sufficient cooperation with the local community, and that there was little reason to build a shrine in Nihondaira.departmental bulletin pape
The Potential of Creative Theaters in Regional Cities: Focusing on Theaters with Resident Performing Companies
2024PDF今日、日本の劇場、音楽堂等には多様な事業を同時に行うことが求められている。しかし、実際の劇場、音楽堂等で働く人々への調査では、予算不足や人材不足の中で満足に事業が行えない現状が明らかとなっている。このような状況の中で、日本の劇場、音楽堂等が優れた実演芸術作品を制作し、地域に向けた地域活動を展開する方法を検討する必要がある。
日本の劇場、音楽堂等の約9 割は地方公共団体によって設立された公立文化施設である。そのため、本稿では特に公立文化施設に着目した。2012 年(平成24 年)に制定された劇場、音楽堂等活性化の法律の中で、劇場、音楽堂等の役割や施設で行われる事業等が示されている。その中では、大きく実演芸術の振興と地域貢献の2方向が示された。
実際の公立文化施設を調査対象とした事例研究は、共通して実演芸術活動を通して地域に貢献することやアマチュアの文化活動に着目されており、実演芸術の水準の向上と地域社会の関係は研究されていなかった。実演芸術と地域社会の関係について論じた先行研究でも、同様の傾向が見られた。実演芸術の水準の向上に関する先行研究では、作品制作過程の中での関係者の相互作用や外部環境、組織構造が実演芸術作品へ影響を及ぼしていることが明らかとなっているが、公立文化施設におけるプロフェッショナルの作品制作に関しては研究が無い。本稿では、地方都市の公立文化施設におけるプロフェッショナルの作品制作過程を述べた上で、作品制作事業と地域に向けた事業の相互作用を明らかにすることを目的とした。
専属の実演団体を抱える公立文化施設に着目し、劇団SPAC を抱える公益財団法人静岡県舞台芸術センター(以下、SPAC)とNoism Company Niigata(以下、Noism)を抱える新潟市民芸術文化会館(以下、りゅーとぴあ)を調査対象とした事例研究を行い、作品制作活動と地域活動のフィールドワーク、インタビュー調査、文献調査で得られたデータを分析した。2 事例では、地域活動を人材育成の場として作品制作活動に活用していること、作品制作活動の特徴と過程を小規模化した地域活動を実施していることが共通していた。相違点では、SPAC では、演出家の示す目的を俳優、スタッフが互いに創意工夫を重ねて実現させる作品制作過程、俳優、スタッフがその場の参加者に合わせて行う地域活動が見られた。Noism では振付家の示す振りや舞台上の演出を舞踊家、スタッフが正確に踊るうえで工夫を加える作品制作過程、Noism の中で培われる知識や技術を参加者に共有する地域活動が見られた。またSPAC では静岡県内の人材を、地域活動を通して発掘し、Noism では国内外から人材を採用し地域活動を通して育成していた。
ここから、作品制作活動と地域に向けた活動を同じメンバーが行うことで、地方都市の公立文化施設は二つの活動を互いに活用し、大都市の文化の受け皿ではなく施設独自の事業を展開させ得ることが示唆された。修士(文化政策)静岡文化芸術大学master thesi
デザイン美学の理論的基礎──グローバル時代の地方都市における展示と通史
静岡文化芸術大学近年の歴史学の傾向(メタヒストリー,グローバル・ヒストリーなど)にキャッチアップできるデザイン史学として,個別の事例に基づいた研究は蓄積されつつある.しかしそれを総体として統括できる視座は,まだ提供されていない.おそらくその結果として,美術家にとっての美術史,建築家にとっての建築史のようには,デザイナーにデザイン史が頼られていない側面がある.地方都市に設置されたミュージアムを焦点に,グローバル─ナショナル─ローカルという軸から,この視座を形成しようという試みである.21K00130research repor
EUによる域内観光振興に関わる資金支援政策の研究:ギリシャを事例に
静岡文化芸術大学1)EUによる域内地域の観光振興に関わる「官民事業者」への資金支援制度の大枠を明らかにする。
2)「欧州地域開発基金」や「欧州農村開発農業基金」を始めとしたEUの公的支援制度、および過去の先行支援制度に注目し、その制度上の特徴と実際の運用、さらに支援後の事業効果や問題点を解明
3)同支援制度を活用した観光振興事業の事例研究(地域への波及、組織的な広がりなど)
4)同支援制度の総合的評価20H04439research repor
表象空間を含む設計手法の研究 -空間の不可視領域を題材として-
2024PDF本研究は、建築空間を設計する際に、見えない空間を表象させる手法を用いることを目的とした研究である。
人は空間を何をもって捉えるのだろうか。例えば窓の向こう、曲がり角の先などにも、現在見えていないにも関わらず当たり前のように空間があることを人は感じることが出来る。これは記憶や経験から頭の中に思い浮かべることが出来る「表象」という機能が備わっているからだ。人はこのような“見えない空間”を視覚内の情報から表象することで捉えることが出来るのである。
私はこうして“表象された空間”が、視覚による形の断定が出来ないからこそ、視覚内の情報を操作することで操ることが出来るのではないかと考えた。
そこで本研究を通じて「表象空間」を分析し、表象を促すような建築空間の設計手法にまとめあげる。それを基に、訪れる人が部屋から部屋へと移動するような、シークエンシャルな空間体験がなされる美術館を対象として設計を行うこととした。修士(デザイン)静岡文化芸術大学thesi
The Process of Establishing Creative Wadaiko as a Regional Performing Art : An Analysis of 50 Years of Success
2024PDF本論文では、創設から50 年が経過した創作和太鼓を研究対象に、地域芸能として定着するまでのプロセスを明らかにし、また、複数の事例を比較することによって創作和太鼓が地域の文化として定着するにあたっての共通の特徴を明らかにした。
第1章では、創作和太鼓に関係する諸研究や、伝統の創造論、地域ブランド形成に関する研究などを整理した。第2章と第3章では、2つの創作和太鼓団体の事例研究を行った。地域資料や聞き取り調査などを通じて創作和太鼓の地域芸能としての定着プロセスを明らかにし、黎明期、成長期、定着期の3つに分けて示した。第2章では、天孫降臨霧島九面太鼓をとりあげた。九面太鼓は、天孫降臨神話や九面という題材を巧みに取り入れることで、地域性や歴史性を演出した。この太鼓は霧島神宮の奉納太鼓となり観光振興にも貢献し、また、観光客などから好評を得たことで芸能の価値が高まった。定着期には文化財指定を受け、地域を代表する正統な文化として認知された。第3章では、新潟万代太鼓をとりあげた。新潟まつりの活性化を目的に創られた万代太鼓は、新潟まつりでの演奏にとどまらず、その活動を学校教育や福祉、観光、国際交流といった多様な文脈に展開した。これにより地域住民との接点が増加し、認知や愛着が育まれた。
以上の2事例の比較考察をとおして、本論文では以下の結論を導いた。まず、両事例の共通の特徴として、①芸能に地域性を付与したこと、②活動発足の時点で上演の場を定めたこと、③地域住民の愛着形成が行われたこと、④芸能を文化以外の文脈に活用したこと、⑤継承の仕組みがあったこと、⑥演奏のクオリティを高めていたこと、の6点を示した。ただし、こうした要素を含めば必ずしも地域に定着するということではなく、とりわけ重要なのは地域社会の現状を把握することである。なぜなら、芸能の創造に際して地域社会の特徴を理解する必要があるのはもちろんだが、地域に適切な上演の場を定めたり、その芸能を文化以外の文脈に活用する場合にも、地域社会のどの文脈に芸能が入り込む余地があるのかを把握する必要があるからである。修士(文化政策)静岡文化芸術大学master thesi
親子で遊びながらコミュニケーションが取れるゲーム
2024PDF本研究では、小学校低学年の児童とその保護者を対象に、親子が共に楽しみながら自然なコミュニケーションを促進できる玩具のデザインを提案することを目的とする。協力や対戦を促す仕組みを取り入れ、多様なインタラクション形式を組み合わせることで、遊びの継続性を向上させる。親子が遊びを通じてより豊かな交流を築くことができるデザインの構築を目指す。修士(デザイン)静岡文化芸術大学thesi