Shizuoka University of Art and Culture Academic Repository / 静岡文化芸術大学学術リポジトリ
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高等学校修了生の英文法習熟度調査及び研究成果の教授法への応用
静岡文化芸術大学本研究の目的は以下の4点である。① 日本語を母語とする英語学習者が、学習指導要領に記される英語の文法項目をどの程度身につけているのか、そして、どのような文法項目が学習困難となっているのか、その実態を生徒から言語データを収集することで実証的に明らかにする。② 学習者の英文法の習熟度を測る際に、学校で説明された明示的文法を知っているだけではなく、自動化されて使えるようになった暗黙的知識の定着度を調査する。③ 明らかにされた各英文法の難易度が、どのような外的要因によって影響されているか、またはされていないのかを調査し、言語理論、第二言語習得研究に基づき分析する。④ 本研究成果を口頭発表や出版物を通し広く公表する。
本研究の初年度である2018年度は、まず、多くの先行研究の吟味を行い、予備調査として、高校修了生にあたる大学生が困難を感じる複数の文法項目(名詞と動詞項構造)に対しての習熟度を調査した。その成果を、雑誌記事や論文、そして複数の国内外の学会での発表を通して公表した。具体的には、L2学習者は、名詞の習得において、典型的な可算名詞及びフレキシブル名詞の不可算用法より、典型的な不可算名詞及びフレキシブル名詞の可算用法に困難を感じていることや、動詞の項構造においては、非対格動詞に習得の困難さを示していることが観察され、その要因として、主語の有生性(animacy)や非対格動詞の限界性(telicity)などが関わっていることが示唆された。さらに、文法項目の習熟度を広く調査をするために、Johnson & Newport (1989)、Johnson (1992)、白畑 (2004)を参考に、12種類の文法調査のための準備を行った。18K00747research repor
明治前期の日本の信号ラッパ:英仏の影響と西南戦争における運用の実態について
静岡文化芸術大学幕末維新期に流入したラッパ(Bugle)は、日本において早くから普及した西洋楽器でありながら、初期受容の実態はほとんど解明されていない。大きな原因は資料不足によるものだが、近年になって整備されたデジタルアーカイブ等を活用することにより、明治前期、とりわけ西南戦争時の記録(多くは断片的なものであるが)をもちいて、ラッパを巡る様々な側面を明らかにすることができるようになった。
本研究では、断片的な記録をコンテクストにしたがって整合的に配置し、また、同時代の仏・英のラッパ譜との照合によって、これまで全く不明であったレパートリー、その機能や役割、楽器の製造や流通などを明らかにすることを目的としている。19K00158research repor
デザインにおいて逆行開発を機能させるための“逆行推理法”の開発
P(論文)教育分野などで成果を上げている逆行開発は目的達成のための有効な手法である。この手法の特徴は実現したいゴールを工程の起点として設定することにある。しかしデザイン開発では、実現したいゴールを視覚化すること自体が開発の終点となるため矛盾が生ずる。そこで本研究では、デザイン開発において逆行開発を機能させるために、複数の目的を仮に設定して逆行開発を始動する「逆行推理法」を開発した。departmental bulletin pape
The potential of "Cascara Tea" on the Japanese market
P(論文)本稿は、日本市場におけるカスカラティーの普及を目的に実施した、商品開発および市場調査の結果をまとめた報告書である。カスカラ(Cáscara)とは、殻や皮を意味するスペイン語であり、コーヒーチェリーの果肉および果皮から抽出したお茶をカスカラティーと呼ぶ。しかし、カスカラティーは酸味が強いという課題がある。そこで商品開発にあたっては、日本のほうじ茶の製法を参考に焙煎を加え、日本市場向けに味の改良を行った。また、日本の消費者の傾向を把握するために、カスカラティーの試飲会を実施し、アンケート調査を行った。その結果、焙煎ティーを「おいしい」と答えた回答者は89%に及び、78%の回答者が「酸味を感じない」と回答するなど、従来のカスカラティーと比べ多くの支持を得られることが分かった。さらに、健康志向および環境志向の高い人がカスカラティーの潜在的消費者になり得ることが明らかとなった。departmental bulletin pape
温故知新:静岡文化芸術大学図書館・情報センターだより Vol.40
PDF表紙 : 築山庭造傳 後編 下巻小説からこころを学ぶ / 小杉大輔私の図書空間 / 礒村克郎特集:知っていますか?こんなサービス ~学生購入希望(リクエスト)~図書館ニュース:メディアステーションをリニューアルしました1881-2848othe
第7回産学共同国際デザインワークショップ
PDF日時 : 令和3年4月1日~令和4年3月31日
場所 : 静岡文化芸術大学、浜松市舞阪協働センター
目的・趣旨 :
本学の特徴を生かした国際的かつ実践的な人材育成と本学と地域の魅力発信のため、地域企業を中心としたデザイン部門からデザイナーを招き、静岡地区の産業振興をテーマに、国際交流協定校と本学学生による産学共同国際デザインワークショップを行う。
共催・後援等 :
イズミル経済大学(トルコ)、ワルシャワ美術アカデミー(ポーランド)
内容 :
浜松市が取り組んでいるテレワークパーク構想をテーマとして、浜松テレワークパーク実現委員会(浜松市・スズキ株式会社・株式会社東海理化・We will accounting associates株式会社)にご協力いただき、トルコとポーランドの国際交流協定校(CUMULUS加盟校)とともに、ICTを利用した遠隔による産学共同国際デザインワークショップを行った。本学学生は弁天島のテレワークパークにおいて、2カ国の学生はそれぞれの国から遠隔で参加し、5つの3カ国混成チームによるデザイン提案を行い、口頭発表と記録冊子によりこの成果を発表した。
結果・成果 :
感染症拡大による緊急事態宣言中という厳しい状況ではあったが、ワークショップ開始前の遠隔英会話レッスンを含め、ICTツールを使った様々な試みによって学生たちの国際意識と英語コミュニケーション力向上を図ることができた。特に、移動を伴わないことによる低コストのメリットを生かし、トルコのイズミル経済大学に加え、ポーランドのワルシャワ美術アカデミーを招待し、3カ国によるワークショップの試みができたことは、今後の国際交流の在り方を考えるうえで大変有意義であった。
テーマとした浜松テレワークパークの実証実験として国際デザインワークショップを行ったことにより、その可能性と問題について考察することができた。最終日には、ご協力いただいた関係者の皆様に向け、弁天島海浜公園活性化につながる提案の遠隔プレゼンテーションを行い、年度末までにこれを記録冊子としてまとめ、成果を内外に発信した。また、ICTツールを使った試みについては、今後もこのようなイベントで発展的に活用されることを期待して、本学紀要にて発信した。boo
Possibility of Expanding a Public Museum that Connects with the Local Community ―A case of Facility that Bears the Name of the Artist ―
2021PDF本研究の目的は、公立美術館が地域社会や住民といかなる関係性を築いているのか、作家を顕彰する公立美術館の現地調査を行うことを通じて、つながり方のありようを明らかにすることである。そして今後、美術館が地域社会や住民と、どのようなつながりを構築していけば良いのかを考える。
近年、美術館を訪れる人々は、展示作品のみならず、地域の歴史や文化等に触れたいと考えており、ニーズ(需要)は地域の日常的な生活や歴史、伝統芸能などを体験しようとする内容に変化している。美術館がこのようなニーズに応えるためには、住民の協力と理解が必要である。よって、美術館と住民及び、地域社会との関係性に焦点を当てるた、作家名を施設名称に冠した美術館(作家美術館)を本研究の題材とした。
まず、作家美術館の全国的な状況について調査した。全国美術館会議393館のうち70館が作家美術館であり、70館のうち50館が公立であった。研究対象は、自治体直営の公立館に定めた。理由は、指定管理者導入により、管理運営に自治体文化財団や民間事業者の双方が含まれると、比較することが難しくなるためである。その上で、顕彰作家について3つ、施設について3つ、計6つの条件を設け調査対象の選定を行なった。
この結果、北海道鹿追町の神田日勝記念美術館、岩手県花巻市の萬鉄五郎記念美術館、栃木県鹿沼市の鹿沼市立川上澄生美術館、熊本県小国町の坂本善三美術館が挙がった。事例分析には、松本茂章が提唱した「文化政策人材・資金調達・場の管理」の3条件を用い、美術館の実態を整理した。
4館への事例調査の結果、人材については、様々な背景を持った人々が、作家という存在を中心として美術館に集い、支えていることを明らかにした。資金については、住民からの理解や支援を得ることは、美術館が地域に根付く過程において欠かせない要素であることが浮かび上がった。場については、住民が集う場の多くが館外に存在していることが明らかになった。
これらの分析を受けて筆者は、作家美術館と地域社会のつながり方の形に名前を付けた。各事例の特徴をもとに、神田日勝記念美術館を「先人顕彰型」、萬鉄五郎記念美術館を「産業振興型」、鹿沼市立川上澄生美術館を「教育普及型」、坂本善三美術館を「交流拠点型」と名付けた。
さらに、作家美術館の展開可能性を2つ示した。1つには、作家美術館における地域社会とのつながり方の形は、今後も変化、クロスオーバー化し続けること。その結果として新たなつながり方の誕生が期待できるということだ。2つには、作家を中心とした同心円のつながりが、さらなる広がりを見せていくことだ。筆者は、この2 つが作家美術館の展開可能性である、と考えた。修士(文化政策)静岡文化芸術大学thesi
Consensus Building on the issue of Arts Policy and Local Arts Agency the Case of the Arts Tax and the Public Art Program in Portland, Oregon
2021PDF芸術は、人々の基本的権利であると同時にその公益性が認められている。しかし一方で、個々の芸術活動や作品は議論を呼ぶことがあり、芸術政策推進においては住民の合意形成が普遍的な課題となっている。オレゴン州 ポートランド は 、 芸術税の導入とパブリックアートプログラムの運営という難しい合意事項を実現してきた稀有な都市である。そして芸術税を財源とする補助金運用等とパブリックアートの推進の両者には 、 Regional Arts and Culture Council RACC) が関わっている。そこで、それらの 2 つの難しい論点に対してポートランド住民がどのように合意をしてきたのかを整理し、そこにRACCがどう関わってきたのかを歴史的に明らかにすることが本論文の目的である。この研究の成果は、芸術政策推進における住民合意を形成するためのローカルアーツエージェンシーのあり方に対して有益な示唆を与えることが期待される。
本論文では、オレゴン州ポートランド の芸術支援を目的とした税金の導入とパブリックアートプログラムという 2 つを事例として取り上げ、新聞記事や公的文書を用いて文献調査を行った。芸術税に関しては、市議会の議事録や地元新聞の記事 に対する調査と分析結果から、RACCは前身組織時代から、芸術支援を目的とした安定的な公的財源の獲得を目標にアドボカシー活動を継続的に行ってきたことが分かった。そして市議会で芸術税法案について証言を述べた市民の多くは法案に賛成しており、また法案は 、最終的な住民投票でも 6 割以上の賛成票を得て合意形成がなされていた。パブリックアートについては、RACCのPercent for Artプログラムと、Black Lives Matter運動でのパブリックアート作品に対する破壊行動に対 し、 調査と分析を行った。 Percent for A rt プログラムの作品制作段階においては、ポートランド住民 が 議決権を持つ委員会メンバーとして作品制作の大部分に参加することで住民合意が行われていた。 Black Lives Matter 運動では、破壊行為を受けたパブリックアート作品に対し RACCは即座に対応していたが、 その一方では 、RACCが独断で芸術政策を推進することに対し批判する市民の存在も確認できた。
上記の調査と分析を行った結果、RACCは芸術教育や芸術団体を維持・発展させることを通じて住民の幸福に寄与するために、常に多様な住民の意思に目を配り、住民が芸術政策に参画できるように様々な努力を行っていた。 RACCは設立以来、ポートランドのローカルアーツエージェンシーとして、ポートランドがより良いコミュニティになるように活動を続けていたことが明らかになった。修士(文化政策)静岡文化芸術大学thesi