Shizuoka University of Art and Culture Academic Repository / 静岡文化芸術大学学術リポジトリ
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温故知新:静岡文化芸術大学図書館・情報センターだより Vol.42
PDF【表紙】三河記(三河物語)【図書館散歩】見えざるものとの葛藤と煩悶 / 田中 裕二【図書館散歩】本に出会う縁 本から学べる縁 / 岩崎 敏之【知っていますか? こんなサービス】学生購入希望(リクエスト)【図書館ニュース 特別企画】「有馬朗人先生 回顧展 -浜松のひと、世界のひと-」を開催しました1881-2848othe
大学・大学生・若者による浜松市の中山間地域再生の可能性を考えるシンポジウム「まちむらリレーション市民交流会議2023」
PDF【日時】 令和4年9月1日~令和5年3月31日
【場所】 浜松市天竜壬生ホール(天竜区二俣町)
【共催】 浜松市 市民部 市民協働・地域政策課
【目的・趣旨】
本学学生(舩戸ゼミや引佐耕作隊)や「浜松山里いきいき応援隊」など浜松の中山間地域で活動している若者が会し、中山間地域再生の方策を議論すると共に本学の地域貢献を発信する。
【内容】
令和4年度は浜松市天竜壬生ホールを会場として開催した。ただ新型コロナウイルス感染防止のため会場の入場制限をし、動画サイトによるライブ中継を実施した。
第1部は「農山村からの地方創生:関係人口の可能性」というタイトルで小田切徳美氏(明治大学農学部 教授)に基調講演をしていただいた。
第2部は事例発表「若者による中山間地域づくり」というタイトルで静岡県立天竜高等学校、静岡県立浜松湖北高等学校佐久間分校、本学舩戸ゼミ、各々の代表者が地域貢献活動について発表した。
第3部はクロストーク「これからの中山間地域づくり」というタイトルで舩戸修一氏(本学文化政策学部 教授)よる司会のもと小田切氏にコメントをいただきながら現在の活動の可能性や課題について意見交換を行った。
【結果・成果】
今回のシンポジウムの狙いは、以下3点ある。第1に、浜松の中山間地域における有効な地域づくりを構想することである。第2に、若者が流出する地域において地元の高校生や本学の学生(舩戸ゼミ)が果たす役割や可能性を提示することである。第3に、このような浜松の中山間地域における活動成果を広く発信することで
ある。今回は平日開催であったが、会場には130名の参加者があり、対面開催した4年前と変わらない状況であった。当日のシンポジウムでは本学公式YouTubeチャンネルでライブ中継も実施した。アーカイブが公開されているため、当日参加できなかった人も後日視聴することが可能である。よって対面参加者130名に加え、動画視聴者は4月5日現在、800名を超えている(昨年5月22日時点では610名)。今後も視聴者数も徐々に増えると思われる。よって対面開催だけでなく、オンライン開催も併用することによって幅広く本学による浜松の中山間地域への貢献可能性をアピールし、かつ浜松の中山間地域の問題解決に取り組む活動も発信することができる。こうして浜松の中山間地域住民へのエンパワーメントにもつなげていきたい。次年度も「まちむらリレーション市民交流会議」が果たす役割は大きい。boo
Traditionalization of the penting, an instrument originating from the Taisho-goto: Signs of a return to the instrument’s origins
P(論文)本論文では、バリ島東部カランガッスム県アムラプラ周辺で演奏されている日本の大正琴を起源とするプンティン pentingとよばれる楽器と、2007年に設立されたプンティンのアンサンブルのグループ「ムルドゥ・コマラ Merdu Komala」の活動を研究対象としている。そしてこのグループの活動を通して、2つの点を明らかにした。一つは、この楽器やアンサンブルがカランガッスム県に独特な芸能であることが強調され、その後、歴史性が付与されていき、この芸能が「創られた伝統」となったことである。そしてもう一つは、バリの伝統音楽を演奏するために変容した楽器を使って、全音階の西洋音楽を演奏する試みが行われる中で、プンティンが、再び全音階を基本にしている日本の大正琴へと回帰しつつある現状についてである。The subject of this paper is an instrument called penting, which originates from the Japanese Taisho-goto. It is played in the Amlapura region in Karangasem, East Bali, and the activities of the penting ensemble Merdu Komala, which was established in 2007. Two points are made evident in this paper. The first is that the instruments and the ensemble were emphasized as a performing art unique to the Karangasem district and were given a historical character, resulting in the 'traditionalization' of this performing Arts, hence becoming 'The invention of tradition.' Another point concerns the current situation where the penting is returning to the Japanese Taisho-goto, based on a diatonic scale, as attempts are made to use the penting to play Western music.departmental bulletin pape
Evolution of a University Language Center
P(論文)2013年、静岡文化芸術大学では、学生の実践的な語学力育成を目的に「英語・中国語教育センター」を開設した。このセンターは、学生のニーズを反映し、多様な背景や能力を持つ幅広い学生にとって有益なイベントや活動を提供することが、その進化の要因の一つとなっている。本稿では、同センターの運営と問題点、そしてその解決策を紹介し、これから語学支援センターを設立しようと考えている方にとって参考になればと思う。また、同センターは最近、「多文化多言語教育研究センター」と改称し、SUACの学生や周囲のコミュニティにあらゆる言語でのサポートを提供することを使命とするようになった。また、この論文で概説した考察が、この新しいセンターの将来の成功に役立つことが期待される。In 2013, Shizuoka University of Art and Culture (SUAC) opened the English and Chinese Language Education Center to develop the practical language skills of students. Since that time, the factors that influenced the Center’s evolution came as a result of reflecting on the best way to provide language support that could appeal to a wide range of students from diverse backgrounds and abilities. This paper describes the operations of the Center and highlights some issues that occurred, as well as the solutions that were arrived at, in the hopes that the lessons learned might prove informative for those interested in establishing their own language support center. Recently, the Center was renamed the Education and Research Center for Multicultural and Multilingual Communities, to reflect the broadening of its mission to provide support in all languages for SUAC students and the surrounding community. It is also hoped that the reflections outlined in this paper may serve to inform the future success of this new Center.departmental bulletin pape
浜松地域における中小ピアノメーカーの軌跡――アトラスピアノ製造を事例に――
2022PDF本稿は、アトラスピアノ製造株式会社(浜松市、以下「アトラス」)を事例として、戦後の浜松地域において中小ピアノメーカーがどのように発展し、なぜ衰退したのかを明らかにすることを目的としている。調査にあたり、アトラスは現存していないピアノメーカーのため、元従業員やピアノ製造業関係者へのインタビューを実施した。また、インタビュー調査をする中で、ごくわずかながらも内部資料が現存していることが判明した。本稿ではこうした貴重な内部資料も使用しつつ、雑誌・新聞記事等二次資料によって事実の裏付けや補完を行った。
アトラス創業者の頼金忠は、浜松地域出身でも、ピアノ技術者(ピアノ製造・設計・調律・修理の技能をもつ者)でもなく、創業時は小さなピアノメーカーだったにも関わらず、国立音楽大学というピアノ技術者養成課程をもつ大学との提携、郡司すみという企業人と技術者とのバランスがとれた逸材がピアノ開発のかなり深部まで関わっていたこと、提携先の大手電機メーカー・ブラザー工業株式会社(名古屋市)との良好な関係構築といった3つの要素が有機的に働いたことで、アトラスは中堅ピアノメーカーとしての地位を獲得した。
また、浜松地域には中小ピアノメーカーを主な取引先とするピアノ部品メーカーや、中小ピアノメーカー出資による組合事業も存在しており、産業集積地としてのメリットが大きかった。アトラスが発展するには、浜松地域という立地が不可欠だったことも明らかになった。
開発に関わった元従業員の証言と技術開発に関するわずかな資料から、郡司すみら技術開発のスタッフは数々の開発・改良施策を行っていたことが判明したが、本稿ではその中でも大規模な開発だった「部品合理化計画」と「ハンマー開発」を取り上げた。この2つの開発の一部始終を追うことで、アトラスのピアノ作りは、戦後急激に増加したピアノ需要に対応するために、音作りへのこだわりよりも増産が優先され、経営判断と技術開発との間での葛藤があったこと、圧倒的規模・ブランド力を持つ大手の前では、「音色」「タッチ」といったピアノの本質の部分では客から選ばれないという諦念があったことが明らかになった。
技術開発と社内技術の蓄積を切り捨て、増産に踏み切ったアトラスは、1980 年代後半以降、ピアノ不況となり、小規模生産を迫られる中で生き残ることはできなかった。また、相次いだ中小ピアノメーカーの倒産・廃業によって、多くのピアノ部品メーカーも苦境に立たされ、浜松地域でピアノ作りをすることは難しくなった。部品メーカー、特にピアノ部品専業メーカーの集積が、いかに中小ピアノメーカーにとって重要だったかわかる。修士(文化政策)静岡文化芸術大学thesi
Counterterrorism in Bangladesh - After 2016 Dhaka Attack
2022PDF本研究はバングラデシュにおけるカウンターテロリズムに焦点を当て、特に2016 年のダッカテロ事件以降のカウンターテロリズムの実態と課題を明らかにすることを目的とした。本研究では文献調査を中心に、研究機関のデータや現地での専門家と学生に対するインタビューを補足的に活用し、研究を行った。まず、世界におけるグローバルテロリズムの潮流から、カウンターテロリズムが強化されるきっかけとなった9.11 以降の国際社会、各国のカウンターテロリズムの状況を整理した。更に、バングラデシュのテロリズムの変遷を確認し、武装組織の特徴の変化などカウンターテロリズムが対応しなければならない状況を分析した。そして、バングラデシュにおけるカウンターテロリズムについては、ハードとソフトのアプローチに分けて実態と課題についての分析を行った。その上で、フランスとインドネシアを事例としてバングラデシュを含めた3 か国のテロリズムの傾向やカウンターテロリズムの特徴を比較し、バングラデシュのカウンターテロリズムの実態と課題を明確化した。
特にイスラーム系の武装組織に対するカウンターテロリズムを考える際には、フランスのような先進国がカウンターテロリズムの枠組みや実践面で進んでいるものの、ムスリムが大多数を占めるインドネシアのようなアジアの途上国とは状況も対応策も異なってくる。ただ、本研究で取り扱ったムスリムが比較的大きな人口規模を占める国では、ハードアプローチに偏ったカウンターテロリズムが目立っており、テロの減少や組織の弱体化など一定の成果を収めているものの、テロの根本的な解決には繋がっていない。本研究の研
究対象であるバングラデシュのカウンターテロリズムは、法執行機関による逮捕や摘発に重きが置かれており、暴力的過激化の予防や脱過激化などのソフトアプローチについてはほとんど取り組まれていない。また、法文の拡大解釈による人権侵害、司法機関の機能不全、カウンターテロリズムの政治的利用など様々な課題を抱えている。ただ、近年テロや過激化に対する根本的な解決策として重要視されているソフトアプローチはその効果の測定が困難で評価が難しいという課題がある。従って、ソフトアプローチの取り組みを始めながら、既存のハードアプローチをより効果的なアプローチに強化していくことが求められている。修士(文化政策)静岡文化芸術大学thesi
舞台芸術家の持続可能な表現活動の実現に向けて―CSRとしての芸術支援からのアプローチ
2022PDF近年、ソーシャル・インクルージョンを実現するために、医療や福祉と連携する文化芸術活動が増えてきている。社会におけるいわゆるマイノリティである障がい者の社会参画への機能として障がい者アートが用いられることはしばしばある。中でも演劇やダンスなどといったパフォーミングアーツを活用したソーシャル・インクルージョン活動に着目すると、演劇やダンスなどの身体表現に参加し、健常者及び障がい者と共に作品を創作する活動や、子どもや障がい者が一緒に楽しむことができるワークショップを開催する活動などが挙げられる。しかし、そのような社会的活動に従事する舞台芸術家の経済的基盤は確立していない。フリーランスとして活動している舞台芸術家が多いが、長時間労働や低賃金であることに加え、ハラスメント問題など社会的に弱い立場を守る組織も整備されておらず、パフォーマーとしての本業1 つで生活していくには難しい状況にある。このような状況が進むと、舞台芸術家人口及び舞台芸術家を志す人材の減少に繋がり、文化芸術の担い手の減少が危惧され、多様性の理解やアイデンティティの形成、クリエイティビティを養うなどといったことが十分に機能されなくなってしまう。このような舞台芸術分野であるが、近年では、国や地方公共団体が舞台芸術の新たな効用に着目した支援を増やしてきている。一方、Corporate Social Responsibility(企業の社会的責任)(以下:CSR)が注目される中、SDGs への貢献を重視した企業が増えてきていることにより、企業の社会貢献活動や事業はSDGs の目標に当てはまる分野へ目が向けられるようになってきている。CSR において重視されている価値観は、パフォーミングアーツを活用したソーシャル・インクルージョン活動とも親和性があると考えられる。
本研究の目的は、舞台芸術の社会的意義を踏まえた上で、舞台芸術家が社会的活動や創造活動を持続可能に継続することができる経済的基盤の確立に寄与するための新たな選択肢の可能性を探求することである。この目的を達成するために、企業が従来から行なってきた教養・趣味・レジャーとしての鑑賞機会拡充のための支援ではなく、CSR の一環として、舞台芸術の医療や福祉等へ貢献に着目することで芸術支援を拡充し、舞台芸術家の創作活動機会を創出し、経済的基盤の確立につなげる方策を明らかにすることを研究課題として調査と分析を行なった。具体的には、積極的にメセナ活動やCSR 活動・社会貢献活動を行っている企業や組織、文化芸術や福祉の領域に助成事業を行っている財団や社会的利益に貢献している組織、福祉と文化芸術を掛け合わせた活動を行っている組織に対し、計13件のインタビュー調査を行なった。
調査の結果、全ての回答者が舞台芸術の医療や福祉等へ貢献に着目したうえで芸術支援をすることにより、舞台芸術家の創作活動機会を創出し、経済的基盤の確立へつなげることに対し否定的な意見は持っておらず、企業理念、本業との関連性、所有している施設、資産や人材などのリソースといった条件が整えば支援を行うことが可能であるとする企業も複数みられた。このような結果から、少なくとも舞台芸術家側が「舞台芸術は社会的意義のある活動である」ということを積極的に外部に発信すれば、企業からのCSR としての支援も拡充する可能性はあるということが示唆された。一方舞台芸術家側は「舞台芸術は社会的意義のある活動である」ということを積極的に外部に発信するまでに至っていないのが現状であることが調査によって確認された。舞台芸術家側がこれらの活動をCSR として支援してもらうためには企業を含めた外部への発信を行うことで、企業が舞台芸術の医療や福祉等へも貢献の認知度を高めていくことが必要になる。
以上の調査結果に基づく分析を踏まえると、舞台芸術の社会的意義を踏まえた上で、舞台芸術家が社会的活動や創造活動を持続可能に継続することができる経済的基盤の確立を実現するためには、①舞台芸術家側が営業やファンドレイジング活動を行うこと②文化芸術及び舞台芸術家の社会的意義に関する専門知識を持つ人材の育成をすること③舞台芸術そのものの社会的認知を高めることの3つが政策提言として導き出された。修士(文化政策)静岡文化芸術大学thesi
Discover Classic Cars ~アナログデザインの精髄に学ぶ~
PDF【日時】 令和4年11月13日
【場所】 静岡文化芸術大学 構内
【共催】 クラブ・アルビオン
【目的・趣旨】
自動車の誕生から250年経った現在、EVや自動運転により100年に一度の変革期と言われている。そんな今こそアナログデザインの精髄とも言えるクラシックカー約60台を展示、再評価する事でデザインと文化への理解を深める。
【内容】
大学構内に約60台のクラシックカーを展示し、各車のヒストリーやデザインについて参加者と情報交換を行った。参加車両は1950年代~70年代のイギリス車を中心に、イタリア、ドイツ、フランス、スウェーデン、ポーランド、日本と幅広く集まった。開会式後、プロカメラマンによる自動車撮影教室を開催、その後参加車両紹介へと移った。午前中は参加者と学生によるフォトコンテストを行い、昼休みに審査の上、入賞者を決定した。午後からはトヨタ博物館より講師を招き「チシタリア202クーペのレストア記録」と題し基調講演を行った。講演終了後、フォトコンテスト表彰式と閉会式を行い、歓談の後解散となった。
【結果・成果】
自動車は今、EVや自動運転等により100年に一度の変革期と言われている。今回、アナログデザインの精髄を伝えるクラシックカーを見つめ直し再評価する事で、デザインはもちろん、背景にある歴史、文化への理解を深めることができた。特にデザイン面では、国や時代の違いによる個性的なエクステリアデザイン、工芸品のようなインテリアデザイン、木や革や金属などの異なる素材を組み合わせたCMFデザインが印象的であった。両学部の学生合わせて14名が、「地域連携演習」やアルバイトという形で参加。その他見学に訪れた学生達も含め、本物に触れる貴重な機会となった。また二輪四輪メーカーへ就職した卒業生も何人か来訪し、在校生との交流を深めた。トヨタ博物館学芸員の方による基調講演は、ただのレストア記録だけではなく、作業に当たりその車のルーツやストーリーまで調査したという内容で、大変参考となった。浜松地区ではこうしたイベントは珍しく、一般入場者も数多く見られた。総合演習室に休憩スペースを作り、LPレコードの試聴コーナーを作ったが、展示車との相乗効果があり、好評であった。boo