Shizuoka University of Art and Culture Academic Repository / 静岡文化芸術大学学術リポジトリ
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特別展示「山里(やま)の祝祭(まつり)―神々と鬼たちの宴舞(うたげ)―」
PDF【日時】 令和4年7月14日~令和4年7月20日
【場所】 静岡文化芸術大学 ギャラリー
【共催】 浜松市無形民俗文化財保護団体連絡会
【後援】 浜松市
【協力】 佐久間神社、NPO法人みらいネット浜松
【目的・趣旨】
天竜区佐久間町の旧山室神社に伝来した神事芸能「花の舞」の面を紹介・展示する。三遠南信地域に伝わった民俗芸能の魅力を本学の学生たちや市民にも見知っていただく機会とする。
【内容】
1956年(昭和31)、天竜川の畔にあった山室集落は佐久間ダムの完成と引き換えに湖底へと沈んだ。その山室にもかつては「花の舞」と呼ばれる神事が伝えられていた。山室集落の解散後、「花の舞」に用いられた神々と鬼たちの面は佐久間町内の別の神社に移管され、長いあいだ収蔵庫のなかで眠ってきた。
本事業では、浜松市無形民俗文化財保護団体連絡会と浜松市文化財課と連携し、山室集落の「花の舞」に用いられた神々と鬼たちの面を初めて展示公開した。また、公開講演会、ギャラリートーク、神楽の実演などもあわせて開催した。
なお、本事業は「地域連携演習」のプログラムも兼ねており、10名の学生が事業の企画・運営に参画した。
【結果・成果】
7月15日(金)からあいだに3連休をはさんで7月20日(水)までの6日間の開催となった。
7月14日(木)の内覧会では浜松市無形民俗文化財保護団体連絡会と浜松市文化財課の関係者、学内関係者、報道各社も含めて約30名が参加。静岡新聞と中日新聞が取材に訪れ、翌日の両紙の朝刊に開催の記事が掲載された。
また、15日(金)にはNHKが取材に訪れ、当日の昼のニュースで放送された。同ニュースは翌日には全国でも放送されたため「ニュースを見て知った」という県外からの来場者が多数あった。
とくに、7月17日(日)の午後に催した講演会と神楽舞の実演では、当初の見込みをはるかに上まわる来聴があり、会場の南棟176大講義室が満席に近い状況となった。新型コロナウイルスに見舞われた時期でもあったので、満席に近い状況になったことはかならずしも芳しい成果とは言えず、開催と運営に課題を残した。それでも、内覧会を含む7日間で合計759人の参加があったことは、本事業における大きな成果と言えるだろう。
「地域連携演習」として事業の企画・運営に参画した学生たちにとっても、充実した学習の機会になったようである。boo
風を創るひとたち展 ~碧い翔け橋2022
PDF【日時・場所】
ワークショップ:令和4年10月1日 静岡文化芸術大学 自由創造工房
展示:令和4年10月20日~10月28日 静岡文化芸術大学 ギャラリー
第24回静岡県障害者芸術祭:令和4年10月29日~11月6日 クリエート浜松
【共催】 静岡県障害者文化芸術活動支援センター「みらーと」
【後援】 浜松市
【その他】 「第24回静岡県障害者芸術祭」連続企画
【目的・趣旨】
静岡県障害者文化芸術活動支援センター「みらーと」と本学が連携した官学連携活動を通じて、障害を持つ方の地域における創作活動と発表の機会を提供するとともに、作品への再評価、また学生や県民の障害に対する理解を深めることを目的として実施した。
【内容】
本イベントは、静岡県障害者文化芸術活動支援センター「みらーと」との共同で「風を創るひとたち展」(障害を持つ方の作品展)を開催する官学連携活動で、今回「碧い翔け橋2022」という副題を付け活動全体のコンセプトとした。碧(あお)をスクールカラーに持つ本学の学生が、障害のある方々が社会と広くつながるための一助になる、という思いを込めている。コンセプトにもとづく意義のある展示にするために、学生と障害のある方が共に「風」に因んだ「風鈴」を作るワークショップを開催し、この様子を記録した動画も上映した。ブース等も風」をイメージさせるものとした。本活動は第24回静岡県障害者芸術祭の連続企画としても位置付けられ、ワークショップの動画は期間中、クリエート浜松でも上映された。
【結果・成果】
ワークショップでは、浜松手をつなぐ育成会から8名が参加し、学生らが企画した風鈴作りを自由創造工房で行った。学生と障害のある方がペアになり、対話しつつ制作活動を行うことで互いに打ち解け和やかな雰囲気となり、学生も手ごたえを得た会となった。
作品展では、ギャラリーにて絵画、陶器、木彫りなど約50点が展示された。期間中の来場者数は302名、県内の高校生や近隣小学校の児童らも来場した。アンケートによれば来場者は20代以下が4割で、また学外からの来場者が6割であった。本展示が広く社会の若年層に関心を持って受け入れられ、また社会的関心の高い活動であることが認識された。展示作品については「感動した、素晴らしい、楽しい」といった声が多く聞かれ、絵画「キツネの森」が人気を博した安田幸大さんは2014年に本学のユニバーサルデザイン絵本コンクール高校生部門で優秀賞を受賞しており、本学の歩みとともに成長する作家として再認識された。「風をつくる」というコンセプトにもとづく意義のある展示レイアウトも好評で、静岡新聞(10月25日朝刊)、中日新聞(10月23日朝刊)にも本活動の記事が掲載された。boo
Z世代の“共感の指向”から考える若者の消費とコミュニケーションに関する研究
P(論文)本研究は“若者の消費とコミュニケーション”に関する研究である。分析視角として〈共感〉を採用し、若者の消費とコミュニケーションにおける行動の探求を試みた。そのため、共感に関わる量的調査・質的調査を多世代に渡って実施をしたところ、二つの特異性が確認された。一つ目は共感に対する意識や感覚が各世代で異なる点である。二つ目は共感に指向性が存在した点である。学術的に共感は他者の思考や行動に対して発生するもの整理されてきたが、現代の若者における共感とは自身の思考や行動に賛同する意見等に対して多く用いられている事が示された。即ち、共感の発信の指向が異なっているという事である。更には、これら共感の指向性への影響要因の一つとしてSNS等の“能動的に取り組める仕組み”が影響を与えている事も示唆された。departmental bulletin pape
連携授業から展開した「次世代型新聞制作プロジェクト」の経緯について
P(論文)本プロジェクトは、本学(静岡文化芸術大学)の学生メンバーが既存の新聞紙面とは異なるレイアウトを企画、制作し、実際の新聞紙面に掲載することを目的として、2021年度から2022年度にかけて実施された。プロジェクトを実施するきっかけとなったのは、2019年に取り交わされた静岡新聞、中日新聞の両新聞社と本学の連携協定、およびそれに基づいて開講された連携授業でのワークショップにおける学生からのアイデアであった。このような経緯から開始されたプロジェクトであったため、学生にとっては授業やゼミと異なり、自主的な参加が求められる活動となった。だがそれゆえに、プロジェクトの進行は、全体として柔軟に進められるものとなった。結果的にプロジェクトは、メディア・リテラシー教育を超えて、地方紙と大学の連携のあり方、またその取り組みに対する地域との関係性を考えさせるものになった。departmental bulletin pape
2022 The Orientation of Generation Z Learning from "My Favorite Shop" in Shizuoka University of Art and Culture(2)
P(論文)この報告は、2年生から4年生のデザイン学部所属学生を対象とした講義「インテリアデザイン論」の中で取り組んでいる、“マイフェイバリットショップレポート”(自分のお気に入りの商業施設を取り上げ、受講者同士の双方向の意見交換により自分たちの生活スタイルの一端を考察する取組)をまとめたものです。今年は、昨年に続き二年目となります。骨子は以下の通りです。
【背景】
建築・インテリアデザインの歴史を振り返ると、各時代に生きる人々の考え方に影響を受けてきた。なかでも商業建築はその様相を色濃く反映し社会潮流の変化を受け入れているが、社会潮流の変化と商業建築の関係を実証的に取り上げた研究は少ない。
【着眼点】
高校から大学へと生活環境が変わった学生達は自由と責任を伴いながら、新たな生活圏の拡がりを形成し、その過程において、商業建築で過ごす時間は生活空間の一部となっている。生活空間の拡がりと傾向を把握する。
【目的と意義】
大学でデザインを学ぶ学生達は、やがて自らが消費者集団の大きな位置を占めるようになる。学生たちが自らの志向性を知ることは、将来、社会の中で、デザインなど各分野でマーケットインするにあたり、その発想の手掛かりとなる。This report is based on the "My Favorite Shop Report", which I worked on in the lecture "Interior Design Theory" for the students belonging to the design department of the 2nd to 4th grades, and exchanged opinions with each other. This is a report on our efforts to consider a part of our lifestyle. This is the second report since last year. The outline of the contents is as follows.
【Background】
Looking back on the history of architecture and interior design, I have been influenced by the way of thinking of people living in each era. In particular, commercial architecture strongly reflects this aspect and accepts changes in social trends, but there are few studies that empirically address the relationship between changes in social trends and commercial architecture.
【Viewpoints】
Students whose living environment has changed from high school to university form a new expansion of their living sphere with freedom and responsibility, and in the process, the time spent in commercial construction becomes a part of their living space. It is an attempt to grasp the expansion and trends of living spaces.
【Purpose and significance】
Students studying design at university will soon occupy a large position in the consumer group, and knowing their intentions will be marketed in various fields such as design in society in the future, a clue to that idea.departmental bulletin pape
明治期に金管楽器を製造していた人々について-『楽器商報』『ミュージックトレード』の記事、および内国勧業博覧会記録等の分析を通して
P(論文)日本における西洋楽器製造の歴史は、オルガンやピアノ、ヴァイオリンの製造史に偏りがちで、金管楽器製造については、あまり調査されてこなかった。少し有名な江川仙太郎でさえ不正確な情報が多い。そこで、本稿は、明治期に金管楽器を製造していた職工について、雑誌記事や博覧会の記録に基づき、整理することを目的としている。
草創期における代表的な製造業者は、大阪では江名常三郎と上野為吉、東京では宮本勝三郎、江川仙太郎、田邊鐘太郎である。かれらの多くは、楽器の修理と信号ラッパの製造からスタートし、やがてコルネットやバリトンのような金管楽器を製造することになった。departmental bulletin pape
Research on the new relationship between society and art in Hamamatsu “Part 1 Trial at the workshop”
P(論文)現代社会において、芸術家の新たな表現方法を創造することは、人間性の豊かさを育み、芸術文化を継承し未来へと紡ぐことに繋がる。これまで、作品という「形」を通して表現してきた芸術家だが、表現の多様化が進み鑑賞者が作品のコンセプト(意義)を理解することは容易ではなくなった。そこで、芸術家が表現する、形態や色彩などの「美しさ」を追体験できる教材を研究、開発し、ワークショップ形式で鑑賞することができる活動を行うことで、「形」では無い新しい表現ができるのではないかと考えた。本稿は、浜松ならではの素材とギミックを使い行ったワークショップイベントを記録したものである。In today's society, creating new ways for artists to express themselves enriches humanity and helps to pass on artistic culture and weave it into the future. Until now, artists have expressed themselves through the "form" of their works, but with the diversification of expression, it is no longer easy for viewers to understand the concept or significance of a work. Therefore, I have researched and developed educational materials that enable the viewer to experience the “art” of form and color as expressed by artists, and have considered that new forms of expression which are not based on "form" might be possible through workshop-style activities that enable the viewer to appreciate them. This paper is a record of a workshop event that was conducted using materials and techniques unique to Hamamatsu.departmental bulletin pape
Administration Literacy in 16th Century France
P(論文)本論文では16世紀の王令における文書作成に関する規定を検証する。1490年代から16世紀にかけて、王権は長大な王令を繰り返し発布し、王国の司法制度・課税制度をそこに書き表しただけでなく、高等法院その他の裁判所に、王令の文字どおりの遵守、および王令に基づいた判決を命じた。またそれらの王令においては、それぞれの裁判所の判決、公証人の証書類、貴族の名簿、そして教区簿冊といった、文書記録の作成と参照についての規定が増えていく。これを本論では行政の文書化として捉える。16世紀後半のフランスは宗教戦争期にあたるが、文書化の視点を加えることによって、当時の治安行政(ポリス)を含めた行政体制を見直すきっかけとしたい。departmental bulletin pape
University co-ops’ governance and risk management : A case study of fraud at SUAC co-op
P(論文)大学生協は、法令に基づき、学生や教職員らの組合員により組織された機関によって民主的に運営されている。多くの大学生協は全国大学生活協同組合連合会や各地の事業連合に加盟しており、これらの組織から支援を受けつつ、専従の生協職員を雇用して事業を行っている。これにより多様なサービスの安定的・効率的な供給を実現させている一方で、機関運営と事業運営とが隔てられ、組合員による機関運営の役割や裁量は限定的なものとなり、ガバナンスの形骸化という組織運営上の問題を抱えている。
静岡文化芸術大学生活協同組合(以下、文芸大生協)では、2021年度に当時雇用していたパート職員が文芸大生協の資産を不正に取得する被害が発生し、これに対して、損失の処理、情報公開、不正の再発防止などの対処を行った。同様の不正の被害は全国の大学生協で散発しているものの、過去の事例を参照できず、文芸大での不正の対処は困難を極めた。また、不正の再発防止において対策にかかるコストや役員の負担などの難しい課題を残すなど、大学生協のガバナンスの問題を浮き彫りにした。
本稿では、文芸大生協での不正とその対処を事例として報告した上で、大学生協のリスク管理の改善には、全国・地域単位での多層的なガバナンスの構築と、大学の主体的な関与が必要であることを提示する。University cooperatives (co-ops) are democratic organizations managed by union members, including students and faculty members, based on laws and regulations. Most university co-ops are members of the “National Federation of University Co-operative Associations” and regional business associations. University co-ops are operated by full-time staff and receive support from participating federations. Although this has enabled them to supply stable and efficient services, it has limited the role and discretion of union members in managing the organization. Institutional and business managements were separated, which led to an overall organizational management problem of formalization.
In 2021, a part-time employee acquired the assets of the “Shizuoka University of Art and Culture cooperative (SUAC co-op)“. SUAC co-op took immediate measures to dispose the loss, disclose information, and prevent recurrence of such fraud. Although similar frauds have occurred at university co-ops in Japan, we could not locate any post-case documentation. Therefore, it was difficult to take measures. In addition, the expense of fraud prevention and the executive load are still problematic, which highlight the weaknesses of university co-op governance.
This article uses a case study of fraud at the SUAC co-op to demonstrate that risk management at university co-ops requires the establishment of multi-layered governance on a nationwide and regional basis, and the proactive involvement of universities.departmental bulletin pape