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Enhanced bone regeneration capability of chitosan sponge coated with TiO2 nanoparticles.
松本歯科大学博士(歯学)2020乙第34号application/pdf要旨[目的]キトサンはティッシュエンジニアリング用の担体として広く用いられているが、再生用の担体として適しているとはいえない。特に、機械的強度が十分ではないことや、骨分化誘導能を有さない点が課題であった。本研究ではキトサンに骨分化誘導能を有するTiO2のナノ粒子を加えることにより、骨再生用の担体としての有用性を検討した。〔材料と方法〕キトサン-TiO2ナノ粒子含有スポンジ担体の作製は、1gのキトサンパウダー(Sigma aldrich)とナノTiO2粒子(Degussa)を1 %(v/v)CH3COOH(Merck)中に溶解し、これとNaOH水溶液とを混合、攪拌し、その沈殿物として回収した。ナノTiO2粒子の含有量は、0%, 12.5%, 25%, 50%の4種類とした。沈殿物は96wellplate中で凍結乾燥させ、その後2回洗浄して使用した。担体の形態は走査型電子顕微鏡(FEI Quanta 650)を用いて観察した。次に結晶構造をX線回折(XRD,RIGAKU,RINT 2100/PC) にて解析した。また、この担体をsimulated body fluid(SBF) 溶液中に浸漬し、フーリエ変換赤外分光光度計(FTIR)を用いて溶出物の測定を行った。次に3週齢雄C57BL/6Jマウスの脛骨、大腿骨より細胞を採取し、密度勾配遠心法にて単核球分画を分取した。培養によって得られた2継代目の間葉系幹細胞を実験に使用した。担体を紫外線にて30分滅菌後、1x104/cm2の間葉系幹細胞を播種した。その後分化誘導培地へ交換し、骨分化の程度を比較するためosteocalcin (OCN)dentin matrix protein 1(DMP1)の遺伝子発現を定量的RT-PCRにて測定した。担体への接着細胞数はWST-8を用いて測定した。中性ホルマリンで固定後0.2%crystal violetにて染色し、実体顕微鏡下で接着細胞の観察を行った。〔結果〕形態学的および結晶解析の結果から、得られたキトサンスポンジは、多孔質の連通孔 を持つ構造で、ティッシュエンジニアリングに適した形状であった。TiO2の結晶構造はアナターゼ型であり、キトサンスポンジ表面に均等に分布していた。分解度試験では、TiO2ナノ粒子を添加されていないキトサンスポンジが7日で崩壊したのに対し、すべての添加群では2週間形態が維持されていた。溶出物のFTIRによる解析では、TiO2ナノ粒子添加群ではPO43- のバンドが認められたが、これはスポンジ表層にハイドロキシアパタイトが形成されたことを表している。間葉系幹細胞をこの担体に播種後骨分化誘導を行い、骨分化マーカーであるOCNとDMP1の発現を解析した。OCN、DMP1の発現は、TiO2ナノ粒子の含有量が50%の群において、TiO2ナノ粒子を含まない担体の2倍程度に増加していた。また、TiO2ナノ粒子の含有量が上昇するにつれて接着細胞数が増加し、その結果はcrystal violetによる染色でも確認された。〔考察〕本研究では、キトサンスポンジの機械的性質の改善と骨分化誘導能を期待して、TiO2ナノ粒子を添加することで新たな担体を作製した。作製された担体において、TiO2ナノ粒子は表層に均一に分布していたが、これが担体の物性向上に貢献していると考えられた。キトサンスポンジ担体を骨再生に用いる場合の問題点は、分解速度の速さであった。本研究の結果からは、12.5%以上のTiO2ナノ粒子を加えることで分解速度を7日間から14日以上と改善された。SBFに浸漬したバイオミネラライゼーション評価では、キトサン-TiO2ナノ粒子含有スポンジ担体のみでハイドロキシアパタイトの沈着が認められたことから、TiO2ナノ粒子の添加が石灰化を促進する可能性が示唆された。間葉系幹細胞を用いたin vitro骨分化誘導実験の結果では、50%TiO2ナノ顆粒添加群ではOCNとDMP1の発現が上昇したことから、骨分化を促進することが明らかとなった。TiO2は骨分化を促進することが知られており、50%添加群での骨分化の促進は、TiO2の骨分化誘導促進作用と担体の強度の向上によるものと考えられた。一方、25%までのTiO2ナノ粒子添加群ではOCNとDMP1の発現は不変または減少した。TiO2の効果には一定の濃度が必要なことが知られている。また、今回滅菌に用いた紫外線はキトサン担体を分解するため、比較的物理的強度に劣る25%までのTiO2ナノ顆粒添加群では、分化誘導期間中に担体の強度が低下し、細胞の安定が得られなかったことが一因と考えられた。本研究の結果から、新たに作製されたキトサン-TiO2ナノ粒子スポンジ担体は、適切なTiO2ナノ粒子の含有率を選択することで、骨再生用の担体として有用である可能性が示された。doctoral thesi
Pre and postoperative changes in the morphology of pharyngeal airway in patients with skeletal mandibular prognathism─A comparison between Class 1 malocclusion and simultaneous maxillomandibular surgery─
application/pdfObjective: Many reports mentioned the reduction of pharyngeal airway space after orthognathic surgery in patients with skeletal mandibular prognathism. We examined the pharyngeal airway space in patients treated with simultaneous maxillomandibular surgery and presented our findings. Materials and Methods: Records of 31 patients treated with simultaneous maxillomandibular surgery (case group) and 28 patients with Class 1 malocclusion treated with orthodontic treatment alone (control group) were examined from the pre treatment. The size of the pharyngeal airway (at 5 locations) in the control and case groups at pre– and post–treatments were analyzed through ANCOVA. Also the change in the size of the pharyngeal airway (at 5 locations) between pre– and post– treatments in each group were analyzed through ANCOVA. Results: (1) At the pre treatment, we found out that SPPS (soft palate to the posterior pharyngeal wall) in the case group was significantly wider than the control group (p<0.05) however, multiple comparisons showed no significant difference. (2) After treatment, the SPPS and MPS (PSP to the posterior pharyngeal wall) in the case group were significantly wider than in the control group (p<0.05) nevertheless, multiple comparisons showed no significant difference. (3) The width of the pharyngeal airway before and after treatment was compared between the control and the case group. In the control group, PPS (PNS to the posterior pharyngeal wall) after treatment was significantly larger than before treatment but multiple comparisons showed no significant difference. In the case group, PPS was larger after treatment than before treatment and multiple comparisons showed significant difference (p<0.01). Discussion: Before treatment, we found out that the upper pharyngeal airway space was narrower and the lower part is wider than after treatment whereby we predicted that after treatment, the upper part would be wider and the lower part would be narrower. However, no significant difference was obtained in the group treated with simultaneous maxillomandibular surgery due to the complex three–dimensional movement of the maxilla. The trend shown in the hypothesis was not recognized. Conclusion: When simultaneous maxillomandibular surgery was carried out to treat cases of skeletal mandibular prognathism, the pharyngeal airway (PPS) significantly increased after surgery. Meanwhile, the lower part of the airway decreased.journal articl
第3次産業勤労者の口腔保健行動と意識
松本歯科大学博士(歯学)2019甲第219号application/pdf【背景と目的】近年,口腔の健康を維持するための口腔保健行動の重要性が謳われており.歯科医療に関する一般生活者意識調査では定期歯科健診を受診する人が増加傾向を示している.しかし,依然として自覚症状がないと歯科医院を受診しない人が3割と多く,定期健診を受けない人の意識や予防に対する関心度は不明である.そこで,これらを解明するために第3次産業勤労者の定期健診に関する意識と口腔保健行動を調べた.さらに,歯科医師が職場を訪問して実施するブラッシング指導(TBI:Tooth Brushing Instruction)の効果から,今後の啓蒙活動や保健指導を検討した.【対象と方法】第3次産業の勤労者378名(年齢:18‐84歳)を対象にアンケート調(歯科医院に訪れる理由,定期健診の有無と理由,定期健診へのシステム,虫歯の有無,ブラッシングの知識・1回の時間・1日の回数,補助具の使用,8020への関心)を実施した.アンケート結果より定期健診を受診している群(健診有群)と定期健診を受診していない群(健診無群)に分け,健診有群 / 健診無群を従属変数としたロジスティック回帰分析を用いて定期健診との関連項目を検討した.また健診無群の21名をTBI実施群(TBI群:11名),TBI無群(コントロール群:10名)に分けた.検者が会社に出向き,各群に半年毎の計4回(2年間)のPCR(Plaque Control Record)を実施した。TBI群には毎回TBIを実施して,コントロール群にはTBIを実施せず,PCRのみを行った。各群内で初回と各回のPCR値をWilcoxon符号付順位検定で比較してTBIの効果を検討した.両群の比較には,Mann-Whitney検定を用いた.【結果】アンケート総配布数647枚に対して,回答が得られたのは378枚で回収率は58.4%であった.アンケートより健診有群は107名,健診無群は269名であり,定期健診を受けない理由は「時間がない」が多く,次に「必要性が不明」「治療費が高い」であった.定期健診を受けるためのシステムは,定期健診有群ではリコールの連絡を必要とし,定期健診無群では訪問による健診を希望していた.ロジスティック回帰分析から,定期健診をしていることは,年齢(40歳以上)(オッズ比 1.61),女性(オッズ比 1.83),虫歯なし(オッズ比 2.24),ブラッシング方法の知識あり(オッズ比 3.62),歯間ブラシの使用あり(オッズ比 2.41),フロスの使用あり (オッズ比 2.09) と有意な関連が認められた.TBIの効果では,TBI群は初回に対して2回目(p < 0.05),3回目(p < 0.01),4回目(p < 0.005)はPCR値が有意に低下した.コントロール群でも初回に対して3回目(p < 0.05)4回目(p < 0.01)はPCR値が有意に低下したがTBI群の方がより減少した.【結論】アンケート調査の結果から,定期健診のために歯科医院を受診する事は,業種に関わらず口腔保健に関する個人の知識,女性であること,補助道具の使用,40歳以上の年齢が強く関与していた.従って,定期健診を受診している人は,ブラッシングの方法等の知識を習得しており,補助道具を併用した口腔ケアを実施しているため,口腔内の状態が良好である.しかし,これらの人は8020を目指しているわけではなく,生活の一部として口腔内のケアを実施していると考えられる.さらに,会社へ出向いて実施するTBIの効果も十分に期待できる事,TBIを実施しなくても検査をする行為だけでも,口腔ケアに影響力があることが明らかとなった.今後,40歳未満の勤労者や定期健診を受けていない男性の意識改革を強化するとともに,時間がなくて定期健診を受けられない人に対して,訪問指導をする等の歯科医師の能動的なアプローチも重要だと示唆された.doctoral thesi
偏位を伴う骨格性下顎前突者の主機能部位
松本歯科大学博士(歯学)2019甲第222号application/pdf【目的】食物の粉砕は機能咬頭間の限局された部位で行われており,この部位は主機能部位とよばれている.そして成人個性正常咬合者では上下顎の第一大臼歯に存在することが示されている.不正咬合者の主機能部位については,骨格性下顎前突では,上下顎ともに第一大臼歯を中心にばらつきがあり,上顎では有意に前内方に,下顎では有意に後外方に位置していることが報告されている.しかし,水平的下顎偏位と主機能部位の関連は検討されていない.そこで,本研究では偏位を伴う骨格性下顎前突者の主機能部位を解析することを目的とした.【資料及び方法】松本歯科大学病院矯正歯科に来院した骨格性下顎前突者13名(平均年齢20.1±4.5歳)を対象に,テンポラリーストッピング(ストッピング)を用いて習慣性咀嚼側の主機能部位を決定した.主機能部位の決定は,直径3.4mm 長さ4.0mm のストッピングを舌上におき,噛みやすい位置で噛むように指示した. これを,左右側の部位を指定せずに10回行い,先に5回達した方を習慣性咀嚼側とし,残りの回数は習慣性咀嚼側の反対側で咬むよう指示した.習慣性咀嚼側と下顎骨の偏位側が一致した8名 (一致群:ANB -3.9±2.3°)と,習慣性咀嚼側位側と一致しなかった5名(不一致群:ANB -3.3±1.7°)の2群に分類した.その後ストッピングを復元した歯列模型を専用の3D モデリングソフトウェアを用いて3次元化し,ストッピングの位置の座標解析を行った. さらに,臼歯部の歯冠傾斜を,モデリングソフトウェアを用いて測定した.また,側面頭部エックス線規格写真と正面頭部エックス線規格写真(PA)を計測し解析した.【結果および考察】一致群は偏位側側方歯に連続した交叉咬合が7名,非偏位側側方歯に連続した鋏状咬合が1名にみられた.不一致群の側方歯は,両側交叉咬合1名,交叉咬合なし4名であった.正面セファログラムでは,一致群の上顎骨幅と下顎骨幅が共に偏位側が非偏位側に比べ有意に大きく,不一致群では,偏位側と非偏位側の間に有意差はみられなかった.また,下顎メントン偏位量と下顎骨幅径の偏位側と非偏位側の差は,一致群が不一致群に比べ有意に大きい値を示した.主機能部位の歯の位置は,上顎では一致群では偏位側,非偏位側ともに第一大臼歯が6名(75.0%)と最も多く,不一致群でも偏位側,非偏位側ともに第一大臼歯が4名(80.0%)と最も多くみられた.下顎では,一致群において偏位側では第一大臼歯が5名(62.5%),非偏位側では第二大臼歯5名(62.5%)と最も多く,不一致群では偏位側は第一大臼歯に5名(100.0%),非偏位側でも第一大臼歯に4名(80.0%)と第一大臼歯に最も多くみられた.主機能部位の座標解析では,一致群では上顎水平方向では偏位側が非偏位側に比べ有意に頬側に位置し,下顎では偏位側が非偏位側に比べ有意に舌側に位置した.一方不一致群では,上下顎骨の偏位側と非偏位側の比較で前後方向水平方向ともに有意差はなかった.咬頭傾斜角は,一致群では偏位側の上顎第一大臼歯が非偏位側に比べ有意に頬側傾斜し,偏位側の下顎第一大臼歯は非偏位側に比べ有意に舌側傾斜が示された.不一致群の咬頭傾斜角は,偏位側と非偏位側の間に有意差はみられなかった.偏位症例では偏位側で交叉咬合を示し,咬合力と咬合接触面積は,偏位側が非偏位側よりも有意に大きいことが報告されている.すなわち,一致群では咬合接触面積が大きく咬みやすいために主機能部位が偏位側に存在し,より偏位側で咬合することで,下顎骨偏位側咬筋付着部の骨形成が促進され,偏位側下顎骨幅径が増加している可能性が推察された.また,混合歯列期に上顎歯列弓幅径が狭く,上顎と下顎の臼歯の咬頭と咬頭が早期接触し,機能的に横方向に偏位して機能性交叉咬合となり,成長期に骨格性下顎偏位に移行することが多いと報告されている. 従って,成長期の片側性の連続した交叉咬合症例は早期に改善して,下顎骨の偏位側での習慣性咀嚼と臼歯部の咬頭傾斜角度の増加を防止することが重要と考えられた.doctoral thesi
歯周組織の状態とフレイル, ソーシャルキャピタルの関連
松本歯科大学博士(歯学)2018甲第214号application/pdf歯周病や歯の欠損により咀嚼機能が低下すると,食事の内容が偏る可能性がある.その結果,全身的な栄養不良をきたすが,特にタンパク質低栄養状態となった場合,身体的に脆弱な状態に陥ると考えられている.一方,歯周病は,口腔という局所の感染症と捉えるだけでなく,全身に対する歯周ポケットからの持続的な慢性炎症性疾患であり,細菌をはじめ,さまざまな物質が血液を介して全身に影響する可能性(糖尿病,心臓血管疾患,肥満・メタボリックシンドローム,誤嚥性肺炎,骨粗鬆症)が報告されている1).これら歯周病が影響する生活習慣病の悪化による身体的な脆弱な状態も考えられる.高齢者における上述のような脆弱な状態,すなわち,要介護状態に陥る前の意図しない衰弱,筋力の低下,活動性の低下,認知機能の低下,精神活動の低下など健康障害を起こしやすい状態はfrailtyと呼ばれている2).frailtyの日本語訳としては「虚弱」が使用されてきたが,日本老年医学会フレイルワーキンググループでは「フレイル」と呼ぶことを提唱し,要介護状態となる前に予防策を講じるように呼びかけている3).また,ソーシャルキャピタル(Social Capital:SC)とは,物的資本(Physical Capital)や人的資源(Human Capital)などと並ぶ新たな概念のことで,「ネットワーク」,「規範」,「信頼」といった,人と人とのつながりや,社会活動への参加などにより得られる資源と定義される.これは1993年にPutnamにより,SCを人々の協調行動を活発にすることによって社会の効率性を高めることのできる,「信頼」,「規範」,「ネットワーク」といった社会組織の特徴であると明記4) して以来関心を集めている.近年,このSCが健康寿命と強く相関があることが報告されている5) .しかし,SCに影響する因子についての報告は少ない.Takeuchiらは,SCに含まれる社会参加が,日本人高齢者間でより良い口腔内の状態と相関することを報告したが,未だ因果関係の解明には至っていない6).そこで,我々は歯周組織の健康状態が健康寿命に影響するか否かを解明する一助として,歯周組織の健康状態とフレイル,SCとの関連性を通して,歯周組織の健康状態悪化からフレイルの悪化が起こり,SCを規定する信頼,規範,社会参加の低下,健康寿命の短縮という図式が成立するという仮説をたて,これを検証するための準備研究として横断研究を施行した.doctoral thesi
Minimally invasive removal of a foreign body from the maxillary sinus mucosa through the extraction fossa using piezosurgery: a case report
application/pdfThis report describes a minimally invasive procedure for removal of a foreign body concealed under the sinus mucosa via the extraction socket approach using piezosurgery. First, the exact position of the foreign body was determined by cone–beam computed tomography. After the extraction of the second molar palatine root, the residual gutta–percha point in the sinus mucosa was removed using a piezosurgery with a round diamond tip and a root canal–filling forceps through the extraction socket. Oxidized cellulose was placed on the bottom of the extraction socket and the socket was covered with a periodontal dressing material. There were no postoperative complications.journal articl
Clinical Effects by the Paste including Grapefruit Seed Extract on Gingivits.
松本歯科大学博士(歯学)2019甲第217号application/pdf化学的プラークコントロールの1手段として,天然生薬を用いたハーブ系歯磨剤様ペーストを作成し,その臨床効果を検討することを計画した.そこで天然生薬としてグレープフルーツシード(GSE)を選択し,ハーブ系歯磨剤様ペーストを試作し,その臨床効果を検討した.対象者は,上記研究担当者が所属する医療機関の歯科医院に通院している患者から成人で20歯以上を有しており,歯肉炎,軽度慢性歯周炎の診断後,加療を受けたのち3-4カ月毎に定期的に来院しているメインテナンス患者である.歯磨剤様ペーストの基材は歯磨剤に用いられているものをベースとし,歯磨剤様ペーストの種類A:2%グレープフルーツシード+基材にて調整、B:0.2%グレープフルーツシード+基材にて調整、C:基材のみとした.患者における臨床データについては,被験者の研究機関修了後に筆者ならびに共同研究者に送付することとした.研究担当者は上記の同意が得られたのち,ただちに以下の背景調査ならびに口腔内診査・検査を行った.そののち,対象部位以外のPMTCを行い,対象歯を対象者とともに確認してからペースト使用方法を再度説明した.研究開始1週後ならびに4週後に予約を行い,予約当日に研究開始日と同様な背景調査ならびに口腔内診査・検査を行った.さらに有害事象の有無の確認を行った.ただし,X線検査については研究開始1週後には行わなかった.背景調査、歯周チャート(GI,PLI,PPD,動揺度)、デンタルX線写真 (口内X線写真:平行法)、細菌学的検査(菌数と運動性菌の割合:図1-1,1-2)、有害事象の判定を行った. 歯磨剤様ペーストは1日2回(起床・朝食後,就寝前)、被験者の行っている通常の機械的プラークコントロール・洗口後に使用した.使用時は1回約5g(1cm)程度の歯磨剤をブラシ毛先に出し,当該部位の頬側と口蓋・舌側の歯肉頂のやや歯肉溝・ポケット寄りに軽く塗布した.塗布後は3時間後までの食事と30分以内の水分補給を禁じた.使用期間は有害事象がない場合,4週間とした.そてい使用直前と使用後1,4週後のデータを比較した.その結果,有害事象はほとんどなく,さらに歯肉炎症消退に対する効果が1週間の朝晩使用により機械的プラークコントロール以上の効果が期待でき,プラーク付着やポケット減少に悪影響がないことがわかった.また細菌学的検討は詳細な検討が必要であることがわかった.doctoral thesi
松本歯科大学学生の食事・栄養調査ーBDHQを持ちいた解析ー
application/pdfA brief diet history questionnaire was issued to first–year Japanese students (18–29 years old) at the School of Dentistry of Matsumoto Dental University to determine their nutrient and food intakes for future nutrition education programs. The subjects of this study were 196 people (138 males, 58 females). 1) The contribution of protein, particularly of plant origin, to energy intake was significantly higher in female than in male students. 2) Compared with men, women had significantly higher intakes (weight per 1,000 kcal) of minerals (sodium, potassium, calcium, magnesium, phosphorus, iron, and copper), fat–soluble vitamins (β–carotene equivalents and vitamin E [ α–tocopherol]), water–soluble vitamins (B 1 , B 2 , B 6 , folic acid, pantothenic acid, and C), cholesterol, and fiber. 3) In terms of food–group intake (weight per 1,000 kcal), a significantly higher intake in men than in women was only observed for grains. Consistent with the energy and nutrient intakes, dietary intakes of legumes, dark–colored vegetables, other (light–colored) vegetables, fruits, and sweets/snacks were significantly higher in women. In this survey, differences in nutrient and food intakes were noted in male and female students. In general, it was shown that female students eat a more varied and nutrient–richer diet.journal articl
小児歯肉炎リスクに対する齲蝕活動性試験の有効性の検証
松本歯科大学博士(歯学)2018甲第213号application/pdf筆者は、歯肉炎を有する幼児・児童は齲蝕罹患率や齲蝕活動性試験のリスクが高いのではないかという臨床上の仮説をもとに、臨床的に汎用化している齲蝕活動性試験を用いて歯肉炎の発症リスクを検討することを目的として本研究を実施した。口腔保健指導・齲蝕治療実施の前後における齲蝕活動試験結果および細菌数と歯肉炎指数との関連性を検討した。被検者は、2016年4月から2017年3月までの1年間に小川歯科クリニック(松本市)に来院した口腔内に症状を及ぼす重篤な全身疾患を持たない15歳未満の健常者26名(男児12名、女児14名)である。年齢幅は4歳7か月から12歳3か月、平均年齢8.4歳であった。初診時に、視診による齲蝕経験歯数検査および刺激唾液の採取による流出量測定、唾液緩衝能測定を行った。口腔内写真撮影とその写真を使用して歯肉炎検査を行った。プラーク染め出しを行いO’LearyのPlaque Control Record (PCR) を計測した。また、採取した唾液を培養した後にS. mutans菌とLactobacillus菌のコロニー数を計測した。PCRの計測後は対象者と保護者に対してブラッシング指導を行った。初診から3~4か月後にPCR、歯肉炎、唾液検査(細菌数)について再検査を行った。初診時と再診時を比較した。1) 初診時において、健常者群(PMAスコア7未満)および歯肉炎群(同7以上)の両群とも13名であった。健常者群と比較して歯肉炎群ではDMF歯数 (P = 0.044) およびS. mutans菌数 (P < 0.01) が有意に多かった。2) 初診時および再診時におけるPMAとPCR・各細菌数の関係では、初診時、再診時ともに、両者の間に明らかな相関は認められなかった。一方、S. mutans菌数とPMA間の相関係数は初診時0.63 (P < 0.001)、再診時0.64 (P < 0.001) であり、いずれにおいても正の相関が認められた。PCRとPMAには相関関係が認められないという結果より、PCR値が大きくても歯肉の炎症があまり見られない被験者が存在することが明らかになった。3) PMA値の改善および悪化で分類した場合における初診時と再診時の各項目の値の変化では、PCR値はPMA改善群およびPMA悪化群ともに一定の傾向は見られなかった。S. mutans菌およびLactobacillus菌数はPMA改善群では減少する傾向が見られたが、PMA悪化群では増加する傾向が見られた。初診時と再診時におけるPCR値の変化分とPMA値の変化分との間には関係が見られなかった(Pearsonの相関係数−0.01, P = 0.946)。S. mutans菌数の変化分とPMA値の変化分との間には正の相関が認められた(Pearsonの相関係数0.48, P = 0.013)。4) 多重ロジスティック回帰分析によるPMAの変化に影響を及ぼす要因の解析で有意差が認められたのはS. mutans菌の変化であり、そのオッズ比は25.6、95%信頼区間は3.25−969であった。また、Lactobacillus菌の変化のオッズ比は4.92、95%信頼区間は0.83−63.6であり、1をまたいでおり有意ではない (P = 0.135) ものの、歯肉炎の発症に影響を及ぼす傾向が見られた。初診時および再診時の両方においてS. mutans 菌とPMA値に正の相関が見られた。この結果はこれまでの多くの報告と同様に横断研究によるものである。さらに、縦断研究として、初診時と再診時におけるS. mutans菌の変化分とPMA値の変化分の関係を調べたところ正の相関が見られた。本研究の結果から、唾液検査を用いることで若年層の患者における歯肉炎の発症リスクを簡便に判定することが可能になると考えられる。その結果をもとに発症リスクの高い患者に対して重点的に口腔衛生指導を行うことによって歯肉炎の発症を予防することが可能になると考えられる。doctoral thesi
Analysis of the effect of parathyroid hormone (PTH) treatment on osteoblastogensis from leptin receptor–positive mesenchymal stem cells
松本歯科大学大学院歯学独立研究科博士(歯学)学位申請論文;硬組織疾患制御再建学講座(主指導教員:宇田川 信之教授)application/pdfothe