Seisen University Academic Repository
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The Purpose of Psychological Evaluation
臨床心理士として情状鑑定を行った経験から,情状鑑定の目的,誰のための情状鑑定なのかということを検討することが本稿の目的であった。
従来の情状鑑定の目的は,適切な批刑の判断に費献する専門的資料を提供することである。しかし「なぜ事件を起こしてしまったのか」を被鑑定人自身が了解し,更生へとつなげることも重要であり,鑑定を被鑑定人のために行うことも適切であると考えられる 。実際に,心理臨床的に行われた鑑定もある。治療的アセスメントの考えに則れば,被鑑定人が主体となって鑑定を活かすという方法もあるだろう。
しかし治療的関係を持ちこみ 過ぎれば,艦定の枠になじまない弊害もあり得る。そこで十分見立てを行った上で臨床的な鑑定を行う必要があることが考えられた
Christian Philosophy in'Father Brown'by G. K. Chesterton, Par t I
本稿は,『 プラウン神父』シリーズに見出されるG. K.チェスタトン 1874·1936) の思想を読み解く試みであるが, 特にキリスト教哲学と言いうるものを馴袂することに目標を定める。『プラウン神父』シリーズを貰くキリスト教思想に言及した解説は多い。しかし, 本シリーズを信仰生活への入門魯あるいは信仰生活の知的な刷新に役立ちうる信仰の手引詑というところまで思い入れて読解した論述は, 管見の限り, 日本語では見かけないように思う。本稿は, そのような諒解の一試行であり,『 プラウン神父』ものの社会における機能を拡充することが本研究の目指すところである。
チェスタトンは翻訳家泣かせの作家で知られており,『プラウン神父』短編集のタイトルも例外ではない。特に第 1 短編集 The Innocence of Father Brown は出版社ごとにタイトルが変わってしまうほど, 翻訳が安定しない。本稿では, 短編集のもっとも普及している完訳版である創元推理文庫版に準拠した訳を用いることとした。各作品タイトルも同じくそれに準じるが, 初出に限り原題も併載した。作品本文の訳は主に創元推理文庫版を参照しつつ筆者が新たに訳出した
A study on career education for international students
本論の目的は、中国の大学におけるキャリア教育の動向を概観し、日本の大学における留学生を対象としたキャリア教育に関する先行研究を整理したつ又で、中国人留学生のキャリア教育に関する今後の方向性を検討することにある。
中国の大学におけるキャリア教育の動向を概観したところ、国の主導のもとキャリア教育が導入、推進されていることがわかった。先行研究を概観したところ、「キャリア教育科目と他の科目との協働、融合、一体化」「アルバイトを通じたキャリア教育」等に関する研究を確認することができた。中国人留学生のキャリア教育に関する今後の方向性として、
「キャリア教育と情報教育との協働」「学内ワークスタディの導入」等を提案した
A relationship between high school selection factors and school adjustment
本研究では私立高校1年生を対象に,高校選択要因と学校適応の関連を検討した。高校選択要因による生徒の類型化をおこない,5群に分類した。5群の学校適応得点を比較した結果,複数の高校選択要因を持つ群の学校適応得点が高いことが示された。
また,群ごとの重回帰分析では全群で「友人とのつながり認知」が学校適応と最も強い関連を示した。さらに「部活動重視群」では「教師のサポート認知」が,「全重視群」では「学習上の努力要請認知」が学校適応と関連していることが示され,生徒のタイプによって適応への支援領域が異なることが示された
A Survey of the Learning Needs of Nurses Delegated to Clinical Practicum
目的 実習指導を委譲された看護師の,実習指導に関する学習ニード,受けた教育,受けたい教育の実態と対象者の特性や背景別にその特徴を明らかにする.
方法 近畿圏内の指導者講習を受講しないまま実習指導を委譲された看護師を対象とし,実習指導者用学習ニードを測定する尺度を用いた自記式質問紙調査法を行った.
結果 分析対象は回答が得られた243人(回収率33.8%)のうちの226人(有効回答率93.0%)であった.対象者は,経験年数や年代にかかわらず,また看護ケアの場面から実習指導者の代行まで幅広く指導を行っていた.学習ニードは実習指導者と同程度であり,基本的には年齢や指導経験が増すにつれ高まり,またプリセプター経験があること,ケア場面や実習指導者の代行を行う看護師は,行っていない看護師よりも学習ニードが高かった.
考察 実習指導に関する教育を提供するにあたり,経験や年齢を含め全ての看護師に対応し,またその役割や立場に応じた教育の必要性が示唆された.Purpose The purpose of this study was to clarify the actual status of learning needs, education received, and education desired by nurses who have been entrusted with clinical practicum teaching, as well as relationship of these needs and educations to nurses’ characteristics and backgrounds.
Method Nurses in the Kinki region who were delegated to teach clinical practicum without having attended a training course for instructors were asked to participate in a self-administered questionnaire survey that utilized a scale to measure learning needs of clinical practicum instructors.
Results The analysis was conducted on 226 participants (valid response rate: 93.0%) out of the 243 who responded to the survey (response rate: 33.8%). Regardless of their years of experience or age, the participants had experience in wide range of instructions from hands-on nursing care to acting as practicum supervisors. Their learning needs were similar to those of formal clinical practicum instructors; overall, the learning needs increased with age and teaching experience. In addition, nurses who had experience in precepting, teaching hands-on nursing care, or acting as practicum supervisors had higher needs for learning than those who did not.
Discussion In providing education to nurses who are involved in clinical practicum instructions without receiving formal educational courses, it was suggested that establishing an education system that is appropriate for all nurses including various years of experiences, ages, roles and positions would be necessary
新型コロナウィルス禍における沖縄観光-1. 中国人の観光動機
新型コロナウィルス感染が、世界的レベルで蔓延し観光業界は多大な打撃を被った。本
研究では、わが国有数の観光地である沖縄へのインバウンド観光客である中国人の観光動
機を調査した。その結果、自然陶冶・刺激性・外国期待・新体験・交流・非日常・現地シ
ンボル・意外性の8 因子構造であることが明らかになった。とりわけ、中国人男性は自然
陶冶と刺激性が中国人女性よりも高いことが示された
トマス・アクィナス『聖書の勧めと区分』における「ソロモンの書」理解 ―伝統との一致と独自の前進―
本研究ノートの目的は,トマス・アクィナスによる『聖書の勧めと区分』De
Commendatione et Partitione Sacrae Scripturae における「ソロモンの書」の構成につい
ての議論を,古代以後トマスの時代までのキリスト教思想史の中に位置付け,その伝統と
のつながりと独自性を正確に捉えることである。
研究の手順としては,まず上記著作における「ソロモンの書」の構成についてのトマス
による理解を概観する。次いで,トマス以前の時代における「ソロモンの書」の構成につ
いての論述に繰り返し現れる表現形式を確認し,トマス以前の時代における「ソロモンの
書」の構成についての伝統的解釈を仮定する。最後に,この伝統的解釈とトマスの理解を
比較し,トマスが伝統的解釈を受け継ぎつつ,独自の前進をなしていること,そして,そ
れらがどのような意味で伝統の継承であり,独自性の確立であるかを明らかにする。
研究の結果,トマスが「ソロモンの書」を,この世から浄化される過程に沿って構成さ
れたものと見なしていること(①)が明らかになる。そして,この世から浄化されて神に
向かうという図式それ自体はキリスト教外の異教の哲学にも見出しうるという意味での普
遍性の主張(②)が,トマスの理解から引き出しうるということが示唆される。そしてそ
れらは伝統的解釈のうちにも潜在していると見ることができ,その意味でトマスの理解は
伝統を継承したものであるが,①についてはそれを明言していること,②についてはより
引き出しやすい形式で論じていることを独自性として評価される