Kawamura Gakuen Woman's University Repository / 川村学園女子大学機関リポジトリ
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Unpaid-Overwork "Get a life", Japanese men
本稿の目的は,1990年代終わりから2000年代初めにかけての日本の労働時間を分析することにより,バブル崩壊後の男性の抱えるジェダー問題を考察することにある。雇用状況の悪化と共に日本の男性の働きすぎは異常ともいえる状況にある。過労死の増加と合わせ,週60時間以上働く男性が増加している。とりわけ,「サービス残業」という不払い労働が恒常化しているのである。オイルショック以降,妻は時間量を調整しながら,家事育児の不払い労働と両立させる形で支払い労働を担うようになり,「家庭と仕事の二重負担」を強いられてきた。だが「二重負担」に悲鳴を上げているのは妻ばかりではない。男性は所定内労働と所定外労働という支払いの対象になっている労働に加え,報酬が支払われない「サービス残業」を行っている。本来支払いの対象になるべき市場の中で行われている労働が「サービス」という「見えない」形にされ,市場における支払い労働と不払い労働の「二重負担」を負っていたのである。日本企業は「大黒柱」としての役割を男性に背負わせ,男性を「自発的に」働かせ,男性労働者の好意による「サービス」を引き出し,それを潜在的な「含み資産」として男性を死に追いつめるまで活用してきたのである。departmental bulletin pape
Parent-child Relationships and Attitudes toward Delinquency in the Youth of Okinawa
中里・松井(1997, 1999, 2003)は,青少年の価値観,思いやり意識,親子関係などに関する縦断的な国際比較研究を行い,諸外国に比較して日本の若者の意識が多くの側面において悪化していることを示した。特に,非行的態度の悪化は深刻な様相を呈している。一方,非行的態度の抑止には親子関係の親密さが大きく貢献することが明らかになっており,親子間の心理的距離が近いほど,子どもは非行に対して抑止的な態度を形成する傾向にある。ただし,これらの研究知見は我が国を全国的に平均化してとらえた結果,得られたものである。本稿では,親子関係と非行的態度の関連性が地方や遠隔地にも共通しているかどうか,すなわち,両者の関係が一般的に適用可能なものであるのかを,沖縄県と他都道県の中高生を比較検討することによって明らかにしようと試みた。総じて,親子関係の親密さが非行的態度を抑制することが示されたが,沖縄においては両親との心理的距離の遠さを補って非行的態度を抑止するような他の要因の存在が示唆された。departmental bulletin pape
The Anglo-Japanese Alliance Negotiation and Lansdowne
「日英同盟」協約交渉が,イギリスと日本の両政府間で非公式に始まったのは1901年4月のことであった。当初,イギリス側に日本との協約にほとんど関心がなかったことや日本側に内閣の交代などの政治的ブランクがあったことで,日英協約の交渉がイギリスと日本の両政府間で実際に公式の討議として開始されるのは,それから半年後の10月16日のことである。この日,日本の協約案が提出された。それから3週間後,これに対するイギリスの対案(イギリス草案)が11月6日に提出された。小論は,このイギリス草案の提出から翌02年1月30日の協約調印までのランスダウン外相の対応を考察したものである。彼が最後まで同意できなかった朝鮮問題に関する議論や,その最終的な受け入れを考察した。そして彼の最終的な同意に対する元老伊藤の役割に注目した。ランスダウンには二股外交としか思えなかった伊藤の行動が,実はランスダウンが日本との交渉と並行して進めてきたロシアとの交渉と同根のものであった。結果的に伊藤がランスダウンにこのことを気づかせたことによって,ランスダウンは「日英同盟」協約の締結を最終的に決断したと言ってもよいだろう。departmental bulletin pape
The Cognitive and Emotional Characteristics of Parents Who Worry about Their Children of Slow Growth : Try Using an Imaginary Story
一般的な個人心理療法(いわゆるカウンセリング)場面と異なり,幼児期の子どもに関する発達相談場面は,親・子・支援者の三者から成る複雑な面接構造となる。面接までの経緯も多様であり,扱われる問題の程度・広さ・認識される対応緊急性も重く大きい。こうした特徴が発達相談に訪れる親の支援ニーズや感情にどのように反映するかを把握するのは重要なことではあるが,現場の事例から直接的に比較検討するのは極めて困難である。そこで本研究では,発達相談・心理相談各々に関し条件を統制した仮想物語文を作成し,女子大学生を対象に,主人公の立場に身を置いたときの支援ニーズや対応後の感情変化を把握する質問紙調査を実施した。その結果,支援希望の分析から,発達相談場面では心理相談場面と比べ支援ニーズがより高く多様であり,個人差も大きいことが示された。また,診断が明確にならなかったとする物語後段読了後の気分変化の分析から,発達相談場面では心理相談場面と比べ,不安感情が優勢となり別途再相談への希望も有意に高いことが示された。対象・手続き共に間接的な方法ではあるが,発達相談における親の複雑な認知的感情的特性について具体的な見通しが得られたといえよう。departmental bulletin pape
La Pensee d'education chez Montaigne
深刻な状況にある今日の教育問題は,単なる教育技術的な対応や何かひとつの教育施策で解決されるような単純な問題ではない。したがって,その問題は,いろいろな学問の総合的観点から根本的に検討され,その解決策が究明されなければならない。ここでは,その一環として,モンテーニュの教育思想の形成過程を明らかにしながら,彼の教育の目的,方法,内容を手がかりにして,その今日的意義を問い,21世紀の「教育」の在り方を考察する。departmental bulletin pape
Consideration of Geometric and Neurophysiological Models of Visual Interpolation
This paper aims to present an overall theoretical framework of the process of visual interpolation. A psychophysical or geometric model, Kellman & Shipley (1991), and several neural or neurophysiological models are discussed. From the early extraction of edges and junctions to the higher process of boundary assignment and figure-ground perception, several issues are emphasized to explain visual interpolation. Arnodal and modal completion in illusory contour perception are discussed from the viewpoint of the geometric model. The boundary interpolation process suggested from the geometric model is compared with several neural models. Generality of the notion of relatability and identity hypothesis and its extension to the spatio-temporal domain are suggested. It is also suggested, that geometric and neurophysiological modeling approaches serve complementary functions.This paper aims to present an overall theoretical framework of the process of visual interpolation. A psychophysical or geometric model, Kellman & Shipley (1991), and several neural or neurophysiological models are discussed. From the early extraction of edges and junctions to the higher process of boundary assignment and figure-ground perception, several issues are emphasized to explain visual interpolation. Arnodal and modal completion in illusory contour perception are discussed from the viewpoint of the geometric model. The boundary interpolation process suggested from the geometric model is compared with several neural models. Generality of the notion of relatability and identity hypothesis and its extension to the spatio-temporal domain are suggested. It is also suggested, that geometric and neurophysiological modeling approaches serve complementary functions.departmental bulletin pape
Research of the Infancy as Original Scenery : From Analysis of the Record Which Remember a Childcare Person Training Course Student' Past
南(1995)は子ども時代の意味を,様々な人生の局面において回帰するものとしてその重要性を指摘している。特に保育者を志す学生が記億にとどめている子ども時代の原風景を辿っていくことは,これからの自身が行う保育の根幹を探ることになるのではないだろうか。そこで本研究では,将来保育者を志望する学生の幼児期の思い出し記録の分析を通して,幼児期に体験した遊びや幼児期に出会った保育者像を明らかにすることで,保育者養成の教育内容に示唆を得ようと考えた。具体的には(1)遊びの思い出(2)保育者像の特徴を自由記述文より明らかにし,本学学生の学習課題について検討する。調査の結果,遊びの思い出の特徴に関しては「造形的遊び」に関する回答が,最も多いという結果であった。また個々の回答数と遊び内容の記述の関係からは,(1)低回答群は「造形的遊び」の割合が高く,(2)高回答群は「遊具遊び(大)」の割合が高いという結果であった。更に(3)高回答群は「伝承遊び」「自然,水遊び」の割合が高い結果も得られた。次に保育者像に関しては,性格格に関する記述が最も多く,中でも「やさしい」イメージを持っているものが半数以上であるが,一方「厳しい・恐い」というイメージを抱いているものも少なくない。また一般的な保育者像として定着している「ピアノが上手で活動的である」という印象を持っているものも多い。これらのことから,保育者を志望する学生は遊びのイメージとして主体的な取り組み(自由遊び)が思い出となっているといえる。主体的な活動経験は次の発達ステージヘの基礎となることからも,保育者としてその経験の重要性を意識化することが必要であるといえる。更に保育者養成と重ねて考えた時,如何に子どもが主体的に活動できる環境を保障できるか,このことが保育者として非常に重要であることを再認識しなければならないといえるだろう。departmental bulletin pape
Funeral Songs in Okinawa Islands of Japan
日本本土の葬儀は一般に厳粛さを尊ぶ。対照的に琉球弧(奄美・沖縄)の島々では,死者に対して声をあげて泣き,うたい,語りかけることは別れに不可欠な行為とされた。声をかけることは情けをかけることであり,それにより死者も鎮まると考えられていたのである。本稿でとりあげるとは,死後四十九日ころまで葬送に直接関わってうたわれる,無伴奏の歌謡群である。それらは葬儀での儀礼的なと,死後四十九日頃までの個人的なに分けられ,様式的には泣きじゃくりに近い不定型な弔い泣きから,有節的な短詞型歌謡までを含む。歌謡の生成と様式化を考える上でも,また「死の受容」を考える上でも重要なジャンルであるが,1970年代以降しだいにうたわれなくなっている。中でも最も廃れている沖縄諸島のの習俗を,文献から検証する。幕末のフランス人宣教師の記録,国王やノロ(神女)そして一般庶民のための葬送のウムイ(神歌),ムヌイーナチ(物言い泣き),別れあしび(若者仲間の葬宴)などに言及し,琉球弧の他地域と比較しつつその位置づけをさぐる。また明治近代化による沖縄的習俗の撲滅運動の一環として「泣き女」がやり王にあげられた背景を,ジェンダー的な視点から考察する。departmental bulletin pape