Kyoto Women's University
Kyoto Women's University Academic Repository (AIR) / 京都女子大学学術情報リポジトリ(京女AIR)Not a member yet
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就学前教育・初等教育におけるESD実現のための木育教材の開発 III : 木育教材の汎用性の視点から
本研究は,就学前からの子どもの感性を高め,身近な素材・環境に関わり,コミュニケーション能力を育むことのできる「木育」教材開発の提案を目的とする。「就学前教育・初等教育におけるESD実現のための木育教材の開発I・II」に引き続き,普段「木育」を研究して造形ワークショップを行っている学生が,初めて「木育」による造形ワークショップを行う学生に教材を提案・提供することにより,実際の保育現場でどのように扱うことが可能かという,「木育」教材の汎用性の視点から検証を行った。その結果,初めて「木育」による造形ワークショップを行った学生が,実践を通して「木育」教材を使用することにより,保育に対する自信や,保育実践力が高まったことが示唆された。また,「木育」ワークショップを通して木育の特性や教育効果に対する理解が深まることも示唆された。さらに,木とのふれあいに関する子どもの感性や個性への気づきが確認され,その上で保育者としての援助の在り方についての様々な学びが得られていることが窺われた
オンライン音楽ドリル開発の試み (2) : 小学校5年生の授業実践を通して
本稿では,開発中であるオンライン音楽ドリルを,小学校で活用していくための留意点について検討することを目的とし,小学校5年生を対象とした授業実践をおこなった。読譜の基礎知識を学習するうえで反復学習は不可欠であるため,オンライン音楽ドリルは授業内外で活用できる教材になりうると示唆される。ただし,オンライン音楽ドリルでの学習は「感覚と思考のバランス」に留意することが重要であり,そのためにはドリル作成時の工夫と共に,小学校現場との連携が欠かせないことを提示した
バックキャスティングの手法による社会科災害学習の単元構成 : 単元「南海トラフ巨大地震の脅威」の設計を通して
本研究では,バックキャスティングの理論を援用し,理想的な持続可能性の回復・発展した姿に向けて現状の持続可能性の喪失した要因を「デザイン思考,システム思考,リンケージ思考」から検討する新たな単元構成原理について明らかにし,南海トラフ地震を事例にした社会科災害学習の単元を提案した。本研究の意義は,社会科教育におけるバックキャスティングの単元構成原理を明らかにしたことである。デザイン思考,システム思考,リンケージ思考を単元構成の中に位置づけることで,持続可能な社会構築に適う思考力を育成する単元構成のあり方を詳細に示している
乳幼児向けコンサートによるリズムを中心とした音楽教育プログラムの構成と評価 : 「京女こどもコンサート」を事例として
本研究は「京女こどもコンサート」を事例に、リズムを中心にした乳幼児向けの音楽教育プログラムの構成と評価を行った。コンサートを、体験セクション、鑑賞セクション、教育セクションに分けて実施し、音楽を聴いて楽しむだけでなく、手拍子や指揮体験を通じて子どもたちが能動的に音楽に関与する機会を提供した。ビデオ観察データおよび保護者アンケートの分析により、子どもたちの高い参加意欲と満足度が確認された。リズムを軸とした多角的な音楽体験が子どもたちの音楽理解と興味を促進し、このようなコンサート形式が効果的な教育手段であることが示唆された。今後は、年齢別の発達段階に合わせた調整、長期的効果の検証が課題となる
人々を幸せにする「栄養」の力 : DOCTORS CAFÉ PLUS を見学して
2024年8月26日,静岡県沼津市にあるカフェ「DOCTORS CAFÉ PLUS」を訪問した。DOCTORS CAFÉ PLUS は糖尿病内科の麻生(あそう)先生が,食事面から患者に協力できないかと立ち上げた。カフェのメニューは管理栄養士のスタッフが考案し,出汁や使用する糖・油などにこだわり,おいしさのみならず栄養バランスも考えて作られている。実際にカフェに通って体重減少に成功した人もおり,健康増進や疾病予防につながっている。さらに,提供するお茶や食材は地域のものを使用したり,お弁当を薬局の勉強会やデイサービスで提供したりするなど,地域の活性化にもつながっていた。なにより,管理栄養士の先生がたはクリニックでの栄養相談に加え,レシピ開発やカフェでの勤務もされ,生き生きと働いていた。「食事は制限するものではなく,美味しく摂ってもらうものでありたい」「クライアントに食べて喜んでもらえるのが嬉しい」。このような思いを持ちDOCTORS CAFÉ PLUS は,美味しくて健康のことを考えた食事を提供する。その取り組みはクライアントの栄養教育の場としても,地域社会の食環境整備の一環としても非常に素晴らしい事業であり,栄養が持つ人々を幸せにする力を感じた。We visited DOCTORS CAFÉ PLUS on August 26, 2024, in Numazu City, Shizuoka. In 2018, Dr. Aso, a medical diabetologist, opened a café to help individuals improve their health through their diet. A registered dietitian carefully designed the menu, considering sugars, oils, salts, and taste. According to a customer who successfully lost weight by regularly visiting the café, this project promotes health and revitalizes the community by providing lunch to local committees and elderly daycare centers and supporting local production and consumption. Notably, registered dietitians work energetically, develop recipes, and work in the café, besides providing nutritional counseling at the clinic. They stated that, “We do not want individuals to feel restricted in what they eat; we want them to enjoy it. I am happy if my clients are happy with their food.” Today, DOCTORS CAFÉ PLUS serves delicious, health-conscious meals. This initiative is a good business, serving as a place to educate clients about nutrition and part of the community’s efforts to improve the food environment. We were struck by the ability of nutrition to induce happiness
高齢者におけるプロテイン製品の利用状況と生活習慣・食習慣の関連
目的: プロテイン製品は,たんぱく質の補給を目的とした栄養補助食品の一つである。アスリートを中心に利用されているが,最近ではフレイル予防のために高齢者向けの製品も販売されるようになり,関心が高まっている。本研究では,高齢者におけるプロテイン製品の利用状況と生活習慣・食習慣との関連を明らかにすることを目的とした。方法: 2022年~2023年に地域在住高齢者への自記式および聴き取り式による質問紙調査を行い,65歳以上の143名(男性52名,女性91名)を解析対象者とした。質問項目は,基本特性,飲酒,喫煙,服薬,運動習慣,食品群別摂取頻度,プロテイン製品の利用状況であった。食品摂取の多様性を評価するために,9食品群の摂取頻度総得点を食品群別摂取頻度の回答をもとに算出した。ロジスティック回帰分析を行い,プロテイン製品の利用状況に関連する生活習慣・食習慣について検討した。結果: プロテイン製品の利用者は143名中20名(14%)であり,すべての人に週1回以上の運動習慣がみられた。穀類の摂取頻度が低い,大豆・大豆製品の摂取頻度が高い,9食品群の摂取頻度総得点が高いことがプロテイン製品の利用と関連していた。結論: 高齢者のプロテイン製品の利用者は,週1回以上の運動習慣があり,日常的に多様な食品を摂取している可能性が示唆された。Introduction: Protein-fortified nutritional supplements are commonly used by athletes, but protein powder and yogurt products have recently been developed to prevent frailty in older adults. This study investigated the use of protein-fortified products in older adults and its relationship with lifestyle and food intake status. Methods: From 2022 to 2023, community-dwelling adults aged 65 years or older were surveyed using a selfadministered questionnaire. A total of 143 responses (52 men and 91 women) were analyzed. Question items included basic characteristics, alcohol consumption, smoking, medication, exercise habits, food group intake frequency, and use of protein-fortified products. For the evaluation of food diversity, the total frequency scores of 9 food group intakes were calculated based on responses to food group intake frequency. Logistic regression analysis was performed to examine factors related to protein-fortified products use. Results: Of the 143 respondents, 20 (14%) used protein-fortified products. All of these 20 protein users had a habit of exercising at least once a week. Logistic regression analysis revealed that the higher the total frequency scores of the 9 food group intakes and the greater frequency of soybean/soybean product intake, the less frequent grain consumption was associated with use of protein-fortified products. Conclusion: Older adults who used protein-fortified products had a habit of exercising at least once a week and tended to consume a wide variety of foods on a weekly basis