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Basic Standpoints and Branches of Zhu Hong Huayan Education
高雄義堅(1952)・荒木見悟(1985)は、袾宏の教学における基礎が華厳学であると指摘した。本稿は、さらに袾宏の華厳学の立場を明確にし、併せて袾宏門下の華厳学相承について考察し、「袾宏(清涼宗)→続法(賢首宗)」 という明末清初の華厳学の思想転向を提示した。シュ宏雲棲華厳系続法清涼宗賢首
安元御賀の日程構成:三月五日の位置づけをめぐって
後白河院の五十の賀として、安元二年(一一七六)三月四日から六日まで賀宴が催された。四日が「賀宴」、六日が「後宴」として公式な記録に載るが、その間の五日は見えない。しかし、『玉葉』や『定能卿記』、『安元御賀記』といった諸文献には五日も四日に引き続き遊宴が持たれており、「中の日」と称されている。安元御賀は、白河院の五十賀である康和二年(一一〇二)の御賀を先例としており、日程の構成もそれに倣ったと考えられる。しかし、本来は天皇の忌日であったことから後宴を避けるかたちで発生したこの「中の日」が、安元御賀では当初から設定されていた。それは、比較的緩やかな一日として楽しむことが目的であったと考えられる。賀宴や後宴に比べて柔軟な対応が可能であった「中の日」は、先例にない行事を取り込みながら、その後も展開していった。院政期御賀は先例の模倣によって停滞していたと考えられていたが、積極的に新儀を取り込み、よりよい賀宴を目指していたと考えられる
『鈍吟書要』に見られる道学思考のかたちに就いての一考察
中国の明末清初の時代、頽廃と復興の混乱の社会風潮の中で、当時の王道であった董其昌の書法にも、批判が加えられ、新たに道学思想を復古的に盛り込んだ強固な書論が誕生した。その作者、馮班の意図するところは、何だったのか。何を企図したのか。中国書論史に於いて近世以後、蘇軾・黄庭堅・米フツに代表される外向型(陽明学系)、個性系の思惟潮流が脚光を浴びる裏面で、やや日陰で朱子学的な内向型の精神書論も同時に研究されていたが、それが一つの節目として、ここで登場する。趙孟フの書を朱子学、董其昌の書を陽明学の反映とみる観方を突き抜けて、朱王一致の時代を象徴する両者の結実の書論を構築した、馮班の思考構造を垣間見る。「本領論」として立ち上がるその復古的姿 (尚古主義 )は、どの領域でもであるが、「古典」を学ぶことが高尚であって、それは「俗」と相反するからである。動乱の時代に求められた法帖学のカタチ。その馮班の『鈍吟書要』を、思想として読み解き、その存在意義を検討する
Initiatives and prospects for Regional Video Archives: A Case Study of the Bukkyo University Museum of Religion and Culture's Projects and Cooperation with the Saga Dainenbutsu kyogen Hozonkai
博物館過去の視聴覚資料嵯峨大念佛狂言地域アーカイブ学術資産の活
What Perspectives Are Needed to Deter Bystanders from Bullying? : On the Effectiveness of the Finnish Bullying Prevention Program “kiVa”(International and interdisciplinary research to elucidatethe ability of teachers to recognize children's behavior:Fus
近年のいじめ問題はコロナ禍を経て新たなフェーズに移行したという論考が増えつつある(原、2020)。2020 年に減少したかに思われたいじめ認知件数は近年増加の一途をたどり、とりわけ小学校での認知件数は過去最高を更新している。いじめ研究においても、重要な理論のひとつである「四層構造論」(森田洋司,1986)について新たなモデルの検討を指摘する声が高まっている。四層構造論が提唱されてから 40 年近く経過したことにより、当時のいじめでは想定されていなかったインターネットを用いたいじめや学校における子どもたちの序列(スクールカースト)など、子どもたちの実態との乖離が大きくなってきたためである。しかし、現代のいじめにおいてもいじめの現状を知りながら積極的に関与しない「傍観者」は一定数存在し、彼ら彼女らにどのような指導をするのかという課題は依然として解決していない。また、いじめ研究は潤沢な先行研究を有する分野にも関わらず、「傍観者」を分析対象としたものは僅少であり、その多くは教育心理学的アプローチを前提としたいじめ防止プログラム作成における傍観者対策に言及したものである。海外ではオルヴェウス(Olweus, 1998)の考案したノルウェーのいじめ防止プログラムとフィンランドで開発された KiVa プログラムがその典型である。とりわけ、KiVa プログラムはフィンランドのみならず世界各国で活用されているいじめ防止プログラムであり、その特徴はいじめの傍観者を擁護者(いじめを止めたり注意したりする子どもを指し、森田の四層構造論における「仲裁者」に該当)に変える点にある。だが、その KiVa プログラムも必ずしも効果を持ち得るとは言い難いという指摘も見られる(原、2023)。本論文では、以下の 2 つの点について検証を行った。(1)科研調査データを用い、いじめの傍観者はどのような性質を有しているのかを明らかにし、森田の四層構造論について検証を行う。そのうえで、いじめを傍観する子どもたちに対して、どのような視点が必要なのかを明らかにする。(2)フィンランドの KiVa プログラムを概観し、その特徴と課題について明らかにする。とりわけ、KiVa プログラムの課題がどこにあるのかについて提示する。結論として(1)いじめの傍観者は仲裁経験との相関が強いこと、(2)フィンランドの KiVa プログラムは傍観者に一定の効果をもつこと、(3)今後の日本の子どもたちは、いじめの傍観者でもなく、いじめそのものを共有していない言わば「知らない」子どもが増えることが予想され、連帯責任では解決できないこと、の 3 つを指摘した
Characteristics of Finnish language textbooks(International and interdisciplinary research to elucidatethe ability of teachers to recognize children's behavior:Fusion of educational practice and brain science)
本ノートでは、フィンランドの国語科教科書について、全体の構成、単元の教材構成、学習のてびきの特徴から検討した。全体の構成からは、フィンランドの教科書はテーマや領域ごとに学習内容を集中的に掲載しているという特徴があること、情報リテラシーやメディア理解に関する内容が充実していることなどが見えてきた。さらに、実用的な言語能力育成を重視する一方で、ファンタジーという言語文化の学習を重視していることも特徴的であった。単元の教材構成としては、「読むこと」に関する一つのテーマ単元の中で、文学的文章と説明的文章が併せて掲載されていた。さらにそれらのテキストに関連する挿絵などのビジュアル資料も充実していることが分かった。また、学習のてびきについては、日本の教科書における学習のてびきと共通する部分もあったが、絵(挿絵)の読み取りが学習課題として設定されていること、「自分なりに」「自分で選択して」といった「個別最適な学び」を重視したデザインがなされているといった視点は非常に示唆にと富むものであった。フィンランド国語科教科