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A Consideration of Subcultures and "Connections"
本論では、サブカルチャーを通して生じる“つながり”について多次元的に検討し、昨今のサブカルチャーに関する論の前提となっている「窓」の概念について、その「内界」の状態像を“なま”という概念に着目して論じた。そして従来の「窓」の理論におけるさなぎモデルに対し、現代では成虫の構造を想定したモデルもクライエント理解に有用であり、“なま”はそれらを繋ぐ概念として有意義であることが示された。さらに、セラピストとしての関係の取り方もモデルに応じて変化していく必要性があることが示唆された。This paper examines the multidimensional “connection” that arise through subcultures.Recent studies on subcultures often assume the concept of “window”. This study discusses the state of the “inner world” in the “window” concept, focusing on the concept of “nama”. In contrast to the “chrysalis model” of the traditional “window” theory, a model that assumes the structure of the “adult insect” is considered to be useful for understanding the client in modern times. “Nama” is useful as a concept that connects these two models. Furthermore, it was suggested that it is necessary for therapists to change the way they relate to clients according to the model.departmental bulletin pape
生成AI を用いたC言語プログラミング学習のための助言システムの試作
LLM(大規模言語モデル)を用いた生成AIの技術の進歩はめざましく,プログラムのコード生成の技術をプログラミング教育に応用する試みは注目されている.本稿では,OpenAIのAPIを用いて,エラーを含むC言語のプログラムとエラーメッセージをLLMに入力として取り込み, 適切な助言を出力するバーチャルTA(Teaching Assistant)システムを初心者レベルの学習者向けに試作し,その適確性を評価する.プログラミングエラーの中で,構文エラーと意味エラーについては概ね適確な助言が生成されており,学習者にとって自力で問題解決するのに十分であるが,論理エラーに対しては,いくつかのケースで一般的な説明に終始する程度の助言だけであったが,適確な助言を生成できている場合もあり,全般的には提案システムの有効性は確認できた.departmental bulletin pape
A study on simulations of the phenomenon of overgeneralization in learning mathematics
甲南大学博士(情報学)令和5年度(2023年度)情報科学における学習理論では、モデル学習の初期パラメータを連続的に変化させたとき、理解の状態変化を表すダイナミクスがいくつかの種類に分類されることが知られている。この研究成果を数学の学習における学習者の理解の状態(理解の様相)を可視化する方法として応用することを試みた。
数学の学習において A と B の2つの概念が共通概念を含む場合、関連付けて理解することによって全体を理解できるものがある。また、一方だけではなく関連付けて理解することで深い理解に結びつくことがある。この A と B に該当するものの一例として高等学校数学科の単元「場合の数と確率」における「順列」と「組合せ」がある。学習者が「順列」と「組合せ」の2つの概念を理解する過程では、「過剰般化」(特定の規則や意味的特徴を過剰に一般化してしまう現象)が生じることがある。この「過剰般化」は、「順列」と「組合せ」の 2 つの概念を理解する過程において生徒が誤った理解をする一因と考えられる。
過剰般化現象のシミュレーションを行う方法を確立するために、分析の方法として、数式処理システムを用いて3 層のニューラルネットワークを作成し、生徒のテストの平均点の差と、比較する 2 つの生徒集団に対してその人数の割合をもとにした重みを設定して、3 回のテストの理解度をもとに損失曲面を作成した。さらにこれらに関して特異領域が明確になるようにパラメータ変換を行い、座標変換したパラメータを順列と組合せの平均点の差、2つの生徒集団の人数の割合と定めた。
本研究では、「順列と組合せ」の学習の際に生じる過剰般化の現象を学習者のテストの点数をもとに、情報科学におけるニューラルネットワークの手法を用いて、損失曲面上に学習者の理解の状態を可視化する方法を考案し、数学の学習における過剰般化現象のシミュレーションを行う方法を確立した。doctoral thesi
Analysis of the mechanism of phagocytic activation of macrophages by rapid changes in cell membrane structure
甲南大学博士(理工学)令和5年度(2023年度)免疫は自然免疫と獲得免疫に大別され、体内に異物や病原体が侵入したとき、自然免疫細胞がいち早く病原体の抗原分子を認識することによってその異物を排除し、免疫系が機能する。その中で、自然免疫細胞の1つであるマクロファージは、病原体の排除、抗原提示、サイトカインの放出などの様々な働きを担っている。マクロファージは、体内に病原体が侵入した際にそれらをToll-like receptorなどにより認識し、1-2時間以内には炎症性サイトカインを分泌する。またT細胞などからのサイトカインによって活性化されたマクロファージは、12-24時間後に貪食能が向上する。このようなマクロファージの変化はpolarizationと呼ばれ、マクロファージの活性化状態を特徴づける細胞機能である。しかし、このpolarizationは、獲得免疫系の作用下で機能するものであり、自然免疫におけるマクロファージの活性化には異なる仕組みが存在すると考えた。
serum-MAFは、ヒト血清をβ-ガラクトシターゼとシアリダーゼで処理(MAF化)したものであり、マクロファージの貪食能を1時間以内に向上させることが報告されているが、その仕組みは不明な点が多い。本研究では、serum-MAFによる貪食活性化メカニズムの解析を展開することで、polarization非依存的に起こる自然免疫におけるマクロファージの新しい活性化として、「貪食活性化」を新しく定義し、メカニズムの解明に向けて研究を行った。
serum-MAF処理マクロファージ特異的に形成される新規細胞膜構造
本研究では、polarization非依存的に起こるマクロファージの貪食活性化の研究を進めるべく、THP-1から分化してすぐのM0マクロファージをモデルに研究した。はじめに形態的観点からserum-MAFによる貪食活性化要因を探ったところ、serum-MAFでは細胞膜が幾重にも重なり合い、複雑な立体構造を有した細胞膜構造が形成されていた。この特徴的な細胞膜構造は、LPS+IFN-γやγ-globulinといった既知の活性化因子では見られず、過去の報告例もなかったことから、serum-MAF特異的に形成される新規細胞膜構造であった。当研究室ではこの細胞膜構造を「Frill様構造」と命名した。Frill様構造は、より多くの異物を素早く、効率的に貪食するために重要な構造であり、Frill様構造を形成すれば、ビーズを添加してわずか10分後には、他の活性化因子で処理したマクロファージと比較して高い貪食指数を示す。
Frill様構造の形成メカニズムの解析
Frill様構造の形成は、異物認識非依存的であり、serum-MAFを処理するだけで形成される。また形成されるまでの時間も短く、処理後5分後にはすでにF-actinの再編成が起き、Frill様構造が形成されることが明らかになった。Frill様構造の形成には、serum-MAF添加後5分以内の細胞応答が重要であることが示されたことから、ミリ秒単位で消長する細胞膜内の脂質ラフト形成が重要であると考え脂質ラフト形成を阻害したところ、Frill様構造の形成が阻害され貪食活性化も起こらなかった。serum-MAFで形成される脂質ラフトには、Annexin A2とGalectin-3が逐次的に働く。Annexin A2は処理後30秒で細胞膜に結合し、初期の脂質ラフト形成とGalectin-3の細胞外への分泌に関わる。Galectin-3は、細胞膜上で膜タンパク質を架橋しながら集積させ、Galectin latticeと呼ばれる膜タンパク質のクラスターを形成し、その直下でF-actinの再編成を駆動させる。これら2つのタンパク質を変化させるさらに上流の現象に迫ったところ、serum-MAF添加直後の一過的なCa2+の流入が重要であることを明らかにした。これらの結果から、serum-MAFによる貪食活性化シグナルはCa2+の流入から始まり、Annexin-Galectin-F-actin軸を介してFrill様構造の形成に至ることを明らかにした。
マクロファージにおける膜タンパク質のクラスター化の重要性
serum-MAFシグナル伝達の解析で得られた新たな知見から、マクロファージの膜タンパク質の重要性を見出した。serum-MAFなどの活性化因子がなくとも、精製Galectin-3の処理やクリックケミストリーを応用した膜タンパク質の架橋によって、Frill様構造の形成とそれによる貪食活性化を誘導することができた。このような結果から、マクロファージの迅速な貪食活性化には、細胞膜上で膜タンパク質のクラスターを形成させることが重要であることを示した。
本研究では、serum-MAFによる貪食活性化メカニズムの全容をほぼ解明できたことで、それがこれまでにないマクロファージの貪食活性化であることを示した。そこでこのpolarizationとは異なる迅速で異物非依存的な活性化を「potentiation(細胞機能の増強)」と名付け、そのメカニズムを定義づけたことは、免疫学だけでなく細胞生物学的にもインパクトの高いものと考える。またpotentiationの理解を深めることで、健康や免疫力といった曖昧な言葉を明確に評価し解析できる可能性を示唆した。doctoral thesi