Konan University Repository
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[Notes] A Study on Passenger’s Choice of Transit Airports for Domestic Flights in Japan
北海道・東北地方と九州・四国地方を結ぶ直行便は限られており,これらの地域間を移動する際は,飛行機を乗り継いで移動しなければならないケースが多い。乗り継ぎ空港となり得るのは,3大都市圏に所在する空港であるが,その中でも羽田空港に乗り継ぎ客が集中している。航空ネットワークの核である「ハブ空港」となるためには乗り継ぎ客を獲得する必要があるが,そのためにはどのようにすればいいだろうか?本研究では,航空旅客動態調査の個票データを用いて,乗継旅客の意思決定を分析した。分析の結果,就航都市数が多いこと,便数が多いこと,多くの航空会社を利用可能なことが乗り継ぎ客の獲得に重要であることが明らかになった。departmental bulletin pape
Development of Intercellular Mechanotransduction Gel and Its Innovative Application to Tissue Engineering Technology
甲南大学博士(理工学)令和6年度(2024年度)現在のTissue Engineering研究では、三次元足場材料に担持して生体に移植した細胞に対して生化学的な活性化因子を与える手法が、最も高効率で移植細胞の再生応答を引き出すアプローチだと理解されており、この考え方に基づき世界中で研究が進められている。しかし、臨床応用に資する高い組織再生効果を示すTissue Engineering技術の開発例は少なく、近年では本研究分野の進展が停滞している。本研究では、メカノバイオロジー研究における最新の知見に着目し、生化学的な活性化因子に変わる細胞活性化因子として機械的ストレスをTissue Engineeringに導入することを考案し、生体で発生する機械的ストレスを移植細胞に効率よく伝導して活性化させ、再生応答を引き出すことが可能な「細胞間力学伝導ゲル」を開発した。筋衛星細胞を用いて作製した細胞間力学伝導ゲルでは、細胞のメカノセンサーであるインテグリンが、生体直交性のクリック反応により、剛直なアルギン酸ゲルネットワークと共有結合で連結しているため、生体で発生する機械的ストレスはアルギン酸ゲルネットワークを通じて常時安定的にインテグリンに伝わり、素早く、確実に細胞内に入力される。入力された機械的ストレスはアクチン線維を通じて核ラミナに伝わることで核膜の形態を変化させ、これに伴い核膜孔の物質通過特性が変化することで転写共役因子YAPの核内移行が促進され、MyoDなど筋分化調節因子の発現レベルが高まり、高効率な組織再生応答が誘導される。また、細胞間力学伝導ゲルは同種カドヘリンを介した選択的な細胞間結合形成により、過度な機械的ストレスを受けてゲル構造が崩壊しても自発的に元の構造に戻る自己修復能を示す。さらに、細胞間力学伝導ゲルは系内のクリック反応の進行度が低い状態では液状を示すため、低侵襲な注射投与により損傷組織に移植でき、移植後に投与部位でゲルを形成するインジェクタブルゲルになる。加えて、細胞間力学伝導ゲルの仕組みは拡張性が高く、現在の再生医療で汎用されている脂肪由来間葉系幹細胞にも適応でき、脂肪由来間葉系幹細胞で作製した細胞間力学伝導ゲルにおいても機械的ストレスによる細胞の活性化および組織再生誘導が起こる。細胞間力学伝導ゲルでは、細胞の増殖や代謝によりインテグリン-アルギン酸ゲル間の結合は解離するため、移植細胞の増殖や組織形成反応の進行に伴ってゲルは徐々に分解して最終的にはゲルは消失する。これにより、ゲルが占めていた空間は移植細胞が再建した骨格筋組織により置換され、再建組織はホストの骨格筋組織と同期して収縮・弛緩機能を示す。以上のように、細胞間力学伝導ゲルは、臨床応用に資する高い組織再生能力を有する画期的なTissue Engineering技術である。doctoral thesi
シニアカーのための2D LiDARで水平方向にスキャンする路面状態検知法
シニアカーは低速走行の高齢者向けの,免許も不要な手軽な乗り物である.しかし利用者層を考えれば,既存のものは安全確認のための装備が不十分と言わざるを得ない.筆者らは様々なセンサーを用いたシステムを提案しているが,本稿ではシニアカーの前面に2D LiDARを水平方向にスキャンするように取り付け,3D空間の回転を補正するためのIMUを利用することで前方の路面形状がどのように観測できるかを確認し,危険を検知することでアラーム発信につなげるシステムを提案する.departmental bulletin pape
読み手の性格特性ごとの災害時行動促進情報の分析
災害時にSNSへ投稿される大量のメッセージの中には,読み手に行動の促進または抑制を促す行動促進情報が含まれている.ところが,同じ行動促進情報であっても読み手によって受け止め方が異なる.そこで,我々は読み手の性格特性により行動促進情報の受け止め方に違いがあるのではと考え,どのような違いがあるのかについて分析する.具体的には,災害時の行動促進情報を抽出し,それぞれの行動促進情報を内容に応じて推奨タイプ,行動抑制タイプ,励ましタイプ,願望タイプの4タイプに分類する手法を提案する.さらに,人々の性格特性を外向性,協調性,勤勉性,神経症傾向,開放性の5つに分け,それぞれの性格特性ごとに行動促進情報の受け止め方にどのような違いがあるのかを各タイプにおいて分析する.以上の分析の結果,読み手の性格特性によって行動促進情報のタイプの受け止め方がどのように異なるかが明らかになった.departmental bulletin pape
Structural estimation of a sequential decision model of college dropout
本稿では某大学某学部2016年4月入学者のうち男子301名の入学後4年間の成績データを用いて大学中退の逐次意思決定モデルの構造母数の推定と反実仮想分析を試みる。動的離散選択モデルの構造推定の代表的な手法の1つである条件付き選択確率(CCP)法は,ノンパラメトリック推定した誘導形の中退確率関数(CCP関数)から積分した価値関数を逆算し,在学/退学の2値ロジット・モデルに補正項を加えて構造母数を推定する。最適停止モデルで停止の価値(退学後の期待生涯所得)が既知ならCCP法は容易である。ただし中退者が少ないと2値ロジット・モデルに完全分離が生じる場合がある。そこで本稿では在学/退学の対数オッズ比のノンパラメトリック推定値を従属変数として最小2乗法を適用する修正案を検討する。モンテカルロ実験の結果,構造母数の推定精度は誘導形のCCP関数の推定精度に依存し,最適停止モデルでは一部の状態が観測されにくいため,構造母数の正確な推定には大標本が必要と判明した。実際に本稿のデータでは構造母数の正確な推定は困難であった。ただしある種の反実仮想の行動は,割引因子と尺度母数を所与として他の構造母数と独立に識別できる。例として某大学某学部2016年4月入学者の男子について,入学後4年間の在学者への学費補助が中退確率を引き下げる処置効果を試算し,毎学期10万円の学費補助は4年間の累積中退確率を約2.2%引き下げるとの結果を得た。ただし累積中退確率の低下は必ずしも卒業確率の上昇を意味せず,退学の意思決定を遅らせる効果と解釈すべきである。departmental bulletin pape
A Review of the Economic Theory of Alliance : Unsolved Questions in the Light of Post-Cold War Expansion of NATO
「同盟の経済理論」とは,同盟を構成する国々の安全保障支出を,経済学を用いて理論的・実証的に研究する分野であり,特にNATOにおける加盟国の安全保障負担が議論されてきた。本稿では,NATOを取り巻く安全保障環境の変化や,NATO自身の拡大と変容に,同盟の経済理論が学術的にどのように対応し発展してきたのかを見ていく。そして,ロシア・ウクライナ戦争勃発後の2025年から振り返って,同盟の経済理論の課題について検討し,冷戦終結後のNATOの役割の増加や東方拡大を踏まえ,分析に使用する変数の選択を再検討することや,理論モデルの拡張について指摘する。departmental bulletin pape
甲南大学における正課外教育における教育者の役割 ―自主的活動における指導のありかたとは―
本論は,本学における人物教育のフレームワークにおける一領域を担っている「正課外教育活動」における教育者の役割を論究するものである。本学における課外活動団体規程には「全ての課外活動団体は,学⽣による⾃主性を尊重した活動(後略)」と記されている。この規程における「⾃主性を尊重した活動」における教育活動のあり方について,本論では実際の指導事例を通して明らかにされる。本論の成果は,今後,本学における「正課外教育」における教育体制のあり⽅について検討する際の⼀資料としての機能が期待される。departmental bulletin pape