C-RECS (Creative Repository of Electro-Communications)
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幾何学的なパズルに対する物理的ゼロ知識証明
電気通信大学修士2022ゼロ知識証明は,ある問題の解答を知る証明者が,解答そのものを教えることなく,問題に解答が存在することを検証者に納得させるプロトコルである.また,カードベース暗号は,計算機の代わりにカードや封筒といった物理的な道具を用いて秘密計算を実現する暗号プロトコルである.カードベース暗号ではゼロ知識証明を実現するプロトコルも考案されており,これらは特に物理的ゼロ知識証明と呼ばれている. 物理的ゼロ知識証明が考案されたパズルの個数について,数値が条件に含まれるパズルに比べて図形の性質が問題や解答の条件に含まれるパズルは少ない.そこで,本研究では幾何学的な特徴を持つパズルを対象に物理的ゼロ知識証明を提案する. 本研究では,二次元図形と三次元図形の双方で幾何学的な特徴をカードで表現するために,時間ロボー問題に対する物理的ゼロ知識証明の改良を行い,天体ショーに対する物理的ゼロ知識証明を新たに提案した.時間ドロボー問題はn個のキューブで構成されたパズルである.先行研究である上田・西村のプロトコルはカードのみで実装できるが,証明者が解答を知らなくても検証者が証明に納得する健全性誤りが生じる問題がある.卒業研究では,カードの他にハサミと立方体を用いることで健全性誤りのないプロトコルを考案した.そこで本研究では,上田・西村の設定と同じくカードのみで実装でき,かつ健全性誤りのないプロトコルを提案する.天体ショーは与えられたブロックを点対称な図形に分割するパズルである.天体ショーに対する物理的ゼロ知識証明では,時間ドロボー問題に対する研究で考案した,立方体を削減する操作を利用することで,解答である分割後の図形の形状を検証者に教えることなく,各図形が点対称であることを証明する.thesi
Study on an Efficient Artificial Intelligence Architecture for Image Classification
電気通信大学2022thesi
Unsupervised Segmentation of Time-series Data by Using the Probabilistic and Deep Generative Model
電気通信大学2022thesi
Study on an Efficient Artificial Intelligence Architecture for Image Classification
電気通信大学博士(工学)2022doctoral thesi
グラフの直積上の一般化ペグソリティア
電気通信大学修士2022ペグソリティアとは、盤上のペグをルールに則って取り除いていき最終的に1個にすることを目的としたパズルである。ペグが2個直線上に並んでいて、かつその隣にペグがない場合にペグを飛び越えることができ、飛び越されたペグは盤上から取り除く。
これを元にグラフ上のペグソリティアが考案された。グラフ上のペグソリティアでは様々なグラフ上でペグを1個にすることが出来るかどうかの研究が行われている。しかし、グラフ上のペグソリティアの定義では、3つの頂点が辺で接続していれば飛び越しが可能であるため、実際のペグソリティアでは不可能である飛び越しが可能となっている。そこで、グラフ上のペグソリティアを拡張してペグの移動に制限を加えることのできる一般化ペグソリティアが考案された。
本論文ではグラフの直積上での一般化ペグソリティアについて研究を行う。飛び越しは直積を取る前の同じグラフに存在していた2辺でのみ可能とする。この制限のもとでの先行研究があり、スターグラフと完全グラフの直積上で行う一般化ペグソリティアでは葉の数をkとした時、完全グラフのサイズが2(k-1)以上であればペグを1個にできることが示されている。また任意の連結なグラフに対しても、連結なグラフの最大次数がdである時、完全グラフのサイズが2(d-1)以上あればペグを1個にできることが示されている。一方で、完全グラフのサイズが2(d-1)より小さい場合でも直積を取った際にペグを1個にできるグラフも存在しているため、先行研究で示された完全グラフのサイズの値を改善できる可能性がある。
本論文では、グラフの初期空頂点にのみペグを1個残すことができるグラフとハミルトニアングラフの直積上での一般化ペグソリティアにおいてペグを1個にできることを示した。また、葉が接続しているパス上の頂点が1個のみ、かつ端点であるキャタピラグラフと完全グラフの直積上で行う一般化ペグソリティアで、ペグを1個にすることができる完全グラフのサイズを示した。そして、キャタピラグラフと完全グラフの直積上の一般化ペグソリティアにおいて、ペグを1個にすることができる葉の数の上界を示した。thesi
OAM量子ビット符号化における位相誤り訂正と符号語の誤り訂正能力に対する性能評価
電気通信大学修士2022量子コンピュータの実用化においてボトルネックの1つとして、誤り訂正技術があまり発達していないことが挙げられる。そこでGottesmanらによって提案されたGKP符号化は、誤り訂正が比較的簡単に行えるとして注目されている。しかし、GKP符号化は量子ビットの代数関係を満たしていなこと、また厳密には符号語が存在しないという大きく2つの問題点がある。そこでRaynalらは、単一光子の軌道角運動量(OAM)に量子ビットの代数関係を満たしているRKSE符号化を提案した。RKSE符号化は1つのOAMに理論的には任意の個数の量子ビットを符号化することができるというメリットがある。しかし、OAM系ではGKP符号化とRKSE符号化は共にStabilizer形式で誤り訂正を行う際に、誤り訂正のシンドローム測定ができる光学素子が現在までに存在しないなどのデメリットもある。このようにGKP符号化とRKSE符号化は共にメリットとデメリットがあり、どちらが良いということは一般的には言えない。そこで、本研究ではこの2つの量子ビット符号化の誤り訂正能力に関してどちらが優れているか調べること、またOAM量子ビットの誤り訂正法を構成し評価することを目的にしている。
本研究では、まず対象としている物理系が異なるこの2つの量子ビット符号化を比較するために、GKP符号化を一般的な物理系でも定義できるように定義の拡張を行い、OAM系でGKP符号化を行った量子ビットを構成した。そして、GKP符号を用いたOAM量子ビットはRKSE符号とは異なり、1つのOAMに1つの量子ビットしか符号化できないことを示した。
次に、OAM量子ビットに生じる位相回転誤りが各OAMに確率的に発生する誤りモデルを考え、GKP符号化したOAM量子ビットとRKSE符号化したOAM量子ビットで3量子ビットの繰り返し符号を構成し誤り訂正能力の性能評価を行った。評価の結果、RKSE符号で誤り訂正を行った場合は誤り訂正が出来ていたのに対し、GKP符号の方は誤り訂正を行ったにも関わらず誤りが増幅されてしまうことも分かった。以上のことから、OAM系で位相回転誤りを訂正する場合はGKP符号よりRKSE符号の方が誤り訂正の能力が高いと言える。
最後に、OAM量子ビットで線形光学素子を用いて位相回転誤りを直接推定して誤り訂正を行う方法を提案し、誤り推定の性能評価を行った。比較より一様分布、三角分布、Gauss分布を用いたOAM量子ビットで比較を行い、Gauss分布を用いたものが一番、推定精度が高くなることが分かった。thesi
Utility-Privacy Trade-offs with Limited Leakage for Encoder
電気通信大学修士2022近年、インターネット上での混雑状況把握サービスなど社会生活で情報の利活用が急速に進んでいる。それと同時に、偶発的あるいは意図的なプライベート情報の漏洩の危険が増加している。Yamamotoは1983年に、情報源の利便性とプライバシーを定量化し、その間のトレードオフ関係を解析する枠組みを導入した。Sankarらは2013年に、データの有用性を保ちながらプライバシーを保護するようにデータベースを変換する必要性を主張し、Yamamoto(1983)の結果が再認識された。Yamamotoは、情報理論におけるレート歪み理論に基づいて、(i) 第三者に開示されても構わない公開情報とプライバシー保護を必要とするプライベート情報を符号器に入力する場合と、(ii) 公開情報のみを符号器に入力する場合の2通りの符号化レート・利便性・プライバシーの最適な関係(一次オーダレート解析)を明らかにした。しかしながら、(iii)プライベート情報の部分集合と公開情報を入力する場合の理論限界は明示されていなかったため、著者と八木は2021年に、ケース(iii)の理論限界を解析した。結果、求めた領域の特別なケースはYamamoto (1983)の結果と一致することが分かった。
ケース(iii)に関する従来結果は、理論限界を統一的に表現できるという点で意味がある。この結果はプライバシーを復号器に対するプライバシーのみで評価していた。しかしながら、通信システムへの応用を考えると、復号器だけではなく符号器に対するプライバシーを考慮することが望ましい。そのため3章では、ケース(iii)の符号化レート・利便性・復号器に対するプライバシー・符号器に対するプライバシーの4つの尺度の最適な関係を示す。この結果、符号器への情報漏洩量に制約を課す場合、最も性能の良い理論限界はケース(iii)にあることが分かった。情報理論における「利便性とプライバシーのトレードオフ関係」の最重要課題に二次オーダレート解析がある。二次オーダレート解析では一般に、歪み超過確率を利便性の尺度として用いる。しかしながら、著者ら(2021)の一次オーダレート解析では、平均歪みが利便性の尺度として用いられている。そこで4章では、利便性の尺度を歪み超過確率に置き換えた場合の一次オーダレート解析を行う。その結果、理論限界は平均歪みの場合と一致することを示す。
二次オーダレート解析に向けたもう一つの課題は、強逆定理である。そこで5章では、利便性の尺度を歪み超過確率とした場合の利便性とプライバシーに関する強逆定理を示す。この結果は、二次オーダレート解析の問題に利用できる点で意義がある。thesi
歪電流に対応したエナジーハーベスト電流・力率センサに関する研究
電気通信大学修士2022化石燃料の高騰や地球温暖化の課題に対応するため,工場での省エネルギー化と生産性の向上が求められている.これには工作機械ごとの消費電力および稼働状況の可視化が不可欠で,電流や電力の利用効率を示す力率の測定装置を用いるが,いくつかの問題で広く普及していない.センサの電源にコンセントを使用すると設置場所や配線の制約が生まれ,電池駆動では定期交換の保守コストを要する.測定には複数のプローブを機械に取付ける必要があり,また高価なため各機械への設置はハードルが高かった.
この問題の解決に向けてこれまで,安価なPVDF(Piezoelectric Polarized Polyvinylidene Fluoride)フィルムを用い,接地を必要としない原理的に単一プローブで測定可能な非侵襲の電流・力率センサを研究してきた.また工作機械の電線が発生する磁界から,センサの駆動電力を得るエナジーハーベスト機能も実装した.しかし,測定結果が設置環境ごとの寄生インピーダンスの影響を受けやすく,歪電流により力率の測定精度が低下する課題が生じていた.
そこで本研究では,このエナジーハーベスト動作可能な単一プローブの電流・力率センサで,歪電流を高精度で計測する手法を提案し実装と改良により性能向上を図った.歪電流の計測では外付けのADコンバータを使用し,取得した波形に対してデジタル信号処理を行ったPVDFフィルムの電圧波形測定では,フィルムにコンデンサを並列接続して寄生インピーダンスの影響を低減し,それによる出力低下を計装アンプの増幅で補った.また消費電力削減のため無線モジュールを適宜ディープスリープモードに入れ,測定回路も間欠動作とした.
提案手法を実装したセンサを工場で稼働している工作機械に設置し,性能評価実験を行った.機械の停止中に外来ノイズの影響で力率計算を誤る問題が生じたが,サーバ側でソフトウェアによる対処を可能である.その結果,エナジーハーベスト動作による高精度な歪電流の測定が実現され,接地を不要としながら も 高価な市販の測定機器に対して 遜色ない性能が得られた.本センサを工場に導入することで,全ての工作機械の稼働状況や電力効率の可視化が容易となり,スマートファクトリー化の推進と環境負荷の低減が期待される.thesi