Yamagata University Academic Repository
Not a member yet
6724 research outputs found
Sort by
アサツキの in vitro 大量増殖法に関する研究
論文(Article)【諸言】アサツキ Allium schoenoprasum L.var.foliosumRegelは全国的に見ればきわめてマイナーな野菜であるが,東北・関東地方の一部地域では古くから冬季間に利用できる野菜として栽培され,一定の需要がある.アサツキは鱗茎によって栄養繁殖されてきたため,ウイルス汚染による生育・収量の低下の目立つ系統が見受けられる.ウイルス・フリーのアサツキ種苗の増殖は,球数型系統では通常の栽培で1植物当たり数十個の側球(=小鱗茎)が形成され増殖率が高いので,比較的容易と考えられるが,促成栽培に用いられる球重型系統では1植物当たり5-10個の側球しか形成されないので増殖の効率が悪く,急速な増殖のためには効率的な増殖法の採用を考える必要があろう.大量増殖のためにはin vitro増殖がまず考えられるが,アサツキに関するin vitro増殖の報告は見当たらない.そこで,著者らはアサツキのin vitro大量増殖法について検討を行ったが,ウイルスフリー種苗の増殖は変異の生じないことが要求されるので,培養中に遺伝的変異発生の少ないとされる茎頂培養法をベースとした方法を検討した.具体的にはin vitroでのシュートの大量増殖法について検討したが,液体回転培養法を採用するとシュートの増殖率が著しく高くなることが認められたので,その結果の概要を報告する
野生ヒメサユリ(Lilium rubellum)の葉片培養におけるサイアミンの影響
論文(Article)【諸言】組織培養の培養培地の内容成分のうち微量要素についての作用性の検討報告は多くない.中でも有機物要素のビタミン類については多くの種類の培地に用いられ,その添加量は,O.1~30mg/lにわたっているが,培養に当たっての作用性を問題にしているものは殆ど見当たらない.ただ,LINSMAIER et al.は幾多のビタミン類についてその作用性を検討した結果,サイアミンのみが培養に際してタバコのカルス形成に必須であるとの報告をしている.筆者らはこのサイアミンに焦点を合わせ,これまでにハナショウブ,イワタバコの培養実験を行ってきた.本研究もその一連のものである.実験供試のヒメサユリ(Lilum rubellum)はわが国原産で,山形・福島・新潟の諸県に自生しているが,本県にあっては飯豊山系の海抜200-800mの中山間丘陵地帯に分布し,5-6月に草丈50-60cmの桃色の可憐な花を咲かせ早くから注目されてきた.しかし,繁殖率が低い上に近年の乱獲から急激な資源的減少が問題視されるようになった.NIIMI et al.は繁殖法として組織培養による報告をしているが,本研究はこの報告における培養培地条件を参考にして,サイアミンを中心とした植物生長調整物質のオーキシン類・サイトカイニン類との作用性を検討し併せて葉片培養による繁殖法を求めようとしたものである.また,得られた再生個体については,順化処理に移行した
基肥窒素施用時期が水稲の基肥窒素吸収と収量に及ぼす影響
論文(Article)【要約】水田での基肥窒素施用後の入水までの期間が水稲の施肥窒素吸収,水稲の収量に与える影響について圃場条件下で検討した.また,その期間中の土壌水分条件が施肥窒素の形態変化に与える影響について,室内培養法で検討した.得られた結果は以下の通りである.①室内培養実験の結果,土壌水分条件に無関係に施用窒素の無機態窒素としての残存量は時間の経過とともに指数的に減少した.無機態窒素としての残存量は圃場容水量60%水分条件下で80%水分条件下より少なかった.圃場容水量の60%水分条件下では硝酸態窒素としての残存がみられたが,圃場容水量の80%水分条件下では残存無機態窒素はすべてアンモニア態であった.②圃場実験の結果,施肥後入水までの期間が増加するにつれて入水時点での施用窒素の無機態,有機態窒素としての残存量は減少した.施肥後入水までの期間中に降雨量が多く,圃場容水量を越える水分含量であった年次は,水分合量の少ない年次に比較して施肥窒素の無機態窒素としての残存量は多くなった.入水後の施肥窒素のアンモニア態窒素量は施肥後入水までの期間と関係し,入水までの期間が長くなるにつれて少ない量で推移した.しかし施用窒素の消失時期は施肥後入水までの期間と無関係に6月下旬であった③施肥後入水までの期間中降雨量の少なかった年次の施肥窒素の水稲による利用率は,施肥後入水までの期間が10日間でO日間に比較して約1/3となった.一方,降雨が多く,土壌水分が園場容水量を越えた年次は施肥窒素の水稲による利用率と施肥後入水までの期間との間には一定の関係が認められなかった.水稲の収量と施肥窒素の利用率が高い条件で高くなった
いもち病激発年と少発年に発生したいもち病菌の病原力
論文(Article)【摘要】本実験はイネいもち病激発の要因として病原菌側の病原力の増強が関連するかどうかを明らかにする目的で行った.すなわち,本病激発年であった1993年と逆に少発年であった1992年に同一圃場に発生したいもち病菌を,発生初期,中期,後期の3時期に採集し,単胞子分離した菌株の病原力を比較した.供試菌株の病原力の測定には供試した菌株に対して罹病性イネ3品種の葉身を用い,付傷接種により形成された病斑面積(侵入菌糸の伸展力)と,病斑単位面積当たりの分生胞子形成数(分生胞子形成能力)の二つの事項から判定した.侵入菌糸の伸展力については,用いた品種によって傾向が多少異なったが,激発年に採集した菌株より少発年に得た菌株のほうが高い結果を得た.一方,分生胞子の形成能力については1品種では激発年に採集した菌株のほうが少発年のそれより優る結果となったが,残りの2品種では激発年の菌株のより少発年のそれのほうが高い傾向が見られた.これらの結果から,1992年と1993年の両年に発生したいもち病菌の病原力を総合的に比較すると,激発年の菌株が少発年のそれより劣ることはあれ,優ることはないと判定された.また,本病の発生時期の異なる菌株の病原力は,侵入菌糸の伸展力については発生初期に高く,中期に一時的に低下し,後期に再び高まる傾向が見られた.分生胞子形成能力は,1992年と1993年で結果が異なり,前者では発生初期の分生胞子形成能力は低く,中期に一時的に高まるが後期に再び低くなる傾向が見られた.しかし,後者ではこの傾向は明らかではなかった
ブタ卵管上皮細胞由来の胚発生促進因子
論文(Article)【緒言】家畜における卵子の体外成熟,体外受精そして体外における発生培養の研究は,哺乳動物の初期発生のメカニズムの解明や,生殖細胞の有効利用にとっても極めて重要である.しかし,多くの哺乳動物の卵子は,体外での成熟・受精・発生を行うとある決まった段階で発生が停止する現象が起きる.ブタにおいては,4-cell期で発生が停止するため,一般に「4-cellブロック」と呼ばれており,体外受精法の確立及び受精卵移植で求められる胚盤胞の生産の大きな妨げとなっている.近年,様々な体細胞と受精卵を一緒に培養(共培養)することで発生阻害を乗り越え,より進んだ発生段階まで達することがマウス,ヒツジ,ウシ,ヒトで報告されている.ブタに関して,筆者らは卵管上皮細胞層との共培養による発生促進効果を報告しており,この効果は培養上清(conditioned medium:CM)にもみられることから,卵管上皮細胞から受精卵の発生促進因子が放出されていることが示唆された.また,この因子の一つはタンパク質様の性質をもっていた.本研究ではこのCM中の同タンパク質様発生促進因子の部分精製を試みたので報告する
殺菌土壌におけるハクサイ軟腐病の発生について
論文(Article)【抄録】山形大学農学部附属農場のハクサイ連作圃場から採取した土壌を120℃,2時間蒸気殺菌後18号素焼鉢に充填し,同農場の圃場に埋設した.直ちにハクサイ(松島交配新6号)を播種し微生物の増殖,軟腐病の発病,根圏における病原菌の増殖等を調ぺた.対照として同じ場所から採取した非殺菌土壌を用いた.殺菌土壌では全細菌,グラム陰性細菌,糸状菌とも急速に増殖し,埋設7日後で非殺菌土壊のそれらと同じレベルに達した.1994年5月9日に播種した春播の場合,非殺菌土壌では6月中句から軟腐病が発生したが,殺菌土壌では7月中旬から発生し,発病程度は非殺菌土壌にくらべ軽症であった.しかし,病原菌は両土壌のハクサイ根圏で同様に増殖し,10の5乗-10の6乗CFU/乾土1gのレベルに達した.また,同年8月5日に播種した夏播きでは,いずれの土壌でも10月から同程度に発病し,根圏における病原菌の増殖にも違いは見られなかった.根圏および病斑から分離した病原菌は,いずれもErwinia carotovora subsp.carotovoraと同定された.これらの結果より軟腐病菌は土壌伝染以外の経路でもハクサイに伝搬し,軟腐病をひきおこしうることが判明した
庄内地方におけるカントリエレベータの利用及び乾燥効率の比較
論文(Article)【諸論】米の生産一流通の自由化が進むなかで,生産地においては米の高品質,良食味,安全性等消費者の多様なニーズに的確に応えうる体制が求められている.カントリエレベータは最初に導入されてからすでに35年を経過したが,今では米の生産-調製及び出荷の基盤として,生産性及び品質の向上,流通の合理化等に大きな役割を果たしており,稲作の近代化を象徴する施設の一つになっている.平成10年3月末現在,全国で743のカントリエレベータ(以下CEと略称)があり,山形県においては40のCEが設置されている.また,山形県庄内地方には24のCEが設置されており,その総貯蔵能力は82,100tになる.庄内地方の米の収穫量はおよそ188,800tであるから,CEの貯蔵能力の収穫量に対する割合は43%に当たる.平成11年度はCEの利用率はさらに高まり50%を越えると予想される.平成5年のCEの仕様改正によって,「貯蔵ピン方式」が標準仕様に新たに加えられたのに伴い,庄内地方においては多様な乾燥・貯蔵方式のCEが設置され,平成10年には新仕様のCEは8個所を数え,その貯蔵能力は全CEの44%になっている.また,これまでに建設された旧仕様のA,B型のCEも,循環型乾燥方式の導入によりC型へ模様代えされたCEも多い.本研究では,庄内地方における新仕様のCEを含む代表的なCEの利用状況を調査し,併せて乾燥方式の異なるCEについて乾燥エネルギの面から比較検討を行った