SWAN Shimane University Web Archives of Knowledge
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心理学を学ぶ目的は何か?
本論は,心理学教育の経験を通して,現時点で筆者が考える心理学教育の目的を論じたものである。最初に心理学の授業の導入時に工夫していることを述べ,次に,心理学教育の目的は,社会を構成する市民として,自分も他者も肯定する考え方と態度を身につけることであると述べた。そして,その具体的な内容として,1)心理現象や行動の概括化,2)法則性と個人差の両面を捉える視点の獲得,3)多くの要因からなる「心」を分析する視点の獲得,4)自他の見方・考え方の偏りへの気づき,5)客観的事実による公正な判断を挙げ,それぞれの内容について詳述するとともに,授業で工夫していることを述べた。そして,対人葛藤状況において,自分も他者も肯定する態度を取る上で生じる心理的要因を考える授業の試みを紹介した
分数学習における「もとにするもの」の認識に関する調査研究:小学校第4学年での認識に焦点をあてて
本研究の目的は,分数学習で「もとにするもの」を見出したり変化させたりするうえでの,学習指導上の重要点や教師の役割について指摘することである.そこで,第4学年の分数単元の導入時の学習に焦点をあてた調査を計画,実施した.調査結果の分析から,(1) 考えるもとになる教材及び「もと」に関する発問の重要性,(2) 異なる見方との接触や操作を伴う機会の担保,(3) 具体的な文脈の付与と他者による説明の保障の三点を,学習指導の重要点及び教師の役割として指摘した
算数科授業における数学的討議の本質的な貢献と相互作用に関する一考察:第4学年「間の数」単元を事例として
本稿の目的は,算数科授業における問題解決に向けた子ども同士の話し合いを数学的討議として捉えることから,数学的討議の枠組みを再解釈することである.その目的達成に向けて本稿では,Pirie の提唱するmathematical discussion を理論的視座とし,小学校第4学年の「間の数」単元における調査を実施した.分析結果からの本質的な貢献の要素として,真である内容に基づく飛躍のない推論による情報提供,音声言語を補完する視覚的媒介物を用いた情報提供の2点を挙げた
ダウン症児の読みの指導法の検討 : ひらがな読みの学習における行動随伴性の効果
ダウン症児者は先行研究において文字の読み書き能力の獲得可能性が示唆されているが,他の障害種に比べ,読み書き指導の先行研究が少ないことが報告されている。そこで,特別支援学校に通う小学3年生のダウン症女児1名を対象に介入研究を行い,応用行動分析学の行動随伴性の観点からひらがなの読みの指導法の検討を行った。その結果,対象児のひらがなの読みの学習行動が生起,強化,維持したことが認められ,学習に対する意欲の変化も見られた。そのことから,ダウン症児のひらがな読み学習に行動随伴性の正の強化の原理を用いることの有効性が示唆された