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欧州2020戦略の展開とドイツ 包摂的な成長に焦点を合わせて
EUは現在、経済構造上の弱さを克服し、「知的な、持続可能な、そして包摂的な成長」を実現すべく、欧州2020戦略を展開している。欧州2020戦略はリスボン戦略の後継戦略であり、実施期間10年の中期成長戦略である。このことからも分かるように、EUの成長戦略の大きな特徴は、その継続性と強靭さにある。
本稿は、欧州委員会によって2014年に公表された欧州2020戦略の中間評価を踏まえ、直近の取組成果を欧州統計局の作成するモニタリング指標に基づいて概観するとともに、ソーシャル・ヨーロッパの伝統を継承する欧州2020戦略の社会的側面を集約的に表現する包摂的な成長に焦点を当て、その残された政策課題を解明する。
EU全体としては、持続可能な成長で大きな成果をあげているものの、ほかの2つの優先課題では教育水準向上の主要目標を除いて到達度が相対的に低い。これに対しドイツは、温室効果ガスの排出削減と再生可能エネルギー割合で傑出した成果をあげるだけでなく、包摂的な成長に関する目標到達度でも優れた成果を収めている。しかし、より包摂的な成長を実現するためには残された課題もある。
包摂的な成長は、雇用を通じた社会的包摂を意味し、包摂的な労働市場の構築とも言い換えることができる。EUでは失業期間が長期化する中、労働市場スラックも大きい。他方、ドイツの労働市場パフォーマンスは比較的良好であるが、長期失業者のほぼ半数が再参入者であり、長期失業者には固定化傾向がみられ、さらに1990年代半ば以降は低賃金雇用割合も急激に増大している。このことから明らかなように、より包摂的な成長を実現するためには、EUとドイツはともにアクティベーション政策と積極的と労働市場政策を基軸にした総合戦略と雇用の質向上の取組をこれまで以上に強化することが必要である。departmental bulletin pape