KYOTO GAKUEN UNIVERSITY ACADEMIC REPOSITORY
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Developments of Concepts, Competency and Competence in the Assessments of Vocational Qualities: Analyses of international and domestic descriptors and indicators as criteria of quality assessments
要 旨
本稿は、一般に職業能力と称される事柄を職業的資質(能力と人格的・社会的な側面を含む)とし、その評価指標開発に関する議論と実際を国際的、国内的な比較研究の視野から分析を行うことを目的とする。おもに1990 年代以降展開された職業的資質評価の試みは、①各種のスキルをコンピテンシーなる指標で総称するアメリカ的パターン、②クォーリフィケーションなるより職種志向の資格概念のもとに知識、スキル(技術的と社会的)、コンピテンス(動機・態度)を構造化する欧州パターン、③就職前などの職業選択に必須の職業能力評価指標のリスト化を促すパターン、④学卒時の学習アウトプットを職業基礎力の面からリスト化するパターンが見られる。これらの成立過程と項目リストの詳細が分析され、その結果、つぎの3 つの示唆が得られた。第1 にそれらが職業の基礎的・横断的部分と専門的観点か構成されること、第2に、資質項目に技術的なスキル、そして労働過程のマネジメントに関わる社会的スキルを含めること、第3 に個人それぞれの人格的資質(価値観や倫理観を含む)の保有も欠かせないこと。最後に、以上の観点から、職業能力・資質の評価標に関する30 項目が提案された。departmental bulletin pape
Mechanical Reliability of Sintered Nano Silver for Power Device Packaging
京都先端科学大学博士(工学)2022年度doctoral thesi
ISA 720 の改訂過程と利害関係者の反応
要旨
近年の非財務情報の重要性の高まりを受け、2020 年に監査基準の改訂が行われた。この改訂により、その他の記載内容に対する監査人の役割が明確化し、監査報告書に「その他の記載内容」区分が追加され、2021 年に監査基準報告書720 が改正されることとなった。その他の記載内容に対する監査人の役割を記載した監査基準報告書720 は、2015 年に公表された国際監査基準720(改訂)を修正し、わが国に取り込んだものである。改正された監査基準報告書720 の基となる国際監査基準720(改訂)は多くの利害関係者のコメントを反映して改訂されたものであり、その改訂には長い年月を要している。本稿では、国際監査基準720 の改訂過程とその過程で利害関係者から寄せられたコメントを紹介し、これらのコメントの基準設定への影響を見る。departmental bulletin pape
Learning Effects and Challenges of Chronic Nursing Practice on Campus
要 旨
目的: 学内で実施した慢性期看護学実習を評価し,開発したプログラムの学習効果と今後の課題を明らかにする.
方法: 慢性期看護学実習の学内プログラムに参加した学生10名の実習記録から学んだ内容に関する記述を抽出し,内容分析の手法を用いて分析した.
結果:【 看護実践に備えて知識を得る】【身体状態を的確に観察し評価する】【苦痛に対応する】【安全を守る】【患者の思いに配慮して対応する】【自己管理を促進できるように支援する】【多職種で協力して支援する】という7 つのカテゴリー(概念)が抽出された.
考察: 学生の学びに関する概念は臨地実習の実習目標に対応しており,開発した学内実習プログラムの運用により学生は実習目標を一定程度達成することができたと評価できる.一方で,患者の反応に応えながらのコミュニケーション,看護職や他職種の連携や協働に基づく実践に関して,学内実習におけるリアリティの限界は今後の課題となった.departmental bulletin pape
Consideration of Changes in the Handling of Psychology in Shinrigaku Gairon
要旨
心理学が明治時代に日本でも大学で学ばれるようになってから,時代の変化に応じてどのように教え方が変化してきているのかについて検討を行った。その中で,本稿では心理学を初学者に教えるためのテキストである「心理学概論」のテキストの中でいかに心理学が扱われてきたのかについて時代を追ってその変化を明らかにした。
哲学から分離,独立して一つの独立した学問分野として成立した心理学は,当初実証科学的な側面の重要性が強調されながらも,カント哲学の影響を明らかにするなど,思弁的,哲学的な内容に関する関心を完全には否定するわけではなかった。しかし,時代を経る中で,構成主義だけではない,行動主義,ゲシュタルト心理学,認知心理学などの様々な立場が心理学の分野の中に成立してゆき,その人間観などではなく,「行動からの心理学」という言葉で表現されるように,思考などを含んだ広義の「行動」を対象とした実証的な研究を行う学問という観点で捉えられることが多くなっていったことが検討された。その中では,それぞれの立場が背景としている人間観などに違いがあるものの,心理学概論を教える際にはそうした差異については言及されるのではなく,実証的な方法論などの共通点を持って説明されることが多くなっていると考えられた。その中で,多様な領域を含む心理学を一つの学問分野として捉えることを可能にする半面,その背景としてどのような人間の捉え方があるのかという視点が弱くなってきていると考えられた。
心理学が多様な領域を含み,同じ「心」という対象を扱いながらも,それをいかに扱うのか,捉えるのかについては差異があると考えられ,そうした差異についても意識的に扱うために,心理学の背景にある人間観や哲学について意識的であることが有用なのではないかと考えられた。Abstract
This paper examines how the teaching of psychology has changed with the changing times, especially after it came to be studied in universities in Japan during the Meiji period. Within this examination, this paper reveals changes over time in the way psychology has been handled in Shinrigaku Gairon (Outline of Psychology), a textbook for teaching psychology to beginners.
Psychology, which was established as an independent discipline separate from and independent of philosophy, initially emphasized the importance of positive science aspects but did not entirely dismiss interest in speculative and philosophical content, such as the influence of Kantian philosophy. However, this paper examines the fact that a range of positions other than constructivism, such as behaviorism, gestalt psychology, and cognitive psychology, began to form within the field of psychology with the passage of time. It came to be regarded not for its view of humanity or the like, but as a scholarship that conducts demonstrative research on behavior in the broad sense, including thought, as expressed by the term “psychology from behavior.” While each of these positions may have different views of humanity behind them, it was thought that teaching an outline of psychology more commonly explains these through their common points, such as demonstrative methodologies, rather than mentioning their differences. This is considered to be because it enables psychology to be regarded as a single discipline that includes diverse areas, but conversely weakens the perspective that questions the view of humanity that lies behind it.
Psychology includes diverse areas, and although they all take the mind as their subject, they appear to treat and regard it in different ways. It is thought that being conscious of the view of humanity and the philosophy behind psychology may be useful in handling these differences more consciously.departmental bulletin pape
Evolution of the Concept of “Abusive Language” and Its Contextual Shifts
要旨
「悪口」という語彙を語るとき,『御成敗式目』に「悪口」を禁じる条文が存在し,従来これが現代の⽛悪口⽜に対する感覚では理解できにくい問題として取り上げられてきた。本稿では,こうした「悪口」という語彙の初期から現代までの史上における意義上の変遷を見ていく中で,他の語彙の干渉や関連語彙の勃興衰退の経緯に鑑みながら,「悪口」という概念が変化していくダイナミズムを明らかにする。Abstract
When exploring the term “abusive language,” previous studies have mentioned that the Goseibai Shikimoku (Formulary of Adjudications) contained provisions prohibiting abusive language, and highlighted the challenge of understanding these provisions within the modern sense of “abusive language.” This paper looks at the historical evolution of the term “abusive language” from its initial appearance to the present day, shedding light on the dynamism of the concept of abusive language as it changes. It also examines the interference with other terms and the history of the rise and fall of related vocabulary.departmental bulletin pape
The Changing Role of Hong Kong in Guangdong–Hong Kong–Macao Greater Bay Area: Focusing on Port Development and Innovation
要 旨
粤港澳大湾区(Guangdong–Hong Kong–Macao Greater Bay Area, GBA)構想は、2013 年に習近平国家主席が提唱した「一帯一路」構想の結節点である。2017年7 月1 日に中国政府・広東省・香港・マカオの各政府が締結した「広東省・香港・マカオ協力深化による粤港澳大湾区構想建設推進枠組み協定」に基づいて、2019 年2 月18 日には「粤港澳大湾区発展計画綱要」が公表されている。中央政府と香港、澳門の特別行政区政府がGBA 構想を進める中、GBA をめぐる研究では、各都市の役割分担を政策的インプリケーションとするものが多く見られる。とりわけ、香港と深圳の協力、あるいは香港と広州・深圳の協力をどう進めていくか、香港をGBA にどう組み込んでいくか、取り込んでいくかといった視点が共通して見られる特徴である。港湾整備においては、現物の貨物を中心に担うのではなく、海上保険など金融面で海事を支えることが期待され、イノベーションにおいても、金融面での役割が香港に期待されている。すなわち、GBA の中で、香港は、従来有していた港湾都市のイメージや金融をはじめとする先進的なイノベーション都市のイメージを広州や深圳に明け渡し、金融プラットフォームとしての役割を担うことが求められている。departmental bulletin pape
Thomas Mayer;An Isolated Monetarist in California
要 旨
1970 年代から80 年代にかけて、カリフォルニアの州都、サクラメント近くのデーヴィス(Davis)という片田舎の街でマネタリズムについて精力的に研究していた、一人の経済学者がいた。彼はミルトン・フリードマンやアンナ・シュウォーツのように世界的に著名なマネタリストとは距離を置きつつ、自らのマネタリストとしての立ち位置を固めていった。彼はユダヤ人の子として第二次世界大戦の直前にオーストリアで生を受け、日々高まるユダヤ排斥運動の中、かろうじてアメリカに脱出、幾多の困難を克服し、カリフォルニア大学デーヴィス校で教授の地位を得ることができた。
彼は当時の多くの経済学者がそうであったように、当初はケインジアンとして研究生活をはじめる。しかし、その後1957 年にミルトン・フリードマンがStudies in the Quantity Theory of Money を出版するに至り、その内容にすっかり魅せられ、即座に大学院の講義テキストに用いた。その成果は1979 年にKreditund Kapital 誌に2 回に分けて発表され、その後のThe Structure of Monetarism出版に繋がる。同書の出版はマネタリズム旋風が起きていた時期に重なり、世界の耳目を集めることになる。
しかし、彼はマネタリスト研究者が往々にして陥るドグマティストでは決してなかった。1968 年にミルトン・フリードマンとアンナ・シュウォーツがA Monetary History of the United States を出版すると、ケインジアンから厳しい反論が寄せられる。その先鋒に立ったのが、ピーター・テミンであった。テミンはフリードマン達の大恐慌解釈に対して厳しい反論を展開し、1976 年にDid Monetary Forces Cause the Great Depression? を出版し、注目を集める。その両者の論争の中に割って入ったのが、トーマス・メイヤーであった。彼は両者それぞれの主張を認め、フリードマン達の研究にも不十分な点のあることを指摘した。
彼は生涯を通じて貨幣経済学者としての研究姿勢を崩さなかった。カリフォルニア州の厳しい財政悪化の中、62 歳で早期退職を求められた後もその姿勢は続いた。同僚たちの多くはそのあまりにも早い退職を嘆いた。彼は在職中研究だけでなく、学生の研究指導にも熱心であった。経済学部はその貢献を称え、彼の退職と同時に「トーマス・メイヤー教育賞」(Thomas Mayer Award for Excellence in Teaching)を設け、学生指導に顕著な功績のあった教師を表彰している。当時の同僚たちは、彼は時間を非常に大切にし、長時間の非効率的な会議を好まず、彼との会議はまるで片足立たちで行っているようであった、と述懐している。本稿はそのような異端で孤高の経済学者がどのように70年代、80年代の貨幣経済学の発展に貢献したかについて論じる。departmental bulletin pape