Osaka Kawasaki Rehabilitation University Repository
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Pole Exercise Treatment Intervention for Repeated Aspiration Pneumonia Due to Poor Swallowing Function Associated with Bad Posture: Case Report
姿勢不良に伴う嚥下機能低下により誤嚥性肺炎を繰り返す症例に対し、嚥下をよくするポールエクササイズ(PEPIS)を実施し有効であったので報告する。症例は70 代男性、誤嚥性肺炎で入院した。既往歴は十数年前に中咽頭癌の放射線治療を実施しており、数年前より誤嚥性肺炎を繰り返している。誤嚥性肺炎を繰り返している要因は、加齢による姿勢の変化や嚥下機能の低下が考えられた。また繰り返し入院する度に嚥下訓練を受けているため、本人より口腔器官運動などの間接嚥下訓練は好きではないと訴えがあった。そこでPEPIS を提案し、姿勢などの身体の問題へアプローチした。入院中は発熱や呼吸状態の悪化は無く経過した。PEPIS の受け入れは良く、継続して訓練できたことが姿勢の改善や嚥下機能の維持・改善に寄与できたと考える。本症例に対してPEPIS は姿勢の改善や嚥下機能の維持・改善という点で有効性が示された。The effectiveness of a pole exercise program for improved swallowing (PEPIS) has been examined in patients with repeated aspiration pneumonia due to poor swallowing function associated with bad posture. Our patient, a man in his 70s, was admitted to the hospital with aspiration pneumonia. His medical history included radiotherapy for mid-pharyngeal cancer more than a decade previously and repeated aspiration pneumonia in the preceding few years. Factors contributing to repeated aspiration pneumonia might include age-related changes in posture and decreased swallowing function. The patient disliked indirect swallowing training such as oral-focused exercises because he had received swallowing training each time he had been repeatedly hospitalized. We therefore proposed PEPIS and approached physical problems such as posture. Acceptance of PEPIS was good, and we believe that continued training contributed to the improvement of posture and maintenance and to the improvement of swallowing function. During hospitalization, there was no fever or worsening of respiratory status. PEPIS was suggested to be effective in this case in terms of improving posture and maintaining and improving swallowing function.Case Reportarticl
身体的プレフレイルの関連要因についての検討
研究目的:高齢化が進む中、世界保健機構が2050 年までに全世界の60 歳以上高齢者が2.2 倍に増加すると報告されている。日本では高齢者の割合が急速に増加し、生活の質を維持し、社会保障制度を持続可能なものとするためには、健康寿命の延伸が求められている。介護予防には一次予防、二次予防、三次予防のアプローチがあり、特にフレイルと呼ばれる高齢者の「要介護と健常の中間」に焦点を当てた研究が行われている。今回、本研究の目的として身体的フレイルがどのような要因と強く関連しているかについて研究を行う。
対象・方法:研究方法として、大阪府貝塚市の高齢者205 名を対象にヘルスチェックを行い、基本属性、身体計測、身体機能評価、運動習慣などのデータを収集した。身体的フレイルの評価にはJ-CHS(Japanese version of theCardiovascular Health Study)基準を使用した。J-CHS 基準5 項目のうちひとつも該当しないものをロバスト、1 ~ 2 つ該当する者を身体的プレフレイル、3 つ以上に該当した者を身体的フレイルに分類した。その後統計解析を行い、身体的フレイルと関連する要因を検証した。
結果:ロバスト42.9%、身体的プレフレイル54.1%、身体的フレイル2.9%であった。身体的プレフレイル群ではロバスト群と比較して、身長・四肢骨格筋量が有意に低く、過去1 年間の転倒歴の割合が高かった。また、身体的フレイル群ではロバスト群と比較して、身長・主観的健康感・外出頻度が有意に低かった。身体的プレフレイルに関連する因子として、四肢骨格筋量の低さと過去1 年の転倒歴が特定された。四肢骨格筋量のオッズ比は0.62、過去1 年の転倒歴のオッズ比は2.69 であった。
考察:身体的フレイルの有症率は、ロバスト42.9%、身体的プレフレイル54.1%、身体的フレイル2.9%であった。背景要因では、身体的プレフレイル群ではロバスト群と比較して、身長・四肢骨格筋量が有意に低く、過去1 年の転倒歴の割合が有意に高かった。また、身体的フレイル群ではロバスト群と比較して、身長・主観的健康感・外出頻度が有意に低かった。また、身体的プレフレイルの危険性を高める要因として、四肢骨格筋量と過去1 年の転倒が有意な独立変数として、抽出された。本研究より、身体的プレフレイルを特定することで過去の転倒発生率の高さも知ることができ、先行研究を支持する結果となった。articl
回復期リハビリテーション病棟に入院した 脳血管疾患患者の転帰先に影響する因子の検討
修士【背景と目的】 病院では2016 年度の診療報酬改定により実績指数が導入、施設基準には在宅復帰率も含まれ、回復期リハビリテーション病棟から在宅復帰を目指すことは重要な責務である。また、多職種チームがリハビリテーション診療を実施することでActivities of Daily Living(ADL)が有意に向上するとされ、脳血管疾患患者に対して入院初期よりリハビリテーション実施計画策定における目標を家族と共有することはアウトカムの改善に有用であると考えられる。一方で、脳卒中高齢患者は入院時のFIM 自立度に加えて病前の生活環境が自宅退院の予測因子であるとされ、自宅退院には家屋情報の収集が重要であると考えられるが、入院時家屋訪問の実施を含めて転帰先を検討した研究報告は少ない。
本研究は自宅退院患者の特徴を早期より包括的に捉え、効果的なリハビリテーションプログラムの提供に繋げることを目的に、脳血管疾患患者の転帰先に影響する因子を入院時データから調査した。
【対象と方法】 研究対象は2019 年12 月~ 2022 年11 月の期間に入院した脳血管疾患患者850 人のうち、初回発症の脳出血または脳梗塞で入院した65 歳以上の患者とし、最終解析対象は212 人であった。
対象者212 人(79.0 ± 7.1 歳)を転帰先により、自宅群87 人(77.6 ± 7.2 歳)と非自宅群125 人(80.0 ± 6.9 歳)に分類、入院時に聴取および評価する各項目のうち、入院時の家屋訪問の有無に加え、患者背景・疾患内訳・身体指標・栄養指標・嚥下指標・ADL 指標を収集、両群間において比較検討を行った。統計学的検討は有意水準を5%未満とし、自宅群と非自宅群の2 群比較による単変量解析を実施後、多変量解析で自宅退院の独立関連因子を調査した。
【結果と考察】 自宅群は非自宅群と比較し、年齢が若く、回復期病棟入院までの期間も短かった。また、入院時に家屋訪問を実施した患者の76% は自宅退院していた。身体指標では握力や下腿周径、栄養指標では栄養スクリーニングツールが自宅群で有意に高かった。ADL 指標では自宅群でFIM の合計点が17 点高かった。二項ロジスティック回帰分析の結果、入院時の家屋訪問OR:2.79(95%CI:1.01-7.68)と入院時FIM 運動項目の合計点OR:1.05(95%CI:1.00-1.10)が自宅退院の独立関連因子として選択された。家屋訪問は患者の再転倒リスク軽減や生活参加の増加など、多様な効果が期待されている。入院時に家屋訪問を実施することで、療法士は入院早期から自宅退院を想定した動作練習が実施できるほか、家族側も患者の自宅での生活場面や生活動線の具体的な想起が可能となることが考えられる。本研究では38 人の患者に家屋訪問を実施したところ、実施者の76% にあたる29 人が自宅退院の目標を達成し、入院時家屋訪問は自宅退院に寄与する介入の一つである可能性が示唆された。初発の脳卒中高齢者における入院時FIM は自宅退院の予測因子であり、本研究において入院時のADL 全般に非自宅群は運動FIM が1 ~ 2 点で全介助~最大介助が必要であったのに対し、自宅群は3 ~ 4 点で一部介助~軽介助と介助量は少なく、先行研究を支持する結果となった。リハビリテーション介入による身体機能や動作能力の向上が退院時ADL に直結する一方で、入院時に脳卒中患者が有する身体機能の評価も同様に重要であることが示唆された。
【結論】 回復期リハビリテーション病棟に入院した脳血管疾患患者の自宅退院には、入院時の家屋訪問と入院時FIM 運動項目の合計点が関連しており、入院時に自宅退院を目標として家屋訪問による情報収集を行い、高いADL 能力を有する脳血管疾患患者は、回復期リハビリテーション病棟から自宅退院に至る可能性が高いことが示唆された。articl