Miyagi University of Education Repository
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Does moral responsibility require free will as a precondition?
一般に責任とは、問題となっている行為を実行した行為者とその周囲の他者たちの間で成立するものである。とりわけ道徳的責任は、ストローソンのいう、他者たちの「反応的感情・態度」によって成立する。すなわち道徳的責任は、問題となっている行為がなされた後で、その行為に対する他者たちの反応的態度がその行為者に差し向けられるという仕方で、行為者に対して遡及的に成立するものなのである。そして、問題となっている行為が因果的に決定されたものであるなら、行為者に対する道徳的責任の追及はなされないか、あるいはその追及は弱められることになる。いわゆるフランクファート事例が明らかにしているように、問題になっている行為に関して他行為の選択可能性がなかった場合でも、当該の行為に対して道徳的責任を追及することは可能である。重要なのはその行為の意味が他者たちにどう受け止められたかであり、この点において、道徳的責任は決定論と両立可能である。道徳的責任の成立条件として有望に思われるのは、フィッシャーとラヴィッツァが示した「誘導コントロール」という考え方である。つまり、行為者の「誘導コントロール」の下にあった行為については、道徳的責任を追及することができる。 しかしそうだとしても、この「誘導コントロール」は自由意志を前提するものではなく、道徳的責任が追及される行為ないし行動のすべてにおいて、自由意志が必ず見いだされるというわけではない。したがって、道徳的責任は自由意志を前提とするものではない。ただしこの結論は、自由意志をどのようなものと捉えるかによって変わってくる可能性がある。journal articl
Results and remaining issues of soccer instruction in physical education classes ―Focusing on the practice of the magazine "Physical Education" from 2008 to 2017―
2008年から2017年までの雑誌『体育科教育』を対象とし,学校体育におけるサッカー指導の成果と課題について検討した.その結果,「教育内容」には技術や戦術が設定されており,「教材構成」としては「ゲーム」が重視されながらも技術や戦術の学習としてドリルゲームやタスクゲームも行われていた.そのため,現在のサッカー実践は個人技術やグループ戦術の指導が充実していることが明らかとなった.とはいえ,これらの指導実践には個人―グループ戦術の上位概念であるチーム戦術やシステムの指導とゲームの複雑性について検討する余地があると考えられた.journal articl
On Creating School Counseling(15):Twenty years of school counseling experiences
The purpose of this study was to examine the current situation and challenges of school counseling based on a series of my papers entitled "On Creating School Counseling" that were published in the last twenty years. It is believed that awareness and understanding of school counselors have improved. Our aims of supporting students who are unable to attend school has changed from returning them to the classroom to providing them with suitable environment for learning and assisting them in leading socially independent lives. The outbreak of COVID-19 has had a great influence on school and school counseling. This situation has necessitated the application of crisis management and mental care techniques that have been used in past disasters. Online learning can change the concept/definition of school non-attendance (Futoko). We are required to be creative because situations and challenges of school counseling are constantly changing. School counseling will continue to change, and is expected to affect various activities for psychological support of students in Japan.journal articl
Transformation of the Educational Approaches and Contents of the Teaching Practices of Education for Sustainable Development(ESD); from the Analysis of the Ten-Year Practices on Teacher Training organized by the Local City Board of Education
The purpose of this research is to describe the transformation of ESD school practices from the starting point of when ESD was introduced in Japan. For this purpose, this research has analyzed the records of the ESD teacher training organized by a city's board of education. The target of this research is the Kesennuma city board of education, which has the longest history of enhancing ESD from the beginning of the Decade of Education for sustainable development in 2005. Through analyzing the records from 2009-2020, this research describes the local, regional, and global action and movements affected to ESD practices in Kesennuma, such as the Introduction of the UNESCO Associated School, disaster risk reduction education after the East Japan earthquake and tsunami, the promotion of global human resources, promotion of active learning and inquiry-based learning , UNESCO's Global Action Program, and the UN's Sustainable Development Goals . This research also considers how to improve current teacher training to enhance these educational methods and contents. This research will contribute to our understanding of the history and process of enhancing ESD school practices in Japan.journal articl
A Study on Domain Duties in the Founder Masamune's Reign(Ⅱ) : Focusing on Confiscating Fiefs of Vassals and on Jikatachigyo.
18世紀半ば、宝暦初年の頃、仙台藩₆代藩主伊達宗村をして蔵米制への移行を不可能だと思わしめた「自分下中」による「手作」の広汎な広がりは、如何なる歴史的事情によってもたらされたものなのか。通説的理解では、天正19年(1591)の国替えによって藩祖政宗が多くの所領を失い、それが家臣知行地の削減に繋がり、膨大な数の家臣たちを抱える政宗は、彼らに対して減知の補填を行い、かつ、荒蕪地を多く含む新領地の開拓を推し進めるために荒れ地や野谷地を与え、これを家臣たちが自らの家中(陪臣)に下し与え耕作開発せしめたことから、かくも広汎な「下中手作」をみるに至ったとされている。本論文は、大筋ではこの流れを認めつつも、これまでの通説に一定の修正を加えんとするものである。家臣知行地の削減が天正の国替え以後も何度も実施されていること、荒れ地や野谷地の付与政策は、初めから家臣知行地の補填、ないし、家臣救済策として実施されたものではなかったが、その政策的意図が時代の推移とともに変化し、通説がいうような家臣知行地の補填や救済策としての意味合いが強くなっていくものの、実際には、新田開発に乗り出さなかった者たちも多かったことについて明らかにしている。なお、紙幅の関係で内容を上・下に分けてあり、本稿はその後半部分にあたるが、予定していた論文の構成を一部変更したことを予めお断りしておく。journal articl
A consideration on “qualities and abilities” to be acquired in music classes at school : From a viewpoint of musicology.
本論考では音楽科における「資質・能力」について音楽学の立場から考察した。平成29年告示の学習指導要領の文言を確認した上で,音楽科の特性として,①実技教科である,②表現と関わる教科である,③学校外の音楽活動と密接な関係をもつ,④個人の趣味と深く関わる,⑤「音楽」と聞き思い浮かべるものが個人によって異なる,⑥授業で扱う「音楽」は拡大している,という6点の説明を行った。学習指導要領に記されている「音楽的な見方・考え方」には唯一の正解はない。音楽科では多様な音楽を扱うため音楽の種類によって「見方・考え方」は異なる。また「知識と技能と表現」は密接な関係にあり,切り分けて扱うことはできない。音楽科の「資質・能力」とは表現(演奏・創作)や鑑賞といった音楽体験を積み重ねる中で培われる。教員も自身が多様な音楽に親しみ,音楽の種類に適した「見方・考え方」を自分自身の中に持てるようにすることが重要である。departmental bulletin pape
子どもにいじめを防ぐ力を育む「いじめ防止プログラムパッケージ」の開発
文部科学省「令和元年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」(令和2 年10 月)によると,全国の小中高等学校,特別支援学校で認知したいじめ件数は一年間で612,496 件(前年比68,563 件増)に上り,一部の新聞・報道等では「学校でのいじめが増加した」と否定的に報じられた。しかし,この結果は,全国の学校で法に基づいたいじめの積極的な認知が進み,いじめの早期発見や組織的ないじめ対応が行われている状況を示すものであり,年々,いじめの実態数が増加している状態を示しているわけではない。
一方で,多くの研究者がいじめ自体の発生を予防する未然防止対策の必要性を訴えて久しいが,学校現場ではいじめの認知や対応に追われ,未然防止の取組を組織的・計画的に行えていないのが現状である。また,一部の自治体では,いじめ未然防止の施策としてアンケート調査や電話相談等を挙げている都道府県や市町村があるが,アンケートや電話相談でいじめを早期発見した時点で,いじめはすでに起こっているのであって,それは未然防止対策とは言えない。
現在,多くの学校ではいじめの早期発見,組織的対応による深刻化防止が積極的に行われており,いじめから確実に子どもを守る対策は今後も継続していく必要がある。しかし,それだけでは肝心の子ども自身にいじめから自他を守る力やいじめに向かわない態度を身に付けることはできない。そこで,本研究では,子ども自身にいじめを未然に防ぐ資質・能力を育むため,いじめの未然防止対策を重視した「いじめ防止プログラムパッケージ」を開発した。othe