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土佐湾のホエールウォッチングにおける鯨類の出現頻度と気象海洋条件との関係
高知県では土佐湾中部から西部において、ニタリクジラを対象としたホエールウォッチングが盛んに行なわれている。ホエールウォッチングでは、鯨類の出現する確率や出現頭数、ブロー頻度は日によって大きく異なることが知られているが、その要因についてはよくわかっていない。そこで本研究では、2012年5-10月の間、土佐湾宇佐港から出航するホエールウォッチング船に乗り、土佐湾における鯨類の出現頻度と気象海洋条件との関係を、ニタリクジラを主な観察対象として調査した。5-
6月は鯨類が全く観察されない日があった。7-8月はニタリクジラが観察されない日もあったが、マイルカなど他の種類を含めると鯨類がすべての調査日で見られた。9-10月ではニタリクジラがすべての調査日で観察された。ニタリクジラの出現率と気温や日照時間など気象条件との関係では相関がなかった。ニタリクジラの出現率と海洋条件との関係では、潮汐に関して小潮で出現率が高かった。新月の時期にあたる旧暦28-4日にはすべての調査日でニタリクジラが出現していたのに対し
て、満月の時期にあたる旧暦13-19日の出現率は最も低かった。日内の潮汐変化に関しては、満潮時刻付近の出現率が高く、下げ潮では低かった。本研究から、ホエールウォッチングでは、旧暦を参考にして新月にあたる晩夏から秋にかけての時期で、かつ、観察時間が満潮にあたる場合に高い確率でニタリクジラが観察できることが示唆された
造礁性イシサンゴ染色体研究
造礁性サンゴ(イシサンゴ)の分子データは文献的にも急速に蓄積されつつあるが、その染色体については、ほとんど情報がない。染色体核型を調べることで相当の情報が得られる;例えば、形態学的に分化する性染色体の有無で多くの場合性決定がなされること、異なる種で染色体を比較することでこれらの生物の体制と進化について推測できること、またサンゴの進化の歴史や後生動物のこのグループのゲノム進化を形作る構造変化の理解を深めることができる。そこで、イシサンゴの一種であ
るエンタクミドリイシを使って分子細胞遺伝学的な手法である蛍光インサイチューハイブリダイゼーション(FISH)法で解析した。その結果、サンゴの暫定核型を提示および染色体数が30本であることを突き止めた。また、rRNA遺伝子のマッピング、テロメアーとセントロメアーの可視化に成功し、さらに性染色体の存在の可能性を示した