Niimi College Repository / 新見公立大学学術リポジトリ
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沖縄県伊平屋列島のウンジャミ・シヌグ伝承
正徳三年(一七一三)首里王府編『琉球国由来記』の伊平屋島の項には伊是名島のウンジャミとシヌグに関する記述があるが、伊平屋島や野甫島のウンジャミ・シヌグの記述はない。しかし、伊平屋列島(沖縄県伊平屋村・伊是名村)の有人島である伊平屋島、野甫島、伊是名島を調べると、有人島三島すべてにウンジャミ・シヌグが行われていたことがわかる。伊平屋列島のウンジャミは豊漁祈願の祭事とみられ、シヌグは子どもの成長を祝う祭事とみられる。野甫島のウンジャミには魚釣りや亀捕りの所作、シヌグには木馬に乗る所作があり、共に笑いを伴う雰囲気だったようで、注目される。伊平屋列島のシヌグは、伊平屋島田名と伊是名島が男児のみを祝い、伊平屋島我喜屋・島尻と野甫島が男児・女児を祝う行事となっている。通常、琉球列島のシヌグは「男の折目」とされるが、伊平屋列島の事例では、シヌグは「男の折目」とまとめることはできないことがわかる
国民学校令施行期における「精神薄弱」児を対象とした養護学級の実態-東京の養護学級を事例として-
国民学校令施行期の「精神薄弱」児を対象とした養護学級の実態について、東京の養護学級を事例に、当時の学校衛生関連雑誌の記述内容を基に検討を行った。昭和期に入ると「精神薄弱」児を対象とした特別学級は減少し、国民学校令施行期の養護学級の中ではごく少数であったことは先行研究も指摘するとおりである。だが、わずかながら存在した「精神薄弱」児を対象とした養護学級では、小杉長平、長野幸雄といった戦後の「精神薄弱」児教育・福祉にも影響を与えた人物が担任訓導として教育を行い、対象児の選定、教育内容、課題への対応にあたり、「精神障害」児教育の発展を目指した努力や工夫が行われていた。今後は小杉、長野ら国民学校令施行期に養護学級担任を務めた人物が、戦後の「精神薄弱」児教育・福祉に関わるなかで養護学級での経験がどう反映されたか、また養護学級と少年教護院はどう関わっていたのかを明らかにすることも課題である
地域福祉学科における「戦争体験特別講義」実施報告
地域福祉学科が「高齢者の生きてきた時代とその体験を知ることで、高齢者理解につなげる」という目的の下、2010年から実施してきた「戦争体験特別講義」は、3人の語り手によって9年間続けることができた。3人の方々の語りを紹介し、介護福祉士養成教育における高齢者理解において貢献したことを報告する
岡山市の就学前親子の居場所づくりの現状と課題ー岡山市市民協働推進事業「就学前親子の居場所づくり事業」の実践を通してー
本研究の目的は、令和2年度岡山市市民協力推進事業「就学前親子の居場所づくり事業」の現状を報告し、今後の課題を明らかにすることである。事業内容は以下の通りであった。①特定非営利活動法人岡山市子どもセンターと岡山市地域子育て支援課が協働で、月1回の定例会議において実施内容等についての協議を行っていた。②利用者の様子の変化の記録をとり、③毎月の通信の発行および居場所の周知をし、④スタッフの質的向上に取り組んでいた。利用状況については、令和3年3月末日現在で、登録世帯数は132世帯、開所日数109日、延べ利用者数は2,201人(1日平均20.2人)であった。今後の課題は、①コロナ渦での対応として、利用者のつながりを継続するために電話や往復ハガキなどの働きかけをすること、②気になる子どもや親の事例研究を行うために支援者のコンピテンシーを高めていくこと、③事業効果を示すために、利用者評価を実施することなどである
障害児者とのかかわり経験と授業中の「気になる」行動に対する許容度の関連―教育・福祉職を志望する大学生を対象とした検討―
授業中のペン回しやBGMは一般的には授業に集中していない,望ましくない行動ととらえられることが多い。一方で,いくつかの研究では,そのように外部から一定の刺激を得ることによって,かえって集中しやすくなる学習者もいる可能性が示唆されている。本稿では,前述したような,授業中に「気になる行動」とみなされるであろう諸行動について,大学生を対象として,もし自身がクラス担任ならどの程度やめるよう強く介入するか等を問う質問調査を行った。その結果,障害児者に対する理解度の自己評価やかかわり経験によらず,とりわけ意識的に行われる諸行動がやめるよう強く介入する対象として捉えられている可能性が明らかとなった
在宅看護における遠隔医療の有効性と課題に関する文献検討
急速に発展している在宅看護における遠隔医療の有効性と課題に関して内容を整理し、今後の遠隔医療における教育的基礎資料とすることを目的に、「在宅看護」「訪問看護」「遠隔医療」のキーワードから抽出した18件の文献を対象に文献検討を実施した。結果、有効性として【療養者の生活に合わせた効果的な情報共有】【ICTを活用した総合的な業務支援システムの構築】【多職種連携の効率化がもたらす安心感】などの7カテゴリ、18サブカテゴリが抽出された。課題として【使用者の目的に合わせたシステム化と利便性】【療養者や多機関と連携した在宅医療ケアシステムの構築】【システム活用における安全管理】などの5カテゴリ、11サブカテゴリが抽出された。以上のことから、在宅看護における遠隔医療に対し、実践者へ向けた教育や地域の多職種で連携できるシステムの活用方法に加え、遠隔医療における安全管理や幅広い看護の視点を教授していく必要がある
協同学習における子ども理解-領域「人間関係」における事例検討から-
本研究では、領域「人間関係」の授業における事例検討を用いた協同学習の成果を検討し、保育実習を経験した保育学生が、どのような発達理解、援助理解を示すかについて、その様相を明らかにすることを目的とした。分離不安に関する事例について、保育学生は、領域「人間関係」のねらいを押さえながら、子どもの心情を読み取り、一つの言動を複数の発達理解の視点から一定程度考察する力を身に付けていることが示された。また、KHCorderを用いた分析を行い、協同学習によって考案された援助の目的に関して保育学生の認識の特徴をとらえることを試みた結果、子どもの気持ちの受容、子どもと保育者との愛着形成、園での安心感などを意識した援助を考案する傾向が示された
女子学生の体力・運動能力に関連する心理社会的要因-構造方程式モデリングによる検討-
本研究では、女子学生を対象に体力・運動能力の心理社会的要因を明らかにすることを目的とした。体力・運動能力の心理的要因として身体活動セルフエフィカシー、運動に対するポジティブな態度、社会的要因として運動ソーシャルサポートを取りあげた。2015年から2018年の間にA短期大学に在籍していた女子学生計211人のデータを用いて、「運動ソーシャルサポート」が「身体活動セルフエフィカシー」および「運動に対するポジティブな態度」を介して「体力・運動能力」に影響すると仮定したモデルの適合度及びパス係数を構造方程式モデリングにより検討した。その結果、モデルの適合度はおおむね良好であった(CFI=0.963、RMSEA=0.063)。パス係数に注目すると、「運動ソーシャルサポート」が「身体活動セルフエフィカシー」および「運動に対するポジティブな態度」を介して「体力・運動能力」に与える間接効果はいずれも正値かつ有意であった。以上より、女子学生への運動ソーシャルサポートの提供は、運動に対する肯定的な態度の涵養と運動に対する自己効力感の向上をもたらし、ひいては身体活動量の増加ならびに体力の維持・向上につながる可能性が示唆された
キミ子方式を用いた子どもの絵画活動の指導法-A認定子ども園5歳児「船の絵を描こう」の活動記録から-
本稿は、認定子ども園A幼稚園の絵画活動「船を描こう」の指導案や活動記録の内容を調査し、キミ子方式を用いた絵画活動の指導法が子どもに与える影響や育ちについて考察したものである。A幼稚園の活動には、子どものペースを重視した体制作りや子どもの意思に任せ個々に時間を調整する指導、会話を通して子どもの困難に寄り添う指導、子どもとともに描画し作品を完成させる指導等、指導の工夫が見られた。キミ子方式等の描画法を子どもの表現活動に生かすことは、画一的な作品や個性のない作品を生む可能性があるものの、子どもの実態に沿うことに重点を置いた計画的な指導案や体制づくりの工夫によって、作品に自由を与えること、子どもの感動や発見、満足感等を与える活動となることが分かった。このように、キミ子方式のよさを子どもの実情に合わせアレンジされた指導法によって、子どもの心に寄り添い満足感を与える絵画活動の実践が可能となる
Examinationoftrainingcontentbasedonthecurrentstateofcollaborationbetweenteachersandparentsofchildrenwithdisabilitiesoreducationalneeds:Focusingoneducationalgoalsettingandsupportimplementationstages.
本研究は、教師と障害等を有する子供の保護者の目標共有の状況ならびに、「学校から家庭」「家庭から学校」に導入されやすい支援内容を把握し、現状を踏まえ目標設定及び支援実施段階における連携・協働を促す研修内容を検討した。教育関係者74名対象に、質問紙調査を実施した。結果、目標の上位は対象者が相談を受けた行動問題の上位(規則正しい生活習慣、宿題の遂行や提出)に一致した。「学校から家庭」へ導入された支援内容の上位は、褒め方、適切な行動生起の手がかりであった。一方、「家庭から学校」へ導入された支援内容の上位は、声かけ、学習への取り組み方であった。以上を踏まえた研修内容として、専門的な技法を要さない内容や障害特性から生じる内容、学校と家庭が一貫した教育を行う意義説明、指導方法の意図の提示(以上、目標設定段階)、褒め方、学習への取り組み方、応用行動分析の技法紹介、学校と家庭で一貫した支援を行う重要性や必要性の説明(以上、支援実施段階)を指摘した