Niimi College Repository / 新見公立大学学術リポジトリ
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日本国内で出版された不登校に関する書籍のタイトルの分析にみる書籍の構成内容の傾向
これまで多くの不登校に関する書籍が出版されてきたが、どのようなテーマで語られてきたかを整理することは、今後の不登校問題対策を考える時に有益となろう。本稿では、書籍のタイトルを分析することで、テーマの傾向を探ることを目指した。不登校関連の書籍は、一般的な市販の書籍と、政府刊行物のような公的な書籍とに分かれるため、それぞれ分けて、テキストマイニングによって分析した。その結果、市販の書籍のタイトルには、前向きなイメージを持つ語句が選ばれていたり、今までとは異なる生き方をイメージさせる語句が積極的に使用されていたりすることがわかった。公的に出版された書籍では、不登校の子どもたちの実態を科学的に把握した上で対策を練り、その効果を検証しながら不登校対策のプログラムを開発していきたいという、生徒を指導する側の専門職としての立場で使用する語句が多いことがわかった。また、公的に出版された書籍が学校内での先生や、他の生徒たちとの人間関係に焦点が当てられているのに対し、市販されている書籍では、家庭や家族における人間関係を非常に意識して出版されていることもわかった。公的に出版される書籍は一般の読者は読まないことを考慮すると、専門職の読者も一般の読者も両方とも読む市販の書籍の中に、縦の人間関係と横の人間関係の両方について語った書籍が増えることが望まれる。それによって、不登校当事者にとって有益な情報が効率よく、そしてバランス良く世間に流布され、専門的な読者と一般的な読者の区別をすることなく、どちらにとっても有益な書物が増えていくことになると考えた
鹿児島県沖永良部島のシニグ・ウミリ伝承
琉球文化圏北部地域にはシヌグ系・ウンジャミ系祭事が伝えられているが、祭事の内容・呼称は地域ごとに差があり不分明な点が多い。沖永良部島には「シニグ」「ウミリ」という祭事があったが、シニグは明治三年を最後に中止され、ウミリは昭和末年頃に廃絶した。沖永良部島には北山王の子で世之主(?~一四一六頃没)と称される人物が島を統治し、世之主生誕時にはすでにシニグが行われていたという伝承がある。その伝承が正しいとした場合、シニグの成立は少なくとも北山時代の十四世紀半ば頃まで遡る可能性がある。「初シニグ」は士族の「男子」の子弟が行うことから、琉球文化圏北部地域のシヌグと共通している。西原のウミリは「女性」を主とする祭事であったらしく、国頭のウミリは「ネィリヤー」(ニライカナイ)の神々を見送る神事だと伝承されていることから、ウミリは琉球文化圏北部地域のウンジャミと同系の祭事とみられる。シヌグ系・ウンジャミ系祭事の分布域は、北山文化圏とほぼ重なっている。また、沖永良部島のシニグ祭りの成立が十四世紀半ば頃まで遡るとした場合、その頃は北山統治下で中山の力は及んでいない。これらのことから、沖永良部島の「シニグ」「ウミリ」は、シヌグ系・ウンジャミ系祭事であり、シヌグ系・ウンジャミ系祭事は北山文化圏を中心に行われた北山系祭事であった可能性が高いと推定して良いように思われる
楽器コーナーや子ども主体の合奏活動を阻害する要因 −保育者に対するインタビュー調査から−
自由で探索的な子どもと楽器とのかかわりや、子ども主体の合奏づくりは、子どもが音楽に自然に親しみ楽しむうえで有効な手立てとなりうる。しかし、保育現場ではこれらの取り組みが十分に実践されているとは言い難い。そこで本研究では、これらの取り組みを阻害する要因の解明への端緒を開くことを目的とした。現職の保育者2名を対象とし、モデルとなり得る楽器コーナーや子ども主体の合奏づくりの事例を提示したうえで、それらを阻害すると考えられる要因について半構造化インタビューを実施した。SCATを用いてデータの分析を行った結果、「楽器コーナーの設置を阻害する要因」として3点、「探索的な楽器活動を阻害する要因」として2点、「子ども主体の合奏活動を阻害する要因」として4点、計9点の阻害要因が抽出された。子ども主体の合奏づくり等の取り組みを促進するためには、管理職を対象とした研修や、養成校での授業内容の工夫等が求められる
A大学2022年度入学生の精神的健康度の経時的変化 −University Personality Inventory - 27 New Theory(UPI-27NT)を用いて−
本研究の目的は、大学生の精神的健康度を把握するために開発されたUniversity Personality Inventory - 27 New Theory(UPI-27NT)の得点を用いて、A大学の学生の精神的健康度の経時的変化を明らかにすることである。これまでの知見を基に2年生進学時の方がUPI-27NTの得点が高い、看護系学科のUPI-27NTの得点が高いという仮説を立て、2022年度入学生を対象に入学時と2年生進級時の精神的健康度の経時的変化について調査時期と所属学科を要因とする2要因混合計画の分散分析を行った。その結果、学科、実施年度および交互作用に有意差は認められず、どちらの仮説も支持されなかった。また先行研究と比べて要支援群が多く、メンタルヘルス不調群が少ないことが明らかになった。今後は精神的健康度に影響を及ぼす要因について考慮する必要があると考えられた
保育施設における障害の発生状況の特徴
本研究では,学校管理下で報告されている就学期前の子どもたちにおける障害の発生状況に関する自由記述をテキストマイニングにより分析し,その特徴を明らかにすることを目的とした。分析対象は,2016年から2020年に発行された『学校の管理下の災害』(日本スポーツ振興センター)第一編「障害編」にある「幼稚園・幼保連携型認定こども園・保育所等における障害の事例」の記述とした。抽出された語のうち,出現回数が多かった語は,「園庭」「保育室」「転倒」「友人」「左」であった。語の特徴を子どもの年齢別に検討すると,0-3歳では「保育士」,4-6歳では「転倒」が多くみられた。また,共起ネットワークでは,「転倒」と「友人」もしくは「他の児童」が関連していた。年齢別の共起ネットワークをみると,0-3歳児では,「保育士」「泣く」「行く」などと関連し,4-6歳児では「転倒」「走る」と関連していた。以上より,保育者は,子どもたちの障害の発生の特徴を踏まえながら,保育現場での事故防止に努めていくことが望まれる
An English Translation of the Divine Poems and Dialogues of Sakaki-mai and Sarudahiko-no-mai in Bichu Kagura
新見公立大学健康科学部地域福祉学科では、前身の新見公立短期大学地域福祉学科が1996年に開設以来、新見地域に伝わる地域文化である備中神楽を、短期大学時代には「地域文化演習」、4年制大学になってからは「地域文化実習」として授業科目の一部として取り入れ、地域の神楽社より非常勤講師を招き、学生に対して指導をしてもらっている。2020(令和2)年度から4年制大学としての「地域文化実習」が始まるにあたり、専任教員で英語を専門とする筆者が科目コーディネータとなった。2020(令和2)年度においては、新型コロナウイルス感染症感染拡大の懸念から、地域在住の外国出身者に対しては地域文化実習発表会の案内はできなかったが、同発表会は地域住民に対して学生たちが学んできたことを披露する場であるとともに、地域に住む外国出身者に日本文化を紹介するための機会ともなり得る。この度、本学の地域文化実習の非常勤講師であり備中神楽の唐松社の池田利文先生が文書化した演目ごとの神歌および口上1)について、池田先生から英語への翻訳の許可をいただき、ここに紹介する
小児看護学領域におけるシミュレーション教育からの学生の学び-4疾患の看護事例-
小児看護学実習の実施方法の示唆を得ることを目的に、シミュレーション教育における学生の学びを質的に分析した。【家族看護の視点をもつこと】【入院する子どもと家族との関わり方の気づき】【小児看護における情報収集・観察の特徴】【成長発達している子どもに必要な看護援助の特徴】が学びとして挙がった。シミュレーション教育では、学生自身が経験することで子どもや家族との関わり方、処置やケアにおける援助技術をより具体的に学ぶことができていた。一方、子どもの特徴や個性の把握など、臨床の場でしか得られない経験や感覚をどのように習得させるかが課題として挙がった。以上の結果から、小児看護学領域におけるシミュレーション教育は臨地実習の代替ではなく、学生の学びを深めていくための補完として考え積極的に取り入れていくべきであると考える