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第12 回日本聴覚障害学生高等教育支援シンポジウム実施報告
筑波技術大学に事務局をおく日本聴覚障害学生高等教育支援ネットワーク(PEPNet-Japan)は,聴覚障害学生支援に積極的に取り組んでいる23 の高等教育機関及び関連機関間のネットワークであり,支援に関わる情報発信と議論の場として,年1 回のシンポジウムを開催している。第12 回目を迎えた2016 年度は,障害者差別解消法が施行されて初めての開催であり,10 年ぶりに筑波技術大学を会場として開催する企画となった。本稿では,法律を背景とした今後の聴覚障害学生支援の在り方をテーマとした本シンポジウムの企画内容及び成果について報告する。departmental bulletin pape
聴覚障害学生の日本語に関する困難点の分析(2)~語彙ネットワークの緊密化に関して~
筑波技術大学における1年次必修科目「日本語表現法A」と「日本語表現法B」の中で,聴覚障害学生の日本語に関する困難点を,「語彙ネットワークの緊密化」に焦点をあててまとめた。降水確率の数値は雨の強弱を表すと解釈した学生が2割前後見られた。台風の予報円において「円の大きさは台風の強さを表す」と解釈した学生が少なくとも3割見られた。「菱形は台形と言えるか」「正方形は長方形と言えるか」などについて,定義が示されると正答率が高まったが,これらの文章問題に完全正答することとベン図が描けることは別物であった。「障害者が使える設備」や「火気厳禁」のピクトグラムについて,絵の具体的特性にとらわれ,対象者や行為の範囲を広げたり抽象度を高めたりすることが難しい例が相当数見られた。これらは,従来から指摘されている聴覚障害者の抽象的思考の困難さと関連すると思われた。departmental bulletin pape
「視覚は人間の情報入力の80%」説の来し方と行方
「人の情報入力は視覚から8 割と“ いわれる”。」,だから,「視覚を失うことはほとんどの情報のない世界に生きることになる」は妥当か。これらフレーズの出どころをたどろうとすると引用元が明記されていない場合が多い。広く語られることの多いこの視覚優位について,この言説の出処と科学的根拠をたどってみた。さらに,人口に膾炙したこの言葉がなぜその根拠についてあまり疑問にも付されず繰り返し引用され再生されてきたのか,そして,人間への情報入力の問題をどのように考えるべきなのかを考察する。departmental bulletin pape