The University of Nagano Repository / 長野県立大学リポジトリ
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保育者がとらえる3 歳児クラスの幼児の気になる行動―巡回相談記録の計量テキスト分析による検討―
本研究では、保育所への巡回相談で得られる相談記録を計量テキスト分析により解析し、その結果か ら保育者がとらえる3 歳児クラスの幼児の気になる行動を抽出・整理することを目的とした。相談記録 47例に含まれる345文についてKH Corder を用いた分析を行った。その結果、保育者は幼児の「他者 とのやり取り」や「集団活動への適応」への難しさおよび「(幼児)個人の身辺自立」や「育ちの特質」 の未熟さや異質性の2 点に注目する傾向が高いことが明らかになった。保育所保育指針では3歳以上の 保育におけるねらいを「個の成長と集団としての活動」の育ちとしているが、本研究の結果はその難し さを示すものであった。さらに、本研究の分析ではその難しさの具体的な内容も明らかになっている。 すなわち、計量テキスト分析によって得られた、幼児の気になる行動のトピックと内容は、保育者が幼 児に対して特別な配慮や支援を考え、実践する上での資料になると考えられた
官学連携による災害備蓄用クラッカーの再利用方法の検討
災害時においてライフラインや交通網が寸断されると市民の自助努力では食料提供が非常に難しい。そのため、災害発生初動期に迅速に利用できるよう、各公的施設などでは大量の備蓄物資を保管、貯蔵している。災害時の電気、水道、ガスなどを十分使用できない状況を想定してレシピ等を検討した。今回は長期保存できる煉羊羹や、乾燥マッシュポテトを利用した簡易な食事のほか、離乳食・嚥下障害の方向けにおかゆやお焼きを検討した
造形表現分野の授業における教授内容の提案―保育士試験の分析をとおして―
本稿の目的は、保育士試験「保育実習理論(造形表現分野)」の分析・考察をとおして、造形表現分 野の授業において教授する「標準的な知識と技能」を提案することである。本稿では、保育士試験で出 題される問題を、「発達過程」、「色彩理論」、「材料・用具」、「保育所保育指針」、「技法」、「イラスト問 題」、「児童文化財」、「作品鑑賞」、「デザイン」、「造形要素」の各テーマに分類し、カウントしてその重 要度を示した。さらに、その結果を考察し、造形表現分野の「標準的な知識と技能」を提案した。その 提案を端的にまとめた内容を以下のア)~エ)に示す。 ア)制作経験をとおして知識や技能を形成できる。イ)材料・用具・技法について保有する知識を造形的な場面で活用できる。ウ) 造形表現の発達過程を理解し、ア)・イ)に挙げる知識・技能を活用して、造形的な場面で必要な環境を構成できる。エ)保育所保育指針の内容を理解し、幼児造形活動のねらいや内容を設定できる
子どもを再考する―近代的子ども観の動揺のなかで―
子ども、あるいは子ども期という概念がPh. アリエス(Philippe Ariès)やN. ポストマン(Neil Postman)らによって相対化され、近代的子ども観という呼称が一般的になった。この相対性という言 説とともに、我が国においては1970年代以降のいわゆる子ども問題と相俟って、近代的子ども観の動 揺に関する戸惑いや懸念などが表明され、子ども学という学問領域に対する認知と期待も広まっている。 しかし、未だ動揺は解消されず、新たな“子ども” 及び“子ども-大人関係” を定位するには至ってい ない。 本稿では、まず、近代的子ども観の創出の意義とその後を辿りながら、子どもの意義が相対的なもの であることを改めて確認する。次に、今後の社会の在り方として我われにはどのような価値志向が選択 可能か、そしてその価値志向のもとで子どもの意義とそれに対応する教育をどのように捉え直すかにつ いて、一つの試論を述べる
自然/食/人間形成―安藤昌益の自然哲学を手がかりに―
食の諸問題などにみられるように、自然と人間との関係を再構築することが、今日喫緊の課題となっているが、それは人間形成(広義の教育)の領域においても同様である。また、この自然と人間との具体的かつ根源的な交渉形態の一つが「食」であるが、こうした自然・食・人間(形成)の関係をその思想圏に孕むものこそ、安藤昌益の自然哲学なのである。それによれば、自然とは「互性」、すなわち「〈他なるもの〉の相互内在性」を意味するが、本稿では、その時代的・文化的制約をふまえつつ、この「互性」概念をもとに、人間(自己)形成を促進する教育的行為の基盤となる〈教える者―学ぶ者〉という教育的関係のあり方について考察する。また、昌益自然哲学における鍵概念の一つである「食」にも着目し、自然と人間との互性関係の自覚をもたらすという食の人間形成的意義を明らかにすることも、本稿において試みる
絵本を用いた音楽創作活動により育まれる感性とその教育実践2―図形楽譜の有用性―
幼稚園教育要領では、「創造性」に関わる文言を見ることができる。しかし保育・教育者養成課程に 在籍する現役大学生において、創造的音楽学習経験のある学生は少ない。音楽科教育において指導のな される、鑑賞、演奏、創作という3つの音楽行為の中で、多くの大学生が創作に関する経験をしていな いことから、全ての音楽行為においてイメージをはたらかせることにより、豊かな音楽的感性が育まれ る。そしてイメージを基に音楽をつくる活動を,図形楽譜に表すことによる有用性や意義を明らかにする
演劇創作を通した他大学との表現ゼミ交流活動の実践的探究[研究ノート]
本研究の目的は、2018年8月に長野県立大学において開催された表現ゼミ間の交流活動である「遊 びのなかの演劇学習会2018 in 長野」の振り返りを通して、その意義と問題点を整理し、今後に向けた 課題を明らかにすることである。 朗読劇は自分以外に頼りになるものがない形式と考えたが、自分以外に頼りになる存在として、作品 の中で一緒に演じる他のメンバーも重要であることが示唆された。また、今まで知らなかった人と、目 標を共有し協働的に歩みを進めようとすることで、今までの自分にとっての当たり前の基準に揺らぎが もたらされたことが示唆された。そして、演劇表現の専門から言えば、他の表現分野の教員が同席する ことで、その差異に対する意識が強まることを実感した。運営や指導面での課題は多々あるが意義も見 いだせた。この振り返りを活かして、今後も継続したい