Atomi University Repository / 跡見学園女子大学機関リポジトリ
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トライアル・カウンセリングの「クライエント体験」報告とその考察
application/pdftext本稿では,まず大学院での臨床心理士養成のための教育の一環として課せられた5回限定のトライアル・カウンセリング(原則として外部の相談機関等における臨床心理士による有料のカウンセリングを受けること)の構造について述べた。次に毎セッションごとに,①面接前の心境②カウンセラーについて③自分自身の心の動きについて④面接後の心境を述べた。そして考察では,①クライエントの心理への理解②カウンセラーとのラポール形成③自己理解の促進の3つの観点から論じた。departmental bulletin pape
効果的なLINEカウンセリングとは ―カウンセラーの効果的な応答の検討―
application/pdftext本研究の目的は,実践されたLINEカウンセリングのメッセージデータを質的に分析し,効果的なLINEカウンセリングの要因を検討することであった。研究対象は,5回以上継続されたLINEカウンセリングのテキストデータとした。Cl満足度高群と低群に分類し,それぞれのテキストを共起ネットワーク分析にかけた。その分析から,得られた中心性の高い単語のKWICコンコーダンスを評定し,最終的に7種のアプローチに分類できた。その結果を,χ2検定にかけた。Clへの受容共感が少ないにもかかわらず,Coの考えや思ったことを伝えることが優先されると,Clの満足度が低くなるという示唆が得られた。さらに,カウンセリング的関わりとコンサルテーション的関わりという2つの観点で4件法評定した。この2つの変数を独立変数,Cl満足度を従属変数に重回帰分析を行った。その結果,コンサルテーション的関わりがCl満足度に負の影響を及ぼしていることが明らかとなった。LINEカウンセリングの場合も,コンサルテーション的関わりには留意する必要があると考察した。departmental bulletin pape
シェアド・リーダーシップ概念による“権力”の検討
application/pdftext2021年9月に開催された日本心理臨床学会第40回大会における自主シンポジウム「シェアド・リーダーシップ概念による“権力”の検討」をまとめた。話題提供1の金子は,シェアド・リーダーシップ(以下,ShL)概念の歴史と定義及び臨床心理学分野におけるShLについて整理し,リーダーシップの分散のみならず,民主的・相互的・創出的な特徴を明示した。話題提供2の板東は,事例検討会(以下,A会)の運営を担うコアメンバーの仕組みを紹介した。ShL概念を通して,「知」がもつ権力性に対して自由闊達な議論を守り促進する方法論について検討した。話題提供3の髙松は,A会リーダーの立場から見たShLについて検討し,①スタッフは,場の責任は自らにあると意識して臨むこと,②対象者が自由かつ自律的に振る舞う場の提供,③リーダー自身が自由に振る舞えること,等を指摘した。話題提供4の下田は非構成的エンカウンター・グループの事例を提示した。リーダーがグループを信頼し,できるだけ自分自身で居ようとすることで,グループの実現傾向が促進されてShLが創出されると考察した。指定討論1の本山は責任と自由に関する議論からグループにおける権力を論じ,「中動態」概念を通して,リーダーとメンバーの相互作用からShLは実現されると指摘した。指定討論2の野島は,4つの話題提供を受け,当該グループの目的,リーダーやメンバーがもつ責任,「権力」の他者への影響性という視点から包括的なコメントをした。departmental bulletin pape
恋人の存在が成功回避動機に及ぼす影響の検討 ─中学・高校生を対象に─
application/pdftext本研究の目的は,青年期前期での「成功回避」がどのように現れるかの検討と性差についての検討であった。調査対象者はX中学校・高等学校計73名(中学校:男子20名,女子21名,高等学校:男子21名,女子11名)である。質問紙は,作成した未完成の刺激文(「昇進・転勤」と「恋人の存在」という条件を含む)が記載されている。刺激文において恋人の存在が記述されていないものを「恋人無し群」,記述されているものを「恋人有り群」とし,それぞれ男子版と女子版の4種類を作成した。調査対象者は未完成の刺激文を読んで,物語を完成させる。その完成した物語を「成功回避をしている」,「成功回避をしていない」,「どちらともいえない」の3群に評定分類した。その評定結果をχ2検定により検討した。恋人無しの条件では,10%水準で有意傾向にあるものの,女子の方が成功回避をし,男子の方が成功回避をしていない傾向があることが明らかとなった。恋人有りの条件では,成功回避の有無,性差ともに有意ではなかった。以上の結果を鑑み,共学・進学校の条件について考察した。departmental bulletin pape
大学生の進路選択における自己効力感と不安の関連
application/pdftext本研究では,大学生の進路選択における不安を,自己効力感の情報源の1つである生理的・情動的喚起として扱い,自己効力感と不安の関連について明らかにすることを主な目的とした。調査対象者は4年制大学に所属する大学生130名であり,進路選択行動変容ステージ,自己効力感,および就職不安についてWeb アンケート方式にて実施してもらった。その結果,進路選択行動変容ステージの進行,すなわち進路選択行動への動機づけや行動頻度が高まるにつれて,自己効力感は向上し,同時に不安が低減していくことが明らかとなった。しかしながら,行動変容ステージにおける3段階目の,30日以内に進路選択行動を開始する意図があるという段階を示す準備ステージでは,一時的にその傾向が反転するという,他の行動とは特異的な点がみられた。また,就職活動そのものに関する不安と比較して,選択すべき職業への適性に関する不安の方が,自己効力感をより強く阻害する可能性が考えられた。さらに,進路選択やキャリアに伴う不安は,就職活動が終了すれば消失するものではなく,就職が決まった後もその決定が正しかったのか思い悩むなど,長期にわたり継続するものであることが示唆されており,本研究においても就職不安におけるそのような特質が反映された結果となった。departmental bulletin pape
消費者の事例とシナリオによる意思決定:他者が介在するシナリオに注目して
application/pdftext消費者は、製品・サービスの意思決定を必ずしも単独で行っているわけではなく、他者の影響を受けながら行うこともある。これまでマーケティングでは、消費者は製品・サービスの意思決定を多属性意思決定に基づいて行うと考えられ、これに他者が介在することによる影響を組み入れるように改良されてきた。しかし、新しい消費者意思決定として提案された事例ベース意思決定では、他者が介在することによる影響は考慮されていない。そこで本研究では、消費者の事例とシナリオによる意思決定に関する基礎的研究として、他者が介在するどのようなシナリオによって事例ベース意思決定がどう変更されるのかを検証した。
他者が介在するシナリオは、単独消費か共同消費か、さらにそれぞれについて不確実性が高いか低いかという状況を考慮した「相対的にリスクが大きい単独消費」、「相対的にリスクが小さい単独消費」、「関係性の強い他者との共同消費」、「関係性の弱い他者との共同消費」とし、新作映画を対象とした消費者実験を行なった。映画の視聴意図、各シナリオのもとでの映画の視聴意図について定式化した多属性意思決定モデルと事例ベース意思決定モデルを推定した結果、映画の視聴意図自体は事例ベース意思決定で説明できるが、「一人で自宅でみるとしたら」という相対的にリスクが低い単独消費の場合には多属性意思決定の方が説明力が高いことがわかった。さらに、「配偶者や恋人、友人と映画館でみるとしたら」という関係性の強い他者と共同消費する場合には事例ベース意思決定で説明でき、かつ参照する事例として類似する経験のみならず過去に満足した経験も用いることがわかった。このように、評価に用いる情報が共通であっても、他者が介在するシナリオが異なるだけで意思決定の方法自体や評価に用いる判断材料が異なることが明らかにされた。departmental bulletin pape
Creating a Community of Practice in an EFL Classroom: Oral Presentation Activities
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「臨床心理系大学教員」の仕事
application/pdftext「臨床心理系大学教員」としての43年間における,5つの仕事(1.研究,2.教育,3.臨床,4.学内業務,5.社会貢献)について振り返り,多くの様々なクライエント,患者,メンバーとの出会い,いろいろな関係者との出会いがあったことを嬉しく思い,感謝していることを述べた。そして,今後もずっと心理臨床家の道を現役で歩んでいきたいということを述べた。departmental bulletin pape
少数株主の株主総会招集許可申請にかかわる一考察
application/pdftext少数株主の株主総会招集については、条文上明確ではない部分が多く、その多くが解釈に委ねられている。とくに、株主総会招集の許可申請については、権利濫用の適用の可否や許可申請の利益について争われる場合について様々な議論がなされてきた。しかし、敵対的買収などが多く行われている現在、株主総会の招集は立法趣旨とは異なる利用も増加しており、そのようなことも考慮したうえでの考察も重要となってきた。とくに、少数株主権の株主総会招集許可申請については、再考すべき点が多い。そこで、制度趣旨および従前の学説判例を概観したうえで、主に以下の二点につき検討した。第一に権利濫用の適用については、決議の可能性にとらわれずに、限定的に適用すべきである。第二に少数株主が裁判所に株主総会招集許可申請をした後に会社側が招集の手続きを行い、かつ会社の招集した株主総会の会日が法定期間を過ぎている場合の招集許可申請の利益について、現在の通説は原則容認説であるが、筆者は画一的認容説を支持する。departmental bulletin pape