Sakushin University Academic Repository / 作新学院大学学術機関リポジトリ
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Ethnography for “creating a place to belong” in clinical psychology ―A study from an ecological perspective―
東畑開人(2024)は、相談室の中で所定の心理療法等の展開に止まることなく、利用者にとって「『居場所』を作ったりするほうが現場では中心的課題となることも少なからずある」とする。その関連として臨床体験によるエスノグラフィーから以下3 つの事例を紹介する。(事例1)職業準備訓練にて「就労を目指す」というリアリティある実践、(事例2)スクールカウンセラー拠点校から対象校である小学校2 校への展開、(事例3)心理職養成大学院での大学という人的・物的環境の影響、である。
U.Bronfenbrenner(1979)による生態学的発達論では人の発達をめぐり相談室内に止まらず、日常でのミクロシステムからエクソ、メゾ・マクロなシステム等での多様な相互性を重視する。(事例1)の訓練場面、(事例2)の校舎で教室・玄関口等、(事例3)の場合は大学構内での実施等に着目した。前述の個別相談室と周辺空間との行き来の中で、Bronfenbrenner が指摘する各システムによる日々の体験が投影されている。本報告では「居場所」をそれら各システムが投影される場所と捉える。また「作る」とはクライエント個々の最大可能性に活かすそのシステムへの見立てと実践とする。
同じく生態学的知見のよるJ.J.Gibson(1979)のアフォーダンスによれば、3事例それぞれの環境側にクライエント個々の最大可能性に資する情報が潜在し、セラピストによる働きかけに対して環境側からクライエントに資する情報が提供されることになる。なおその最大限の可能性を追求する過程は自ずとヒューリスティックとなる
A report on the nature experience programs for mentally retarded children and adults ―A case study from Ichikai-machi, Hagagun, Tochigi Prefecture, Japan―
近年、知的障がい児者の発達支援において自然体験活動の重要性が注目されている。自然体験は、感覚刺激を豊かにし身体および精神の発達を促進するとともに、自己肯定感の向上や社会性の育成にも寄与すると考えられている。一方、知的障がい児者を対象とした自然体験活動の実施には支援方法や活動内容の工夫など様々な課題が伴い、自然体験活動を実践した事例報告は限られている。そこで本研究は、栃木県芳賀郡市貝町のサシバの里自然学校において実施された知的障がい児者を対象とした自然体験プログラムの活動内容を報告し、福祉分野における自然体験活動の発展に寄与することを目的とした。
本活動には、運営スタッフとして自然学校の講師およびスタッフ、学習サポーターおよびコーディネーターとして保育者養成校の学生および教員が参加した。知的障がいのある参加者は、学習サポーターとともに小川や田んぼでの生きもの探しや飼育動物との触れ合いを体験した。活動後にアンケート調査を実施した結果、本活動は知的障がいのある参加者とその家族にとって自然環境や動植物への理解を深める機会となったとともに、社会的つながりの構築に寄与したことが明らかとなった。また、学習サポーターにとっては、実践的な支援技術を学ぶ場として機能していた。一方、野外活動時における障がい児者への個別対応の難しさや人材不足が今後の課題として挙げられた。障がい児者への自然体験活動を実施するためには関係機関の連携が必要であり、これらは今後の課題といえよう