Wakayama University Academic Repository
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Multiple World of Literature Told by a First-person Narrator : Reality, Reflexivitiy and Otherness in Yoko Ogawa’s the Embroidering Girl
本研究の目的は、一人称の語り手が語る文学作品世界の臨場性・省察性・他者性を読者が俯瞰的・構造的・重層的に読み解くことの意義を明らかにすることにある。一人称の語り手「僕」が語る『刺繍する少女』は、当事者として出来事当時の感情が語られる世界、その出来事を語る現在において省察した世界、そして、語り手が語り得ていないながらも、ことばの仕組みから立ち上がる語り手の語りを超える世界、の三層によって作品世界が構成されている。そして、その作品世界の重層性を読み合わせると、「僕」と「彼女」と「母」と、登場人物それぞれの思いが交わることなく相互疎外状況にある世界が浮かび上がってくる。『刺繍する少女』は、一人称の語り手の恋愛経験を追想する作品ではなく、その恋愛経験から、登場人物同士の思いがすれ違っていく世界を描き出した作品と読めてくる。こうした文学作品の読みの研究は、読みの多様性ではなく、読みの拡張性を拓く研究として位置づけられる
Cultural tourism in extraordinary times: Hobart's 2021 Dark Mofo festival, COVID-19, and Australia's state human bio-security regimes
Lifestyle sports and public education in Japan:Exploring new collectivisms, contested identities and community connections in Aoshima Junior High’s Surfing Bukatsu
Practical report of a new teacher-training-course subject ‘Teaching Method of Time for Integrated Learning’ : lesson content and questionnaire results
教育職員免許法の改正に伴い、教職課程新科目「総合的な学習の時間の指導法」が2021 度から本学でも開講された。教職課程コアカリキュラムに示された全体目標の達成を目指し、学部段階で学生の資質・能力をいかに身に付けさせることができるか、試行錯誤を繰り返しながら授業を運営した。体験的・協働的・探究的・能動的・実践的な授業とするために担当教員が工夫を重ねて実施した活動や授業内容を具体的にまとめた。受講生による授業評価アンケートから「新しい知識・考え方・スキル等が修得できた」といった成果が見える一方、受講生自身による省察の必要性等の課題が浮き上がった。授業の詳細については、貴志(2021)「教職新科目『総合的な学習の時間の指導法』の実践(2)―受講者の体験をもとにした教材化を通して」を参照のこと
Report on the practice of Japanese language lessons by One-to-One tablet device use( GIGA School)
令和3年4月からの1人1台端末の環境は従来の授業づくりに大きな変革をもたらした。この変革に対応した教育の質向上には、教師の学び続ける姿勢が大切である。本稿では、「言語活動を通して資質・能力の育成を目指す」という国語科の視点からいかにICT を手立てとして利活用すれば教育の質向上につながるのかを探った。小学校高学年の教材を取り上げ実践したところ、特に「自分の考えを深める場面」や「考えを表現・共有する場面」で有効性が見られた
Development of science classes for improving skills in experimental operation : a comparison of using Rubrics and video materials
生徒が皆、実験操作技能を向上させるために、ルーブリックや動画教材を用いることは、効果的な方略のひとつである。本研究では、それらの方略が生徒各人にとってどのような特徴ある効果となっているのかという点に注目し、具体的にはルーブリックは意欲に対して、動画教材は知識に対して効果的に働くのではないかと仮説を立てた。そしてルーブリックを用いるクラスと、動画教材を用いるクラスに分け、検証授業を行った。振りかえりシートの分析や数日後の確認問題の正答率を比較することで、比較を行った。検証授業において、ルーブリックを用いたクラスは、動画教材を用いたクラスよりも振りかえりシートにおいて意欲的な側面で効果がある傾向が見られた。また、動画教材を用いたクラスは、ルーブリックを用いたクラスよりも知識の側面を意識しやすいという傾向が見られた
Various teaching method of moral education lessons on the lower grade students of elementary school
道徳科の授業において自分の生活や自己の生き方に向き合うためには、教材の特徴による指導方法の工夫が鍵となるのではないかと考える。本稿では、令和元年から2 年間の小学校1 年生の11 の実践例により、教材の特徴による3 つの指導方法の有効性を取り上げる。一つ目は、登場人物に自我関与しやすい教材では、道徳的行為に関する体験的な学習を教材の話し合いや生活を振り返るときに入れること。二つ目は、日常生活を扱った教材では、教材を土台に問題解決的な学習の中に役割演技や動作化も取り入れ自分の生活と結び付けること。三つ目は、「生命の尊さ」や「個性の伸長」などの内容項目を扱う教材では、展開前段で教材を扱い、展開後段で道徳的行為に関する体験的な学習を入れることである
Effects of Card-Based Learning tool “Etomi”
現在中学校数学における課題として、生徒の数学への関心・興味が低いことと論理的に理由付けて説明する力が不足していることが、国内外の調査から明らかになっている。この課題を解決するために、著者が開発したカード型学習教材「エトミー」を用いた授業実践を複数の中学校の協力を得て実施した。本論文は、この教材を利用した授業実践の結果、複数の条件から必要なものを取捨選択して問題を解決する力や反例を用いて常に成り立たないことを説明する力の習得に一定の効果があることを示すと共に、授業後のアンケートの結果等から、教材を通して数学に対する関心・意欲の向上や数学的な思考力の獲得に有効であることを示唆するものである。前号(『和歌山大学教職大学院紀要 : 学校教育実践研究』6号)掲載論文の修正
Practice and Evaluation on Disaster Preparedness Lesson in Junior High School Home Economics Education Considering for Cross-Curricular Contents
これまでの中学校家庭科における「防災」授業は、「住生活」を中心に取り組まれることが多かった。しかし、災害時には生活全般にわたる問題が生じ、それらの困難を乗り越える力を必要とする。災害への意識を高め、防災を自分事と考えて行動できる力をつけるために、本研究では、「衣食住の生活」と「家族・家庭生活」の内容を横断的に扱う「防災」授業を構想し、実感を伴う学習指導として写真や資料等の活用と課題解決学習における適切な課題設定を工夫し、実践した。さらに、学習内容や自分の考えをハンドブックにまとめ、授業後も家庭で活用できるようにした。その結果、生徒の防災に対する意識の高まりや、学んだ知識を生活に生かす姿が見られた。また、ハンドブックの活用により家族と一緒に防災を考えるきっかけにもなった