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    昆虫細胞におけるN-結合型糖鎖プロファイリングに関する研究

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    京都工芸繊維大学博士(学術)昆虫細胞-バキュロウイルス発現系を用いて、異種細胞に同一の糖タンパク質をコードする遺伝子を発現させ、産生されたタンパク質のN-結合型糖鎖プロファイルを調べた。昆虫細胞はヨトウガ由来のSf21とカイコ由来のBmN細胞を、バキュロウイルスは宿主拡張型ハイブリッド核多角体病ウイルスHyNPVを用いた。Sf21とBmNでは糖鎖プロファイルに明らかな相違が見られ、昆虫種によって糖鎖プロセシングが異なる可能性が示唆された

    Enzymatic Treatment and Characterization on Wool Fiber Cuticle

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    京都工芸繊維大学博士(学術)Eco-friendly enzymatic treatment using keratinase is expected to degrade wool surface cuticle instead of traditional chloride treatment The study examined a keratinase from Meiothermus ruber H328 (Keratinase H328) on degrading wool keratin of cuticle. The optimum treatment condition of Keratinase H328 such as incubation time and enzyme concentration was found for wool sliver, yarn and fabric. A subsequent Proteinase K treatment was conducted to enhance the degradation of Keratinase H328 pretreated wool. Due to the hydrophilization of wool surface after removing cuticle with lipid layer, a method was introduced to resume the hydrophobic surface for wool fabric. The wool samples after various treatments were characterized by physicochemical method, KES-F surface, mechanical and thermal tests. Results showed Keratinase H328 eroded wool scale slightly and did little change on wool’s mechanical properties. Keratinase H328 mixture rather than Proteinase K can degrade the disulfide bonds in wool keratin. Combined Kerainase H328-Proteinase K treatment more considerably damaged wool cuticle than pure keratinase or protease treatment. An obvious increase of moisture regain was observed in enzyme treated sample, while maximum increase was found in combined enzymatic treatment, which could relate to the degree of damage on fiber surface. Larger qmax (the maximum heat flux) values were achieved in samples with higher moisture regain, suggesting the qmax is potential to characterize the enzymatic treatment. Furthermore, qmax was verified to relate the fabric surface properties such as surface roughness and fuzz. Besides, the grafting of poly (acrylic acid) and dodecyl amine transferred the hydrophilicity of scale-damaged wool surface into hydrophobicity. This study introduces a specific enzymatic treatment on wool using keratinase, a damage repair method and their characterization. It will support the mechanistic study of keratinase activity, and process improvement of keratinase treatment to minimize the harsh hard, stimuli perception of prickle and itch, and shrinking

    c-FRTP成形用中間材料を用いたハイブリット成形の成形条件が力学的特性に及ぼす影響

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    京都工芸繊維大学博士(学術)連続繊維強化熱可塑性複合材料(c-FRTP)は,比強度,比剛性に優れた複合材料で有り,かつリサイクル性,二次加工性等を有しているため,今後の利用の拡大が期待されている.しかし強化形態が連続繊維で有るため,複雑形状への適用が難しい.一方,不連続繊維強化熱可塑性複合材料は良好な加工性を持ち,ハイサイクル成形が可能であり,複雑な形状に成形することも容易であるが,力学的特性はc-FRTPに大きく劣る.そこで,連続繊維と不連続繊維の複合材料の互いの長所(優れた力学的特性,短時間で複雑形状の成形が可能,等)を活かす事のできるハイブリッド成形法が開発されている.その中で,シート状のc-FRTP中間材料のプレス成形と不連続繊維強化樹脂による射出成形を組み合わせたハイブリッド成形法は,c-FRTPと不連続繊維射出樹脂が同一金型内で一体成形され,短時間で最終的な製品形状を得ることができるため特に注目されている.しかし,このハイブリッド成形品の力学的特性を左右すると考えられるc-FRTPと射出樹脂の界面特性や,表面性状等の成形品質に大きな影響を及ぼすと考えられる成形システムや成形条件に関しては十分に検討されていないのが現状である. そこで本研究では,c-FRTPの予備加熱方法,予備加熱時間,搬送手法やプレス成形条件,ならびに射出成形における射出樹脂温度や圧力などの成形条件の違いが,ハイブリッド成形における成形品の力学的特性や表面性状に及ぼす影響について明らかにするとともに,ハイブリッド成形に最適な設備仕様を提案することを目的とした.さらに,完全含浸タイプのc-FRTPプリプレグ材が高コストであることや,曲面への賦形性が良くないことから,賦形性を有するシート状の半含浸中間材料を用いたハイブリッド成形について検討を行い,それら中間材料を用いたハイブリッド成形における最適成形条件について検討を行った

    寺山修司《書を捨てよ、町へ出よう》・映画における音楽の機能

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    本論は、寺山修司の映画作品《書を捨てよ、町へ出よう》(1971年)を手掛かりに、映画における音楽の機能を考えようとする試みである。まず寺山の基本志向を、美的経験の主体と客体の関係ならびにプロットの脱構築の二点に見定めた上で、この映画の非連続性もしくはまとまりのなさを摘出する。だがこうしたドラマトゥルギー上の弱さが、寺山自身の意図したところであることを、最初に配られた台本とその書き換えの痕跡を辿ることなどによって、明らかにする。さらに音楽と緊密に結びついたシーンがこの映画に基本的なプロットを切断するかたちで挿入されていることを四つのケースをもって確認した上で、この映画における音楽の機能を、不可避的に生成してしまうプロットへの抵抗に見出そうと試みた。最終章において本論は、こうした映画における音楽の機能を、ジークフリート・クラカウアー『映画の理論』の助けを借り、アリストテレスが『詩学』で音楽において割り振った悲劇創作上の位置に抗して、プロット以前の場所への通路を開くものとして、解釈した。京都工芸繊維大学 学術報告書,第10巻,2017.11,pp.1-2

    Study of Paper-tube Properties

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    京都工芸繊維大学博士(学術)本論文は、紙管の製造における技術の継承に関する研究と、紙管の主材料である板紙の特性と紙管の物性との関係、および紙管の破壊の研究が、主たる内容である。目的としては、どのような物性を持つ板紙が、紙管の強度に寄与できるかという事を探ることで、最適な紙管用の原紙を作成することと、紙管のどの部分にどのような物性を持った板紙を使用することで強度アップにつながるかを研究することである

    ヒトの透明視清澄感に関する心理学的研究

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    京都工芸繊維大学博士(学術)ヒトの透明視研究は,20世紀初頭Fuchsによって発見された錯視に関する現象学的検討に端を発し,その後,多くの実験手法の充実と精神物理学・生理学・心理学の横断的観点から『透明視の生起条件は何か』という研究が展開されてきた.本研究では,先ず,透明視及びその清澄感に関わる心理学的過程を解明するための基礎資料として,無彩色刺激に対する透明視に関わる現象を,統一的に記述可能な指標を明らかにした.次に,有彩色刺激について,反対色過程を対象にその出力と透明視清澄感との関係について解析を行った.そして,本研究及び先行研究の成果に基づいて透明視及び清澄感・濁り感に関与するヒトの情報処理過程に関する概念的な枠組みを提案した. 第1章では,まず透明視研究の展開を4つの段階に分けて概観した.第1は,透明視現象の発見に始まり錯視としての見えの特徴を捉える段階,第2は,光強度特性から透明視を理解する段階. 第3は,光学要素と知覚要素を結びつける段階,そして,第4は,視覚情報処理過程の観点から透明視を理解しようとする段階である.このような研究の展開を明らかにすると共に本研究の位置づけと目的を述べた. 第2章では,無彩色重なり図形を用いて,透明視清澄感に対する明るさ要因,図形要因,教示要因の効果を検討した.重なり図形の清澄感には,明るさ要因が大きく影響したが,図形の背景部分と重なり部分の間に見られる明るさの「跳び越し対比」効果が大であると考えられた.また,面積も要因の一つであり,面積が大きい場合に対し,面積が小さい領域は図的性質を帯び,図-地関係を示す大小図形間での対比効果は大きくなった.二図形の図地ともに面積が小さい横長長方形ではさらに清澄感が強調された.これらの結果から,白,黒の背景輝度に近い小長方形の透明視面では,高い清澄感が得られる傾向にあった.さらに,重なり図形の上下関係の知覚も要因の一つであり,この知覚の安定化に教示が大きく影響すると考えられた. 第3章では,透明視のうち清澄感を伴うものと,濁り感の2種類が透明視面の重なり部分・非重なり部分,及び背景の輝度条件にどのように依存するかを検討した.実験では,3つの背景条件(白・黒・淡灰背景)毎に重なり部分の輝度(実験3-1),および非重なり部分の輝度(実験3-2)を変化させ,被験者に「非常に澄んでいる」から「非常に濁っている」までの範囲で評価を求めた.その結果,実験3-2の淡灰背景条件以外では,重なり部分と非重なり部分との輝度差分が大きいほど,そして,非重なり部分と背景との輝度差分が小さいほど,濁り感が減少し清澄感が増すことが示された.これらの結果は, 2つの輝度差分の比と背景輝度により統一的に記述可能であることが示唆された. 第4章では,色彩情報処理の初期過程である反対色過程における色情報と輝度情報が清澄感に及ぼす影響について検討した.実験(4-3)では,有彩色と無彩色の重なり図形の清澄感を,有彩色図形の色度と輝度を変数としてマッチング法により測定した.有彩色図形については,DKL空間の(L-M)軸,S軸上に各々の色対を設定し対内の2色の色信号強度は等しくした.その結果,色信号強度レベルと輝度が変化しても対内の色に対する清澄感は等しくなった.また,輝度を低下させると清澄感は高くなった.さらに,清澄感は輝度情報のみの無彩色領域で高い傾向を示し,色情報が加わると急速に低下することが示唆された. 第5章では,本研究及び先行研究の成果に基づいて透明視及び清澄感・濁り感に関与するヒトの情報処理過程に関する概念的な枠組みを提案する.第3章では,透明視成立時における「清澄感/濁り感」評価は,刺激の「輝度差分比」と背景輝度によって統一的に記述可能であり,また,同じ刺激条件下での透明視面の「色味量」評価に関しても同様に,「輝度差分比」の関数として記述可能であることが示された.この透明視の「清澄感/濁り感」に関わる「輝度差分比」が,視覚情報処理過程のどの段階で処理されるかを検討することを目的に透明視に関する処理過程について7段階からなる枠組みを提案した.これらの段階は,「局所的明るさ・色変化情報の抽出」,「エッジ・方位情報の抽出」,「局所的面の形成」,「局所的面の統合」,「透明視面の生成」,「輝度差分比の抽出」及び「清澄感/濁り感の生成」であり,各段階における処理内容,情報表現とそれらに対応すると考えられる神経生理的過程について述べた.従って,第3章の「清澄感・濁り感」評価,またその「色味量」評価は輝度差分比の関数であり,情報処理過程の中では色味量を手掛かりに「清澄感・濁り感」が評価されることが推測された.従来の研究では,「透明視面の生成」における透明視成立生起比率や奥行き順位つけ等に関して検討が行われてきたが,今回の枠組みでは透明視成立後の面の知覚的属性に関する段階に枠組みを広げたことに意義が有ると言える.今回の枠組みが正しいか否かは,批判を受けるところであるが,今後の透明視研究を進める上で基礎となる概念的基盤を提供するものである. 第6章では,本研究の成果をまとめ今後の課題について述べることで結論とした

    The cell biological studies on roles of disease-related genes Sponge, Zizimin and fat during Drosophila development

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    京都工芸繊維大学博士(学術

    学習環境及び学習方法の問題解決能力形成への影響に関する研究

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    京都工芸繊維大学博士(学術)学習者にとって、学習しやすい快適な学習環境と学力向上に効果的な学習方略を検討することは、学力向上を実現するために必要不可欠である。 そこで本研究では、学習環境について、学習者(小学生・中学生・高校生)が成績向上を実現するために、長時間学習できる快適な学習空間として有効な壁面素材を検討することとし、室内における壁面素材を様々な素材に変化させることで学習者の学習時における印象や学習効果に与える影響ついて、検証実験を行った。 壁面素材として注目したのが、消臭効果・調湿効果・電磁波遮断効果などを持つ竹炭である。竹炭は、様々な効果を持つため,環境、医療など様々な分野において使用されており、その竹炭を含有した竹炭形成パネルや竹炭板紙を用いた室内空間を学習者が学習する室内で使用した場合、竹炭の様々な効果から学習する際に学習しやすい快適な学習空間になるのではないかと考え、学習者の多くが通塾している学習塾の自習室の壁面(天井を除く)を囲み、学習者が学習をした際における成績の推移や印象評価、また脳波測定を行い、竹炭のある環境が学習に与える影響について検証を試みた。 次に、学習方略について、人間が情報処理を行う際の認知過程に着目した。その中で、全ての学習者にとって、容易でストレスなく実践可能な学習方略が必要であると考え、学習者が学習する際に使用する筆記用具である蛍光マーカーペンに焦点を当てた。学習者は与えられた問題を解くが、問題文中の重要箇所を見抜き認知することは、問題を解くために必要なことであり、正答を導くことができるか否かの最も重要な過程であると考える。 つまり、蛍光マーカーペンでマーキングをすることによる学習方略が,重要箇所を見抜き、認知させるために大きく貢献するのではないかと考え、本論文では、一般的に文字を目立たせることを目的に使用される蛍光マーカーペンが、学習時に与える影響を明らかにすることを目的とし、小学生、中学生を対象に蛍光マーカーペンでのマーキングを用いた学習方法における正答率や記憶量に対する影響を検証した。また、蛍光マーカーペンでマーキングをすることによる学習効果に影響を与える要因として、マーキングをするという作業をすることが,重要語句やキーワードに対する視線停留時間や視線移動回数に影響を与えるのではないかと考え、重要箇所への視線停留時間及び問題解答時における視線移動回数などの分析を行った。さらに,現在,学習者の学習時における視線の動きについて、ストレスなく容易に計測するための評価システムはほとんどない。そこで、視線停留時間や視線移動回数などを計測できる視線移動システムの開発も目的とし、システムの構築を行った

    Microbial Fuel Cell Equipped with Iron-plated Carbon Felt for Anode Using Shewanella oneidensis MR-1

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    京都工芸繊維大学博士(工学)The purpose of this study is development of Microbial fuel cells (MFC) using Shewanella oneidensis MR-1. Carbon felt suite material for anode of MFC, because it has large surface area and high electric conductivity. While Shewanella oneidensis MR-1 is well known microorganism which generate electricity and is used for MFCs frequently. Then the development in this study is focused on the effective anode, which accept electron form the cell, of MFCs using S. oneidensis MR-1. In chapter 1, the principle of MFC which using a metabolism of microorganism generating electron along with degradation of organic substrate. And the thesis mention about the advantage of MFC compared with thermal power generation for it has the limitation of Carnot cycle while MFC has not such limitation for convert the chemical bond energy of organic substrate to electric energy. In chapter 2, electroplating was performed on carbon fiber of anode, and the surfaces were analyzed by X-ray photoelectron spectroscopy and X-ray diffraction analysis. In the result, the peaks corresponded to those of Fe2O3. The amount of biofilm of Shewanella oneidensis MR-1 was evaluated using crystal violet staining, and living bacteria were counted as colony forming units to prove the effect of iron-plating. In chapter 3, starch-fueled microbial fuel cells by two-step and parallel fermentation using S. oneidensis MR-1 and Streptococcus bovis 148 was described. In electric generation by two-step fermentation (EGT) method, starch was first converted to lactic acid by S. bovis 148 then the fermented broth was conducted to electricity generation by S. oneidensis MR-1. Another method was electric generation by parallel fermentation (EGP) method. In this method, the cultivation and subsequent fermentation processes of S. bovis 148 and S. oneidensis MR-1 were performed simultaneously. In chapter 4, effect of iron-plate onto carbon-felt anode to electric generation of microbial fuel cells using S. oneidensis MR-1 was described. The iron-plated carbon felt was applied to anode of MFC. In chapter 5, general review and future perspective were described

    認知症介護におけるレクリエーションデザイン方法論の研究

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    京都工芸繊維大学博士(学術)介護保険サービスの一つである地域密着型、認知症対応型共同生活介護(認知症高齢者グループホーム)は小人数(5人~9人)の家庭的な雰囲気の中で、出来うる限り自立した生活が送れるようになることを目指すものである。認知症高齢者グループホームでは認知症に特化して様々な仕掛けを駆使し「認知症」の人ではなく、認知症の「人」として自分らしく笑顔ある毎日を送って頂くことを目的とする。認知症高齢者の介護の困難や負担の大きさから、認知症高齢者グループホームの需要は今後ますます大きくなることが予想される。他の介護保険事業所においては、デイサービスを始めとする通所介護、宿泊を伴うショートステイ、特別養護老人ホーム、老人介護保険施設などの入所施設においても認知症高齢者への質の高い介護の提供が急務である。 そこで本研究では、人が人として尊重しあうという倫理的な考え、及び認知症高齢者のスピリチュアルペインをケアするパーソンセンタードケアという考えに基づき、介護施設でのQOLを向上させると共に、介護スタッフの職務満足度も向上することの出来るレクリエーションをデザインする方法論の確立を目的とした実証研究を行った。 本論文は第1章緒論から第7章結論までの7部構成である。第2章では本研究の基盤として、認知症の方の何をどうケアするのかを明らかにした上で認知症に対する援助モデルの構築を行い、第3章以降で構築した援助モデルの有用性を検証した。 第3章では、「お茶のおけいこ」の認知症介護への活用により、他者との関係性の喪失に関わる苦しみをケアする方法を検証した。認知症の入居者の方を対象に入居者の心理的な状態を“おけいこ前”、“おけいこ中”、“おけいこ後”でGBS尺度を用いて感情面の評価やおけいこ中の発話記録の分析を行った。その結果、GBS尺度の高い、すなわち周辺症状の重い利用者は、おけいこ中に著しい改善がみられる傾向にあった。この結果から、「お茶のおけいこ」を通して人が交流し、互いを理解することで、第2章で示す援助モデルでの関係存在の危機、すなわち他者との関係を失うという不安をケアすることができたと考えられる。 第4章では、「おはなのおけいこ」について、介護スタッフ、グループホームの入居者の方とその家族が一丸となって取り組むための仕掛けづくりにより、認知症の方の自律存在の危機に関わる苦しみをケアする方法を検証した。結果として「お茶のおけいこ」と同様な効果が得られた。この結果より、「おはなのおけいこ」を通して自分の意志で選択、表現を行うことにより、第2章で構築した援助モデルの自律存在の危機、すなわち他者への依存という不安をケアすることができたと考えられる。 第5章では、コミュニケーションロボットを用いた介護レクリエーションサービスが介護の質に与える効果を、Dementia Care Mappingにより評価することを目的とした。結果、本サービスが施設利用者への質の高い介護の提供に寄与し、ロボットとの交流が施設利用者に良い影響を与えたことが示された。本サービスにより介護スタッフのレクリエーション運営の負担が軽減され、また運営能力の向上も図られることが期待できる。 第6章では、入居者本人の思い出の写真・動画活用した、認知症高齢者に対するメディアセラピーの効果検証を行った。入居者の生活歴を認知症高齢者やその家族および介護スタッフの三者で共有し、認知症の方の時間的存在を失う事への苦しみをケアすることが目的である。メディアセラピーを実施している間は、入居者本人に精神的な落ち着きが見られた。また、介護スタッフが入居者の生活歴を理解することで、認知症高齢者との関係性が深まり介護スキルの向上もみられた。これらの結果より、メディアセラピーは第2章で構築した援助モデルの時間的存在の危機、希望のない自分に対して無意味と感じる不安をケアすることができた。 第7章はまとめである

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