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    実数の連分数展開とLagrangeの定理

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    2018年5月18日に大阪の高校教員を対象に行った講演のノートにミスプリなどの修正を行ったものである.実数の連分数展開を説明した後,連分数展開が有限になるための必要十分条件は,その実数が有理数であることを示す.黄金数などの具体的な二次の無理数の連分数展開を例示した後,連分数展開が循環するための必要十分条件は,その実数が二次の無理数であることを主張するLagrangeの定理に証明を与える

    Confucius vs. Descartes and Beyond: The Meaning of “Knowledge” in the Internet Era

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    “知識”という概念は、東洋と西洋、それぞれ異なる発想に基づいていると解釈することができる。これは、遥か昔の哲学的な発想が起源であり、現在のインターネットが駆使される時代においても異なっている。歴史的背景や現在の“知識”のあり方について相互的比較考察を行なった。京都工芸繊維大学情報科学センター広報,No.36,2018.2,pp.1-

    内歯車のスカイビング加工用カッタに関する研究

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    京都工芸繊維大学博士(工学)本論文は,内歯車の量産加工現場において実用化されたスカイビング加工を対象とし,カッタの再生プロセス(すくい面の再研削と再コーティング)によって生じる内歯車の歯形の変化(使用に伴う切れ刃の磨耗による変化はわずかであり,含まない)と,カッタ歯先の摩耗(内歯車の歯形には影響しない)が支配的である工具寿命の向上という2つの重要な課題に取り組んでいる.内歯車の歯形の変化に関して,まず,カッタの製作に用いられる研削法を忠実にシミュレーションできるプログラムを開発し,その要因を幾何学的に解析している.次に,再コーティングによるカッタ自身の歯形の変化を調査している.また,試加工の結果として内歯車の歯形や歯厚が目標値と異なった場合に,その結果と目標値の差から工具配置を逆算できる汎用的な計算手法を開発している.再生プロセスを経ても内歯車の歯形の変化を生じないカッタの設計についても考察し,カッタ歯面の研削法の改良が必要であることを明らかにしている.工具寿命については,軸角による切削パラメータと切削仕事への影響を比較することで,現状を把握して改善への手掛かりを得ている.これらから,従来とは異なる軸配置を採用することによって,内歯車の歯形の変化の抑制と工具寿命の延長を同時に可能にするカッタの設計指針を見出し,課題を解決している.第1章は緒論である.研究の背景,内歯車用の各加工法の概要と特徴,過去の研究などについて論じ,解決すべき課題を明らかにしている.また,本研究の目的について述べている.第2章では,軸角のあるスカイビング加工において,カッタ設計の基本となる,切れ刃形状の求め方について述べている.幾何学的必須条件であるかみ合い方程式を解くことで,内歯車と共役なピニオン形状を求め,そのピニオンとすくい面を形成する面との交線としてカッタの切れ刃形状を求める方法について明らかにしている.また,歯形誤差や,歯形誤差がある場合の内歯車の歯厚の計算方法についても述べている.第3章から第5章は,カッタの再生プロセスによる内歯車の歯形の変化とその解決方法に関して述べている.第3章では,カッタの再生プロセスによる内歯車の歯形変化の発生原因について述べている.まず,スカイビング加工で一般的に使用されている,外径が円すい状であるテーパ型カッタの現状の設計法とその製作法について幾何学的に解析している.また,諸元の違いと内歯車の歯形変化の関係について考察している.次に,再コーティングによるカッタ自身の歯形変化に関して述べている.そして,カッタの再生プロセスによる内歯車の歯形の変化は,カッタの製作法に起因する幾何学的なものと再コーティングによるカッタ自身の歯形の変化によるものの合成であることを明らかにしている.第4章では,第3章で述べている内歯車の歯形の変化への対処方法について提案している.その解決には,カッタ配置を変更して歯形を調整する方法と,再生プロセスを経ても内歯車の歯形が変化しないようなカッタを開発し使用する方法が考えられる.スカイビング加工では,カッタ配置によって内歯車の歯形の調整が可能なことは知られており,カッタ配置から内歯車の歯形を求める方法は提案されている.しかし,逆に,目的の歯形と歯厚からカッタ配置を逆計算する汎用的な方法は開発されていない.ここでは,目的の歯形と歯厚を得るためのカッタ配置を計算する汎用的な方法を提案している.また,カッタ配置での歯形の調整には限界が存在する場合があることに言及している.第5章では,再研削しても内歯車の歯形が幾何学的には変化しないようなカッタの形状とその実現方法について論じている.カッタを試作して,製作の可能性を確認している.第6章では,工具寿命改善のための現状把握として,切削パラメータと切削仕事への軸角の影響を調べ,現状の軸角が採用されている理由を明らかにしている.また,円筒型カッタについても検討し,円筒型カッタによる工具寿命改善の可能性について述べている.第7章では,第3章から第6章で得た知見を総合し,再生プロセスを経ても内歯車の歯形の変化が少なく,工具寿命の延長も可能にするカッタの設計指針を提案している.それに基づいてカッタを製作し,加工実験を行い,提案した設計指針が歯形の変化の抑制と工具寿命改善に対し効果的であるかを確認している.第8章では,スカイビング加工の利点の一つである歯すじクラウニング加工について考察している.歯すじクラウニング加工時に生じる歯形バイアスについて,その量や再研削の影響や調整法などについて述べている.第9章は結論であり,本研究で得られた成果を総括している.従来は採用されていなかった設計指針をあえて採用し,再生プロセスを経ても内歯車の歯形の変化が少なく,工具寿命も延びるスカイビング用テーパ型カッタの設計が可能であることを示している.また,開発したカッタ配置パラメータの汎用的計算アルゴリズムを併用することにより,カッタの再生プロセスによって生じる内歯車の歯形の変化が解決できることを示している

    モノのインターネット実現に向けた無線通信プロトコルの研究

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    京都工芸繊維大学博士(工学)現在、我が国では少子高齢化に伴う人口の低下が懸念されている。今後、少ない労働力でこれまで以上の生産性を発揮するために、ICT技術の活用が一段と進むことが予想される。ICT技術の中で、特に活用が期待されている技術としてはセンサ機器の無線通信技術を中心としたIoT技術がある。今後、こういったIoT技術を使って物理空間から収集した大量のデータをサイバー空間でAI処理し、物理空間へフィードバックすることで社会課題を解決する「データ主導社会」が来るとされている。現在のIoT技術を使ったシステムでは、データ処理に人間が介在することを前提としていたため、扱えるデータの量には制限があった。しかし、データ主導社会では人が介在しないので今までに比べて多量のデータを処理できるようになる。よって、データ主導社会では長期間にわたり多くのデータを収集すればするほどシステムとして良い判断ができる可能性が高まる。また、データ処理後のフィードバックも、人が介在している場合は数秒以下のオーダーでの制御は事実上不可能であった。しかし、データ駆動社会ではフィードバックループ内に人が介在しないので、マイクロ秒オーダーの制御をするシステムを構築できる。しかし、現在、産業界で使われているIoT技術では、長期間の連続モニタリングやミリ秒オーダーの制御システムを作ることは難しい 1990年後半以降、論文レベルでは様々なIoT技術が考案されてきているので、技術的にはデータ主導社会を実現するシステムの構築は可能である。しかし、現実的に産業界に受け入れられるためには、今まで考案されてきたIoT技術に「標準準拠」「ハードウェアの調達容易性」「低保守・運用コスト」といった観点からの検討を新たに付け加える必要がある。 そこで、本研究ではデータ主導社会を実現するためのIoT無線通信方式である「NES-MAC:長期間連続動作して多量のデータを収集するための省電力MACプロトコル」および「NES-SOURCE:遅延の少ないデータ通信が可能な軽量リアルタイムネットワークプロトコル」を設計、実装し、評価した。設計に際しては前述の3つの観点を特に考慮に入れて検討した。NES-MACに関しては、まず,IoT技術として有望とされている標準省電力方式であるRITとCSLを消費電力および通信リンク確立成功率の観点から比較した.その結果,CSLの同期通信ができれば,インフラ監視で要求される低消費電力性能を満たせることが明らかになった.しかしCSLには水晶クロック素子(CXO)の性能ばらつきのためにCSL同期通信が維持できないという課題があった.そこで,我々はCSLに対してCXOのばらつきを補正して長期間の同期維持を可能にする機能を追加したMACプロトコルであるNES-MACを開発し,この課題を解決した. NES-MACは通常のCSLと通信する際にも省電力効果が高いので,省電力性能をそのままにネットワークを容易かつ経済的に拡張できる.さらに,我々はNES-MACを採用したセンサノードが2800mAh(CR123A型バッテリ2本程度)で10年以上の長期間駆動ができることを実機評価により明らかにした.制御無線で使われるリアルタイムネットワークプロトコルは、遅延保証が必要である。無線通信の場合、遅延の原因はパケットロスに起因する。パケットロスはパケット衝突および通信路の環境変化によって起こる。現状の制御無線プロトコルを使用する場合の課題として、アクセス方式として扱いづらいTDMA方式を採用している点がある。TDMA方式では、原理的にパケット衝突によるパケットロスが発生しない。一方、CSMA/CA方式は扱いやすい反面、原理的にパケット衝突が発生するので遅延保証が難しいと考えられてきた。我々はまず、一般的な制御無線の利用条件および要求仕様を明らかにした。その結果、一般的な制御無線の利用条件下にて、アクセス方式としてCSMA/CAを利用した場合のコリジョン発生率は、制御無線の要求仕様に比べて小さいことが明らかになった。この事により、通信路の環境変化によるパケットロスを回避する方法があれば、CSMA/CAを利用した場合にでも制御無線の要求仕様を満たす事ができることがわかった。そこで我々は1HOP通信時のネットワークレイヤACKを省略すること,およびフレームサイズを基にしたバックオフ期間の最適化により高速に通信経路を切り替える機能を持つ,CSMA/CAベースの固定経路通信プロトコルであるNES-SOURCEを開発した.NES-SOURCEは正規ルートが1HOP,再送用ルートが2HOPという環境で,最大遅延時間を60msec以下、PERを0.05%程度にすることにできた.NES-SOURCEの実装規模は約2700行と従来のプロトコルスタックに比べて半分以下の規模であり,機能追加やメンテナンスも容易である.又,人の移動などにより通信路へ障害物が立ち入るような環境下で,NES-SOURCEの経路変更機能が有効に機能することでPERや通信遅延が改善することを実証実験で確認した.さらに,通信路に遮蔽物が侵入する確率およびコリジョン発生によるPERとNES-SOURCEのPERの関係を明らかにした.NES-MACおよびNES-SOUCEはデータ主導社会で使われるIoT技術として必要な技術的特性に加え、標準準拠」「ハードウェアの調達容易性」「低保守・運用コスト」といった、データ主導社会実現のために産業界へ受け入れられるための必須条件も満たしている。今後、NES-MACおよびNES-SOURCEはデータ主導社会実現のために様々な局面で利用されると考えている

    Dynamics of melt-electrospinning and its application to the micro-fiber formation of biopolymers

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    京都工芸繊維大学博士(工学)The thesis consists of three chapters on the dynamics of melt-electrospinning and its application to the micro-fiber formation of biopolymers. The first chapter investigated the fabrication of core-sheath microfibers and the relationships among processing parameters, crystalline structures and the mechanical properties. The tensile strength and the modulus of the as-spun and the drawn fibers increased with increasing the take-up velocities. When the take-up velocity was above 500 m/min, jet became unstable and started to break up at the tip of Taylor-cone, decreasing the mechanical properties of the fibers. The drawing process facilitated the crystallization of PLLA and PHBH, and the tensile strength and the modulus increased linearly with increasing the draw ratio. The crystal information displayed from WAXD patterns and DSC heating curves supported the results of the tensile tests.The second chapter discussed the fabrication of ultrafine cellulose fibers with pure ionic liquid in high concentration. The maximum solubility of cellulose in 1-butyl-3-methylimidazolium chloride (BmimCl) can reach up to 20 wt% when the solution was stirred at 110 oC for 2 hours. The cellulose-BmimCl solution was then processed into homogeneous gels through the methods of recrystallization and casting. Pure cellulose fibers with perfect morphologies were achieved after melt-electrospinning and coagulation. The results of WAXD and FTIR indicated that the cellulose fibers were amorphous and chemically stable.The third chapter studied the electrodynamics and spinnability of melt electrospinning. A temperature-voltage phase diagram was constructed to distinguish the regimes of the bending, the whipping, and the break-up of the jet. Jet breaks up periodically at the tip of Taylor-cone if the polymer viscosity is too low or the elongation rate is not high enough to stretch the jet. The elongation rate for each segment of the jet keeps almost constant at a certain melt temperature, while the elongation rate increases and the solidification point of the jet shifts from the Taylor-cone to the target with increasing melt temperature. An analytic equation is proposed to estimate the jet diameter along the spinline before jet solidifies

    Studies on Surface Structure and Grain Coarsening in Sphere-Forming Triblock Copolymer Thin Films

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    京都工芸繊維大学博士(工学)The thesis focuses on the triblock copolymer forming spherical microdomains. Namely, glassy spherical microdomains embed in a rubbery matrix. Although the glass transition temperature ( ) of the rubbery phase is much lower than room temperature, the polymeric as-cast film sometimes exhibits non-equilibrium characters. This is because the glassy spherical phase of which is much higher than room temperature, results in impeding the chains in the rubbery matrix phase to freely move in the as-cast state. The thesis is divided into three chapters. Chapter 1 investigates the surface structures of three kinds of block copolymers forming equilibrium and non-equilibrium spherical microdomains by using the atomic force microscopy, X-ray Photoelectron Spectroscopy, and Grazing-Incidence Small-Angle X-ray Scattering. Plausible model could be constructed based on that. The main finding of chapter 1 is that the layer thickness of the outermost surface is found to be very thin so that the block chains confined in this space are forced to be heavily compressed. Such an enormous chain deformation indicates that the surface coverage requirement is very strong. Chapter 2 presents the grain coarsening on the free surface as well as in the thickness direction of sphere-forming triblock copolymer film. The main finding of chapter 2 is that the oriented layer thickness near the free surface (or facing to the substrate) has reached 9.5 μm thick, consuming almost 20 % of the total film thickness. This value is much bigger than the reported one in the literatures. Chapter 3 addresses the ordering regularity of spherical microdomains in a dewetted triblock copolymer superthin film. The main finding of chapter 3 is that it has been found that the ordering packing inside the dewetted islands varies from a regular hexagonal to a deformed hexagonal packing, depending on the shape of the islands

    京都工芸繊維大学におけるリーダーシップ教育の導入と展開 ―京都工芸繊維大学「Tech Leader Project」三カ年の成果と課題―

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    本稿は、京都工芸繊維大学におけるリーダーシップ教育の過去三年間の歴史、特徴、課題について論述する。当大学にとっては、他大学で実践されてきたリーダーシップ教育の成果と課題を踏まえて、当大学固有の課題をどのように越えて、Tech Leaderを育成していくのかが重要である。そのために、SAを中心としたアクティブラーニング型の授業に変えることと、授業をオープンにして学外からの見学者を迎え入れることで変容を促進してきた。その結果、リーダーシップ教育を軸にして、当大学における育成すべき学生像を明確にし、その基盤づくりをすることができた。京都工芸繊維大学 学術報告書,第11巻,2018.09,pp.15-3

    平成29 年度セキュリティ技術向上研修および平成29 年度国立大学法人等情報化要員研修(「実践!サイバーセキュリティ演習-インシデントレスポンス」)を受講して

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    本稿では、2017 年10/26(木)、27(金)に受講しました「平成29 年度セキュリティ技術向上研修」および、同年10/30(月)、31(火)に受講しました「平成29 年度国立大学法人等情報化要員研修」について紹介します。京都工芸繊維大学情報科学センター広報,No.36,2018.2,pp.39-4

    バレーボールにおける視覚行動と運動パフォーマンス

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    京都工芸繊維大学博士(学術)本研究では,迅速な視線の切り替えが求められるバレーボールにおいて,知覚-運動スキルを定量的に評価することを目的とした.そのために,まず基礎的研究として,これまで視線計測が困難であった移動およびジャンプを伴う状況において実運動中の視覚探索活動の特性を明らかにした上で,応用的研究としてウェアラブルカメラを用いて安価で簡便な視線推定法を提案するとともに,最終的にバレーボールのブロックにおいて視覚探索活動とステップ動作の同時計測による知覚-運動スキルの定量的評価を行った.第1章では,スポーツ場面およびバレーボールにおける視覚探索活動の研究など,本研究の背景となる事柄をまとめた. 第2章では,バレーボールにおける知覚-運動スキル研究の基礎的研究として,これまで視線データの採取が困難であった移動およびジャンプを伴う,かつ対象物が動く状況に着目し,大学女子バレーボール部員を対象に4対4のミニゲームを実施した.実験参加者1名の53ケースにおける視線移動推移について類型化および定量化を行った.その結果,類型化では,ボール接触無の場合,ボールを受ける場合,ボールを出す場合の3つに大別され,定量化では,送り手からボールへの視線移動開始には,ボール接触の有無に関わらず,ある一定のタイミングが存在すること,受け手への視線移動開始はボールの頂点付近で開始されることが明らかとなり,移動およびジャンプを伴う状況において初めて実運動中の視覚探索活動を評価することができた. 第3章では,第2章の応用的研究として,従来の高価な眼球運動測定装置を用いずにウェアラブルカメラだけで視線を推定する手法の提案を行った.バレーボールのブロックを題材として,ウェアラブルカメラを用いたシミュレーション実験において視線推定のための判断基準を抽出し(実験1),その基準の有効性を検証した上で(実験2),同カメラを用いたフィールド実験において視線移動パターンおよび時刻の技量差の検討を行った(実験3).実験1・2の結果から,ボール追従時間およびスパイカー注視初発時間は眼球運動測定装置を用いなくとも,ウェアラブルカメラによって簡便に推定できることが検証された.また実験3の結果から,視線移動パターンは「ボール追従型」と「視線切替型」に分類され,技量による違いが確認されたものの,ボール追従時間およびスパイカー注視初発時間については技量による違いは検出できなかった. 第4章では,第2章の発展的研究として,バレーボールのブロックにおける視覚探索活動とステップ動作のデータを同時に収集し,異なる技量レベル間で定量的に評価した.その結果,熟練者はセッターに視線を移動させた後,トスインパクト直前までは動き出さずにセッターの顔・顔付近に視線を配置し,その後トスインパクト直前にトスインパクト予測位置,すなわちトスの出所へ視線を移動させ,予備ステップを開始していた.一方,経験者はトスの出所に終始視線を置いていた割合が高く,トスインパクト直前まで待ち切れず,トス方向を予測するというより憶測で動き出していた.これらのことから,熟練者はトス方向を判断するための知覚を優先させているが,経験者は動き出すための運動を優先させている可能性が高いことが示唆された. これらの研究を通して,知覚-運動スキルの定量的評価に役立つ知見を得ることができた.移動およびジャンプを伴うゲーム場面での視覚探索活動が評価可能であることを検証できた点は,今後,本来の(in situ)環境での検討が求められる知覚-運動スキル研究に有用であると考えられる.また,手間のかからないデータ採取を望む,かつ高価な眼球運動測定装置の購入が困難な指導現場には,ウェアラブルカメラを用いた簡便な視線推定法が未熟練者のフィードバック用のツールとして役立つと考えられる.さらに,熟練者は知覚を優先させていることが明らかとなったことから,「見てから動け」という熟練者の経験的な感覚に基づく指導の客観性を得ることができた.今後,知覚を優先させる指導の有効性を検証するとともに,知覚-運動スキルの観点から複合的な研究および指導を深め,現場のコーチングに活きる真に有用な知見を蓄積していく必要がある

    Studies on the P-element piRNAs associated with hybrid dysgenesis in Drosophila melanogaster

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    京都工芸繊維大学博士(学術)P-element transposition in the genome causes P-M hybrid dysgenesis in Drosophila melanogaster. Maternally deposited piRNAs suppress P-element transposition in the P-strain progeny, linking to P-M phenotypes. However, little is known about the extent to which piRNAs are involved in the P-M hybrid dysgenesis in M′ and Q strains, which show different abilities to regulate the P elements from P strains. The defect of suppressing P-element transposition when used as a mother is called P susceptibility, which is low for P and Q strains and high for M and M’ strains. P-strain males have a high ability to mobilize P elements in their progeny (high P inducibility), while M’-, Q- and M-strain males have a low ability. In chapter I, to elucidate the molecular basis of P susceptibility, I analyzed the piRNA levels of P elements in the F1 progeny between males of a P strain and nine-line females of M′ or Q strains (M′ or Q progenies). As a result, it was proved that the M′ progenies, which showed the hybrid dysgenesis phenotype, were characterized by a lower abundance of P-element piRNAs in both young ovaries and embryonic bodies. In chapter II, to reveal the molecular basis of P inducibility, I investigated the genomic constitution and P-element piRNA production, using the F1 hybrid between females of an M strain and four-line males of M′ or Q strains (M′ or Q hybrids). As a result, it was showed that the young ovaries of Q hybrids produced higher levels of piRNAs from P element inserted in piRNA clusters. And amount of those piRNA was linked to gonadal dysgenesis in both F1 and F2. Our results are consistent with an idea that the level of P-element piRNAs is a determinant for dividing strain types between M′ and Q. Additionally, I showed that various expressions of suppressors influenced by the genomic constitution of the paternal P elements lead to phenotypic variation in the progeny

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