Yamagata University Academic Repository
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座位安静時の心拍変動に関する検討
論文(Article)人間と他の要素との相互作用を理解するためには, 生体への影響やその反応を定量的, 客観的に捉える生体計測の手法や技術が求められる。この生体計測は, 多くの場合には人間の生体の中で発生する生体信号(生体情報) を記録し, それを統計学的な処理やスペクトル解析等を行い生体の反応を定量的に捉えることが一般的である。生体信号には, 脳波, 心拍, 筋電など多くのものがあるが, 人間工学に関する国際規格において, 生体信号では「心拍変動(variability of heart rate)」が取り上げられており, 作業負荷の評価に有効であると考えられている。心拍により, 生体への影響やその反応を定量的,客観的に捉えるには, 作業負荷を与える前の安静時の心拍と比較し, 作業負荷により心拍がどのような変化を示したのかを見ることが多い。安静時の心拍数を100として, パーセントで表現することが一般的だと指摘する研究者もいる。しかし、安静時における心拍の測定条件(姿勢, 安静時間,環境等) が定められていないため, 研究者によって測定条件は一定ではない。そこで、本研究では座位安静時の心拍(R-R間隔)を測定し, 開眼時および閉眼時において, どの程度, 心拍が変動するのかを分析し,安静時の心拍を基準とする場合において, 考慮すべき条件を検討した
山形城下町商人長谷川吉郎治家における紅花取引の実態 : 嘉永~安政期を中心に
論文(Article)本稿は、山形城下町商人長谷川吉郎治家の紅花取引の実態についてあきらかにすることを課題とする。山形城下十日町の長谷川吉郎治家は、山形水野藩の士格御用達に任ぜられ、幕末期の山形城下町において随一の経営規模を誇る巨大商人として活躍した商家である。近世後期~明治期における長谷川家の活動が山形藩政・山形県政をはじめ奥羽・東北地方(とくに東北中央・南部)の政治・経済・社会の諸動向に与えた影響は大きく、その経営や活動の解明はひろく東北近世史・近代史研究の進展のために重要な課題であるといっても過言ではない。従来、長谷川家の経営に関しては、今田信一氏が名著『最上紅花史の研究』において、同家の有力な出荷先であった京都紅花問屋最上屋喜八家の帳簿に出てくる同家の取引記録を用いてその紅花取引の規模や集荷に関する分析をおこなっているのが唯一の実証的成果である。同家の紅花集荷が仙南地方を中心に展開されていたことを指摘した先駆的研究である。しかし後述するように、同家は最上屋のほか、さらに広汎な京都・大坂の紅花問屋と取り引きしており、先行研究の予想をはるかにこえた内容と規模で紅花流通に関与していた。また、長谷川家は紅花のほか青苧・生糸などを奥羽で買い付け上方に送り販売し、上方より呉服太物・古手や繰綿・蝋・砂糖・荒物・小間物などを仕入れ奥羽に売り捌く巨大な「のこぎり商い」を実施する一方、金融・地主・鉱山などの経営も手広く実施していたと考えられる。新史料の発掘を進め、同家の多角経営の構造や地域の政治・経済・社会に対するヘゲモニーの実態に関する総合的研究を実施していくことが望まれる。本稿はこの課題の一環に位置づくものであり、まずその紅花取引の実態解明に焦点を絞り実証研究をおこなうものである。本稿では、宮城県柴田郡村田町大沼正治郎家に所蔵されている長谷川吉郎治家作成の紅花取引帳簿などを用いて、嘉永.安政初年における紅花取引の規模と内容をあきらかにする。とくに、長谷川家が紅花取引をおこなう際に基盤とした産地の地域範囲と集荷・出荷を担当した商人や組合形態の検証、取り扱った紅花荷の数量と原価・代金・純益の実態、などの考察をおこない、従来不明確であった同家の紅花取引の全体像に関する基礎的な事実確定の作業をおこないたい。従来、山形城下町商業の奥羽にまたがる広域的な取引については言及がなされることがあるが、具体的な実証研究は進んでいない。山形城下町商人に関する論述も多くあるが、個別商人経営の研究は少ないのが現状である。山形城下町には様々な経営規模の商人がおり、階層性が認められる。本稿は山形城下町商人のなかでも随一の巨大商人に関する研究であり、ある意味では特異な位置にある商人研究となるが、幕末期の山形城下町商人の経営実態と活動条件をその頂点的なレベルにおいて典型的にあきらかにする事例として重要であると思われる。また、本稿で取り上げる紅花取引史料は、ある個別の商人が一年間に出荷した紅花荷のほぼ全量を把握し、その産地や原価・販売価格・利益の実態を子細にあきらかにしうるデータとして重要であり、今後の山形城下町商人研究や全国の紅花流通史研究にとっても一つの比較の基準となると思われる。そのため煩瑣ではあるが網羅的な表を作成し、ひろく研究者の共通データとして供することとした
イギリスにおける二重の危険の法理の動向 : 2003年刑事司法法 (Criminal Justice Act 2003)の適用が争われた2つの謀殺(murder)事件をめぐって
論文(Article
委託販売に対する独占禁止法による規制
論文(Article)はじめに 日本における拘束条件付取引に対する独占禁止法の通用の検討は、製造業者と販売業者との売買契約の関係を中心に進められてきた。しかしながら、製造業者と販売業者との間で結ばれる代理店契約には、販売委託契約や代理商契約も利用されている。本稿は、委託販売における委託者による受託販売業者に対する価格拘束の問題を中心に、独占禁止法の不公正な取引方法の規定を適用する際の違法性判断基準の分析枠組みについて論じるものである。これらの問題については、従来、公取委の行った審決や独占禁止法研究会報告、流通・取引慣行指針をめぐって検討が行われてきたが、必ずしも十分ではないように思われる。現在、著作物の再販売価格維持の適用除外規定の改廃に関する検討が公取委によって行われているが、適用除外規定が廃止された場合には、価格維持が委託販売や締約代理商の取引形態によって試みられる可能性もあり、委託販売や締約代理商への独禁法適用をどのように進めるかが問題となるのではないかと思われる。筆者は、既に委託販売における価格拘束の違法性判断基準に関して論考を公表しているが、十分に論じられなかったので、改めて論じるものであり、善管注意義務や問屋の指値遵守義務との関係、独禁法の排除措置との関係についても論じていく。その上で、書籍と新聞の流通に関する独禁法適用の問題も論じる。なお本稿では、再販売価格維持等の拘束条件付取引の公正競争阻害性については、立ち入った検討は行わず、基本的に通説的立場を前提にして論じており、契約形態の差異に由来する独禁法適用の問題を主題としている
一九九一年大規模小売店舗法の機能とその評価
論文(Article)はじめに 本稿は、筆者が大規模小売店舗審議会山形審査会特別委員として、一九九二年二月一日から一九九四年一月三一日までの任期中に得た経験と内部資料に基づいて、一九九一年大規模小売店舗法がその法目的をどのように実現しているのか、その機能を分析し、評価を加えるものである。山形県の事例が大規模小売店舗法(以下'大店法)の全国の運用状況において、どのような特徴を持つものであるかは、明らかではなく、もとより、大店法の全貌を解明するものではないが、法運用に直接関係した者による分析と提言には、何ほどかの意義があろう