Nagasaki Prefectural University Academic Repository
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排出権取引制度における温暖化対策への有効性について(Impacts on Kyushu Economy given by CO2 Emissions Reduction on Paris Agreement)
昨今地球温暖化問題が深刻化しており、その解決に向け様々な温暖化対策が実施されている。排出権取引制度も温暖化対策として導入された制度の1つである。そもそも、温暖化対策として世界全体で排出削減義務を負う気候変動対策を定める条約に締約するべきである。一方、排出権取引制度は、目標達成のため森林等吸収源により吸収できない国が他国から排出権を購入することになる制度である。果たして、この制度が排出削減義務を負う気候変動対策を定める条約に世界全体で締約する場合、温暖化対策に有効であるかどうかを検証することがこの研究目的である。この目的を達成するために、まず、「パリ協定によるCO2排出量削減に関する制約がもたらす九州経済への影響」について調査研究を行った。その内容が次の通り。
九州電力では、これまで九州全域の電力供給と地球温暖化対策としてのCO2排出量削減を原子力発電に頼ってきた。しかし、東日本大震災による福島第一原子力発電所の事故は、「電力供給義務量」と「CO2排出量」のトレードオフの関係にある二つの制約をどのように満たせばよいかという課題を突きつけた。本研究では、Replaceモデルに基づき原子力発電の利用率を引き下げつつこの課題を解決するために九州経済に与える影響を分析した。「電力供給義務量制約」である発電電力量の供給を満たし、かつ「CO2排出量制約」であるCO2排出量削減目標を達成する実施可能なケースが複数ある。しかし、全原子力発電を停止させた場合、「電力供給義務量制約」だけ満たすのであれば火力発電での代替で可能だが、「CO2排出量制約」を同時に満たすには火力発電への代替だけでは不可能である。そこで、再生可能エネルギーの導入が不可避となる。そのためには、原子力発電の代替エネルギーとしての再生可能エネルギーの研究や技術進歩が必要となり、相当な時間と莫大な費用が必要となる
Establishment of a company-wide research network
インターネットは社会生活に不可欠な存在となり重要性はますます高まっている。重要性が増すこととは反対に、インターネット基盤技術に関してはブラックボックス化が進み理解は難しくなっている。また、厚生労働省による月次の有効求人倍率調査では、情報処理・通信技術者1の倍率はここ数年高止まりとなっており、情報処理・通信技術者の価値は高い状態が継続している。本研究では、最終的に、インターネット基盤のセキュリティに直接触れて、活用して、学習することができ、稀有な経験を積むことが可能な、“インターネット基盤セキュリティ人材創成ネットワーク(仮称)”の完成を目指し、ネットワークを構築した。令和3年度においては、安価で一定の安定性をもつネットワーク回線を、長崎県立大学シーボルト校、QTNet福岡第3データセンター、NTTデータ堂島ビルへ機材を設置し、インターネット接続に関する準備を行った。準備の過程においても学生による成果発表を行い、外部関係者からの評価を得るに至った
Morphological and proliferative characteristics of rodent taste cells in different tongue regions
味覚は五感の中でも、味の認識、つまり劇毒物の侵入を排除するために必須の機構である。また、自身
の嗜好に応じて、美味しいものを効率的に摂取するためにも重要な感覚機構である。味覚感知の閾値は舌
の部位ごとに異なる可能性が高いが、その分子基盤は明らかではない。そこで本研究では、味蕾分布を部
位ごとに評価した。ラット舌組織のHE 染色により、有郭乳頭周辺上皮の凹入は浅く、有郭乳頭側面の上
皮内に数個の味蕾が分布していた。葉状乳頭では、舌側面に多数みられ、葉状乳頭の上皮内に多数の味蕾
が分布していた。茸状乳頭は、舌背に一様に分布しており、味蕾は各茸状乳頭の上面に単一で存在していた。
これらが舌の部位ごとに味覚の感知能力に違いをもたらしている可能性は大いに高いと考えられる。また、
マウス舌組織の凍結切片を用いた免疫組織学的解析より、味蕾内に増殖マーカーであるKi67 陽性細胞が多
数存在することを観察した。このため、舌の部位ごとに味細胞の増殖能が異なり、味蕾内の味細胞の構成
が日々ダイナミックに変動する可能性がある。これらも舌の部位ごとに味覚の感知能力を変化させる一因
となっている可能性がある。カラー図版あ
A study of autotomy in asexual reproduction in planarian
扁形動物プラナリアは、再生能力が高く、切断した両片よりそれぞれ個体が再生することは良く知られ
ているが、自切と呼ばれる無性生殖も行うことができる。本研究では、プラナリア、中でもナミウズムシ
を長期的に飼育し、分裂した前半部(頭側)と後半部(尾側)の様子について検討することを目的とした。
ナミウズムシを直径8cm の飼育容器にて飼育し、餌としてはトリレバーを与え、各個体に先祖および自
らが頭側または尾側のどちらから発生した個体であるかを記録した。
ナミウズムシは168 日の間に87 回の自切を行い、175 個体まで増殖した。このうち、頭側の分裂が59 回、
尾側の分裂が27 回であり、有意に頭側の分裂割合が多かった(p < 0.05)。一度分裂してから、次の分裂
までの日数(中央値(第一四分位点、第三四分位点))は、頭側は27 日(14 日、45 日)、尾側は12 日(6.5 日、
54.5 日)で有意な差は見られなかった(p = 0.17)。自切までの日数は、先祖に含まれる尾側の回数が影響し、
尾側が含まれる回数が多くなればなるほど、有意に自切までの日数が長くなることが示唆された。カラー図版あ
Market Research on Hasami Tourism and Hasami Porcelain : FY 2021 University of Nagasaki Contract Research Outcome Report
Field Survey Research on Resources in Yahiko Village based on Collaboration between the Yahiko Village Chamber of Commerce and Niigata University of Management: Focusing on Strategies for Promoting Inbound Tourism
Integration of China and Hong Kong equity markets
資本市場では、上海と香港市場の株式相互取引 は2014 年11 月17 日から、深圳と香港市場の株式相互取引は2016年12月5日からそれぞれ開始された。米国株価指数算出会社のMSCI は2017年6月20日、中国本土A株を2018年6月から同社の新興国株指数に組み入れると発表している。このため、4つの株式市場の株価指数の日次データ(2変数)を対象に、ベクトル自己回帰(VAR)モデルを用いて、共和分検定、因果性の検定を行う。終値(C)と初値(O)の2変数とも検定をクリアしなかった。今後の課題としては、(1)対象とする期間を変更すること、(2)市場や株価指数を変更すること、(3)GARCHなどの分析手法を導入することなどがあげられる
A Brief history of empirical studies on the Sovereign Wealth Funds
ファンドの表現は2000 年代では確認できる。その後、2007 年から2008 年にかけて米国発の金融危機が起きた。とりわけ2008 年9 月、米国投資銀行リーマンブラザーズの経営破たん後、リーマンショックとしてサブププライムローンの証券化商品の取引を通じて米国の金融危機が世界各地に拡散した。Bahoo et al[2020]によると、2005 年から 2019 年までの間、政府系ファンドに関連した研究は少なくとも 184 件ある。の論文を対象に、政府系ファンドのメタ文献レビューを行った。彼らのメタ文献レビューを行い、政府系ファンドの研究領域として、(1)政府系ファンドの起源、(2)政府系ファンドの定義、(3)政府系ファンドの3 分類とした。さらに20 問に及ぶリサーチクウェッションを提示した。政府系ファンド研究の重要性を示唆している。カラー図版あ
内部障害者の避難の準備状況整備に向けた調査研究
日本国内において地震や水害、台風などによる災害はいつ、どこで起きてもおかしくない状況にある。内部障害者は、外見では障害の有無や重症度などが分からないこともあり、普段の生活においても十分な対応がされていない現状がある。さらに災害時の避難となると避難時の生活を確保するためには高いハードルがある。そこで本研究では、内部障害者の災害時の避難について、避難所の確保、災害への備えなどを組織的にサポートできるようなシステム作りを行うための基礎調査を実施する。今年度は、組織づくり、内部障害者への予備調査を実施した。組織づくりでは、内部障害者が受診している医療施設と調整を行っている段階である。内部障害者への予備調査では、13人のストマ増設患者への聞き取り調査を実施した。13人中、3人が災害への備えをしており、災害時持ち出し物品にストマ装具などを準備しているのは2人であった。退院時に災害への備えについての指導を受けたものもいなかった。ストマ増設患者は、全国でも比較的備えが進んでいるといわれているが、長崎県周辺では、まだまだ不十分な実態が見えてきた