小幡道昭は,「貨幣価値の不可知性」を回避するための商品転売のくり返しから資本の発生を説いている。しかし,資本の第一の増殖方式である「姿態変換外接型」の事例としては,「貨幣価値の不可知性」とは無縁な3種類の貨幣を3国の国内市場において現金として使い切るタイプの三角貿易が挙げられており,小幡自身の説明と整合的でない。信用取引を利用するタイプの三角貿易を想定すると,3種類の貨幣間の交換比率の変動を睨んだ支払手段の選択が重要な意味をもつことが明らかになる。支払手段としての貨幣には,所定の信用価格で売られた特定の商品の支払いにしか使えないという短所がある代わりに,将来の「貨幣価値の不可知性」を回避することを可能にするという長所がある。支払手段としての貨幣を用いた信用取引が,流通手段としての貨幣を用いた商品転売と長短相半ばする関係にあることは,資本の増殖方式が信用関係を取り込みながら変容する原理を解明するための鍵となる。departmental bulletin pape
Senshu University Institutional Repository(専修大学機関リポジトリ )
Access Repository Dashboard
Do you manage Open Research Online? Become a CORE Member to access insider analytics, issue reports and manage access to outputs from your repository in the CORE Repository Dashboard! 👇