滋賀県立大学「学術情報機関リポジトリ
Not a member yet
724 research outputs found
Sort by
認定看護師のキャリア発達に関する文献検討(医学中央雑誌から)
認定看護師(以下、要旨中ではCNと略す)制度の開始後20年が経過し,2012年以降その総数は就業している看護師の1%を超え,看護師が選択する代表的なキャリアの1つとなっている.しかしCNのキャリア発達について明示されたものはない.今回わが国におけるCNのキャリア発達の研究の動向を明らかにすることを目的に文献レビューを行った.医学中央雑誌(web版ver.5)にて「認定看護師」と「キャリア」をキーワードに年代を絞らず原著論文を検索しヒットした57件(2017年6月時点)のうち,明らかに対象でない2件を除いた55件の文献の研究目的・対象からCNのキャリアに関する者を抽出した.結果,10件の文献が抽出され「臨床実践・現任教育におけるCNへの期待と役割」が5件,「CNの実践力の向上」「看護管理者が考えるCNの役割と特性」「看護管理者によるCNのキャリア支援」が各1件,「CNのキャリア発達」が2件の5つに分類された.また10件中8件はCNと専門看護師の明確な区別がされていないこと,CNを対象とした研究が4件しかないことから,CNが自身のキャリア発達についてどのような思いをもっているかについてこれまでに十分な検討がなされていないことが明らかになった
日本の骨粗鬆症指導に関する文献検討
わが国では高齢化に伴い,骨粗鬆症が増加している.この要因の一つとして,治療継続率の低さが指摘されている.治療の中断は,骨粗鬆症を進行させ,骨折を引き起こし,高齢者の自立した生活を妨げる.そのため,治療を継続されるように骨粗鬆症指導を行うことが必要である.そこで,骨粗鬆症指導に関する研究において,明らかにされていることを整理するために文献検討を行った.文献検討の結果,複数の医療者による薬物指導や,医療者が患者の理解度を定期的に確認し指導を行うことは,服薬継続に有効であることが報告されていた.また,食習慣や食への嗜好性を把握し複数回の食事指導を行うことや,カルシウム量が多い食事の紹介,実際に調理指導を行うことが,食生活を改善することに有効であった.さらに,運動指導による骨密度の改善には,歩行を推奨するだけでなく,速歩についても指導を行う必要性が報告されていた.また,骨粗しょう症治療を必要とする高齢者に,認知症や視力障害,手指機能障害などが出現すると,家族の介助が必要となることが示唆されていた.しかしながら,骨粗鬆症患者を介護する家族に焦点を当てた研究はほとんどないことが明らかになった
超重症児をもつ母親のNICU退院から小児専門病院受審に至るまでの体験
背景 超重症児の救命率の増加に伴い,NICUから在宅へ移行となるもさまざまな問題があり,在宅移行直後の母親への早期支援についての示唆を得ることは需要である. 目的 超重症児がNICU退院後,A小児専門病院の外来を受審するまでの在宅生活での母親の体験を明らかにする. 方法 対象者は,超重症児がNICU退院後,在宅生活を経験し小児専門外来受診に至った母親6名である.インタビューガイドを用いた半構成的面接法にて行った. 倫理的配慮 A小児専門病院および滋賀県立大学倫理委員会の承認を得た. 結果 小児専門外来の受審に至るまでの体験として8のカテゴリーと28のサブカテゴリ―を抽出した.母親は退院後,【初めての生活は不安と試行錯誤の毎日】や【慣れない医療的ケアと育児に追いつめられる】ようになりながらも,【地域の医師と訪問看護師の新たな支援者との出会い】と【役割を模索し支えあう家族】の協力で混乱期を乗り越えていた.また,戸惑う一方で子ども自身の力を発見していた.【子どもの状態に対応でき安定した体調から子どもなりの成長に気づく】ことで,困難を乗り越え独自の生活パターンを見出していた.しかし母親は【母親としてやり切れない思いのなかで自分を責め続ける】日々があった.子どもの成長が,自責の念を緩和し,【懸命に命と闘った子どもに力づけられてがんばる】姿からともに生きると覚悟していた. 考察 在宅移行直後の医療的ケアを在宅で実施することのギャップや子どもの体調の不安定さなどの困難や,障害受容への葛藤から超重症児の子どもの成長に気づき在宅での生活に向き合う母親の体験が明らかになった.母親に子どもの成長を実感できる体験に導いていくケアの追及は母親たちが地域での生活に向き合える支援となることの重要性と地域と医療機関との連携の課題が改めて示された. 結論 NICUを退院し在宅生活を歩み出す母親の体験には,超重症児の親となった悲嘆や罪悪感をもち,子どもの体調管理や医療的ケアを家族との生活のなかで無我夢中に行っていた.そのなかで子どもの成長を実感し,退院後早期の在宅生活で超重症児を日常の子育てとして捉えることができるまでに至っていた
重症心身障害児の食に対する母親の思いとその支援に関する文献検討
重症心身障害児(以下重症児)で医療的ケアを6ヵ月以上要す超重症児・準超重症児は,その存在と医療的対応が重要視されている.今回,重症児の母親は,胃ろうなどを含む食に対する思いとその支援の現状の明確化を目的に,抽出した17件文献の分析を行った.母親は経口摂取に対し,楽しみでもあるが負担感も抱き,経鼻チューブ管理への困難感とチューブに伴う子供の外観上の問題に障害受容への葛藤を抱いていた.重症児の胃ろう造設への相談窓口の少なさが母親の迷いに影響し,その迷いは重症児の体調悪化を招く可能性があると考える.重症児の胃ろう栄養のさらなる増加が推察され、母親を取り巻く情報環境と食への価値観の変化に応じた情報提供システムの構築と,母親の障害受容に寄り添いながら,子どもの最善の利益につながる選択ができる支援の必要性への示唆を得た