Nagoya Gakuin University Repository
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Constitutional Amendment for Extension of Term of Office of House of Representatives Member
自民党,公明党,日本維新の会,国民民主党,有志の会の5会派は,国会議員の任期延長の改憲が必要だと主張する。5会派は議論が尽くされた旨主張するが,国会での議論は十分に尽くされていない。たとえば東日本大震災の際に選挙が8か月できない地域があったことを挙げ,国会議員の任期延長改憲が必要だと自民党や公明党は主張している。しかし東日本大震災の際に自民党や公明党は内閣不信任案を提出した。自民党や公明党が選挙できなかったと主張するのは矛盾している。緊急事態にも行政監視や立法機能といった国会機能の維持は必要であり,国会議員任期延長の改憲が必要とも主張する。ところが2017年にモリカケ問題審議のために憲法53条を根拠に野党が国会召集を要求しても,安倍自公政権は100日近くも国会を開かなかった。コロナ禍の際にも菅自公政権は100日以上も国会を開かなかった。自民党や公明党は国会機能を重視する政治をしてこなかった。にもかかわらず,なぜ国会議員の任期延長改憲が必要と言えるのか。「レジリエンス」の観点からも議論がほとんどされていないなど,国会で十分な審議も尽くされていない。国会で十分な審議も尽くさずに国会議員の任期延長改憲を進めることは,最高裁判所の判例に照らしても,主権者である国民の権利である「選挙権」を「やむを得ない事由」がないのに制限することになり,「国民主権」からも正当化できない。departmental bulletin pape
Nankichi’s reading record―Based on the diary which was written in Syowa 4―
本研究は,新美南吉の読書履歴を明らかにしようと試みたものである。童話作家として多くの作品を生み出してきたわけであるが,その文学的素養,創作意欲,創作発想の源泉の一つに,彼の読書歴が大きく影響を与えたものであると考えている。本稿では,昭和四年の自由日記に着目してみた。彼が16歳の多感な時期のものであり,創作意欲にあふれた時期でもある。この時期,さまざまな書を読み,文学的素養が醸成されるばかりでなく,創作意欲を触発され,そして,創作の発想を得て,実際にいくつかの作品を手がけている。そこで,彼は何を読んで,どう影響を受けたのかを,明らかにすることが本研究の目的である。日記は「校定新美南吉全集」所収のものを用い,昭和四年の1年間を,日付ごとに小説,雑誌等を調査し,作品名,書名,雑誌名を分類した。彼がこの時期にどんな本や雑誌を読んでいたのか特定することができた。読後感想を記していることも多く,それから触発されて創作活動につなげていたことを明らかにすることもできた。departmental bulletin pape
The study on Basic plan to restore wooden construction of Nagoya Castle’s tower for preservation historic spot in Nagoya city
前稿「史跡保存と『現状変更』に関する考察」(名古屋学院大学論集・社会科学編59巻4号pp.145〜170)にて,名古屋城天守閣木造復元事業に関する情報公開請求事件(名古屋地判令和4・3・30)や文化財保護法に関する考察をした。本稿は,名古屋市・「『特別史跡名古屋城跡木造天守整備基本計画(案)』の中間報告」を素材として,文化財保護行政と文化・観光振興施策との調整について考察を加えた。departmental bulletin pape
A reconsideration of primate society and their social relations
霊長類社会のあり方をめぐって,個々の種社会を実体として理解するとともに,社会を個体行動により形成された現象の全体として記述し,構造化するための道具立てとして,「個体性」「社会性」「共同性」という三種の概念を提示する。それぞれの概念は独立に意味を持つものであるが,同時に,相互に他の概念を前提に構造化される。これらを議論するために,動物の世界における「社会」概念を定式化するとともに,従来の霊長類における「社会」の観念的な理解から解放された社会論へと接近していく理論の出発点とする。departmental bulletin pape
コウエンロク:カイケンノドウコウトモンダイテン~コッカイギインノニンキエンチョウカイケンロンヲチュウシンニ~
本資料は2024年7月20日,岡山弁護士会での講演内容に加筆・修正をしたものです。岸田自公政権,日本維新の会,国民民主党,有志の会の「改憲5会派」は「憲法審査会」で改憲を強く主張してきました。2024年の通常国会閉会後も自民党は「憲法改正実現本部」の作業部会で改憲論議を積み重ねてきています。改憲論議の中心が,「国会議員の任期延長」の改憲論です。本当に市民のためになる憲法改正であれば,弁護士や憲法研究者も反対はしません。しかし改憲5会派が主張する改憲内容は「基本的人権の尊重」「平和主義」「国民主権」を後退させるため,多くの弁護士や憲法研究者は反対しています。憲法改正には国民投票が行われますが(憲法96条),国民投票について定めた「改憲手続法」は不公平な内容であり,①「金で買われた憲法改正」,②「外国の影響を受けた憲法改正」,③「デマで欺かれた憲法改正」の危険性があります。「憲法」は国のあり方を定める「基本法」です。憲法改正は子どもや孫などの将来の世代にも大きな影響を及ぼします。国民のためにならない憲法改正が行われないためには,私たち主権者は適切に政治に向かい合う必要があります。departmental bulletin pape
Building a new epistemic logic 21 ―Aporia of common knowledge―
「新たなる認識論理の構築」シリーズの第21篇である。第19篇「集合論のアポリア」,第20篇「量子力学のアポリア」とともに「アポリア」3部作をなす。ここでも著者の主張は一貫していて,「あらゆるアポリアは,認識の基本構造である2視点はさみ込みを,後発の1視点囲い込みに還元しようとするところから生ずる」というものである。共有知識の形式化に伴う無限連言の問題は,まさに自己1視点囲い込みの典型である。これを他者との2視点はさみ込みで収束させてやる。それには,命題を核としそれを知性で囲い込む体の従来の論理ではなく,はさみ込みにより命題が生まれる,より認識論的に根源に基づく論理が求められよう。それが新たなる認識論理なのである。また,はさみ込みにより意味が生じる場としての“対角線”にも注目する。departmental bulletin pape
ナゴヤシ・「トクベツシセキナゴヤジョウセキモクゾウテンシュセイビキホンケイカク(アン)」ヘノツイカコウサツオヨビジョウカクノブンカザイホゴニカンスルイチコウサツ
本稿は,特別史跡名古屋城跡の現状変更許可手続に備えて更新された,事実上の最終案となる名古屋市・「特別史跡名古屋城跡木造天守整備基本計画(案)」に対し追加考察を加えた上で,木造天守復元の第1号となる白河小峰城や他城郭の文化財保護および文化財活用施策を比較検討した。departmental bulletin pape
On the sustainability of generative grammar
半世紀以上にわたり理論言語学をリードしてきた生成文法では,その実験的最先端である最小主義(minimalist)プログラムが,言語進化からの制約を取り入れたことから,かつてのUGを,第1要因(遺伝的特質)と第3要因(自然科学における法則など)とに分け,近年は後者の解明を中心に研究を押し進めてきている。これにより,UGの捉え方が,豊かなUGから最小限のUGへと変化した。これは,大胆かつ知的好奇心をそそるステップに見える一方で,その展開を見ていると,限定的かつ,拡がりのないデータ・経験的事実を扱う研究が目に付き,理論進展のダイナミックさが体感しにくい状況になっているようにも思える。このような中で,生成文法の企てを率いてきた知の巨人Chomskyが95歳という高齢となる現在,生成文法のこれからを考える必要があるのは確かであろう。本研究では,生成文法が採る3つの可能性((1)理論の実証的研究(=領域横断的な協働),(2)独自の理論研究:言語の生物・物理学的基盤の提案,(3)第3のアプローチ:言語事実の整合性を重視する研究)を挙げた後,3番目に含まれるものとして生成文法と認知言語学の協働可能性について触れる。departmental bulletin pape
Reconsider your sedentary lifestyle ―Based on the practice and reflection of “reading and writing while standing”―
仕事や生活のスタイルが「立つ」から「座る」へとシフトするなか,「座り過ぎ」生活の弊害が顕在化している。「座り過ぎ」をめぐっては,国際的な関心が高まり,各種調査・研究を通して,警鐘や提言もみられる。「立つ」と「座る」のバランス,あり方が深く問われるに至っている。「座り過ぎ」への自らの反省をふまえ,定年退職を機に,立ち机を自宅の書斎に入れた。本格的に利用し始めて5年になる。小論は,「立って読み書く」5年間の体験と思索をもとに,貝原益軒[1713]『養生訓』などにも立ち返り,日々の生活と仕事のあり方について考察する。「立つ」を軸とする「読む」,「書く」の三位一体論として提示する。departmental bulletin pape
Why is Engel’s coefficient increasing in Japan?
21世紀に入り,日本のエンゲル係数は上昇しはじめたために注目が集まっている。これまでも,狂乱物価の1970年代前半など一時的な上昇時期はあったが,今回の上昇は持続的な様相を示している。エンゲルの法則によれば,係数の上昇は所得水準の低下を意味し,日本の貧しさを暗示しているのではと関心が高まった。民間研究機関では,その原因を様々な視点で考察を行い,その分析結果を公表している。高齢者世帯では,子供の教育支出が不要になりはじめるため,食費の比率であるこの係数が上昇する傾向にある。そのため,日本の世帯構成が高齢化していけば,この係数が上昇するのは不可避であるとの指摘がなされる。本稿では,所得階級別に係数上昇の要因を探る。その目的は,所得階級による家計消費動向の相違が係数上昇の意味合いを異ならせているのではないか。そのことを探ることにある。departmental bulletin pape