The University of Human Environments Repository / 人間環境大学リポジトリ
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The Politics of Marine Conservation ─ The Case of Marine Protected Area in Costa Rica ─
コスタリカでは、近年、海洋保護区の面積が拡大している。海域の保全の観点から、保護面積の拡大は重要であるが、一方で、禁漁区域が増えることで漁業従事者への影響が懸念されている。しかも、本事例で報告するように、漁業関係者との合意形成を行わないままに禁漁区の拡大が決定される例もある。本稿では、海の管理を巡って利用よりも「環境保護」が力を持ってしまう構造を、海洋保全の意思決定システムの分析と、漁業従事者の資源利用実態の分析を通じて明らかにする。結論として、①住民参加を基本とする陸域の保全戦略とは異なり、海域ではトップダウンの意思決定システムを有していること、②コスタリカの漁業は、人の入れ替わりを繰り返す流動性の高さを有しており、漁業者が連帯して抵抗する素地が薄いことを示す。journal articl
Development and Evaluation of an Educational Program to Mitigate Psychological Impact of Disasters for Adult
本研究では、予防的視点に立った心理教育とこれまで一般的に行われていた防災教育を組み合わせ、「心の減災教育」プログラムを成人対象として開発し、その効果を検証することを目的とした。A 県内の市民講座や研修会においてプログラムを計11 回実施した。受講者は426 名(女性151 名、男性269 名、不明6 名)であった。プログラムは、「災害時の心理的反応」、「災害ストレスのしくみ」、「対処法① 10 秒呼吸法」、「対処法② 認知の修正」、「対処法③ 信頼関係・思いやり」、「事後対応から未然防止へ」で構成されていた。プログラムの実施前・実施後に質問紙調査を行い、心の減災教育プログラムの効果を検討した。その結果、実施前よりも実施後が有意に高い数値が得られ、プログラムの効果が認められた。自由記述の分析からもプログラムの有効性が示された。journal articl
Kokoro-no-Tsubo focusing (KTF) as the self-help technique
本稿では、セルフヘルプ技法としての心のつぼフォーカシング(Kokoro-no-Tsubo focusing、KTF)とその手続きを紹介し、4 つの実例を提示するとともに心のつぼフォーカシングの特徴、利点、及び問題点について考察を行った。KTF では、大きめの「心のつぼ」の中に、気になる事柄やからだの感じを浮かばせ、それからそれを小さい「心のつぼ」にひとつずつ分けて入れていく。このように小分けしたつぼを一つ選んで、それを鑑賞するようにしばらく眺めてみたり感じたりする。そこで浮かんだ全体的な感じをことばやイメージで表現する。最後に癒しのつぼを描いて、そのつぼの中に入って癒しを味わい、つぼから出て終わる。こうしたKTF の適用例を4 例提示し、セルヘルプ技法としての心のつぼフォーカシング(KTF)の特徴と利点、及び問題点について論じた。journal articl
Issues of the application guidelines for the realization of deferred tax assets
2015 年(平成27 年)12 月に企業会計基準審議会(ASBJ)は、企業会計基準適用指針第26号「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針」を公表し、それまでの繰延税金資産の回収可能性に関する実務指針の内容を踏襲し、必要な改定を加えた。この公表にあたっては、これに先立ち公表した公開草案に対する意見を募って検討し、公開草案の一部の内容を見直したうえで公表している。これまでも、繰延税金資産の回収可能性については議論の対象となり、また会計基準や実務指針においてもその対象となり度重なる改定が行われてきた。本稿では、これまでの税効果会計に関する会計基準ならびに繰延税金資産の回収可能性判断に関する基準・実務指針等を考察しつつ、今回公表された企業会計基準適用指針第26 号「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針」の特徴を示したうえで、その問題点を考察し、今後のあるべき繰延税金資産の会計基準・実務指針の方向性を明示している。journal articl
“Worldmaking” through connection: An analysis of an article on Prime Minister Abe’s attendance at the memorial service to mark the 70th anniversary of the end of the Battle of Okinawa
2015 年6 月23 日、安倍晋三首相は、「戦後70 年沖縄全戦没者追悼式」に参列した。この行事を扱った英国のThe Guardian の記事を、「節合」ではなく「結合」という概念を用いて分析した。その結果、この記事の主たるテーマは、安倍首相・政権への批判であり、その理由・原因の第一は、平和憲法の解釈の変更を伴う安保法案制定の動きであり、第2 は、基地の過重負担とそれと深く関わっている基地移設問題であることが判明した。安倍首相への批判に併せて、安倍首相のイメージを悪化させるためのさまざまな手段(たとえば、安倍首相への戦争イメージの付与)が用いられている。同記事の最後に「性奴隷もしくは慰安婦」に関するトピックが結合されていて、「節合」概念を考えるために、この結合が「必然的」なものか「非必然的」なものかについても議論した。journal articl
On Vehicle or Path take Someone Somewhere Construction
多くの辞書では「NP1[乗物]表示語+ take + NP2[人]表示語」構文と「NP1[道]表示語+take + NP2[人]表示語」構文とが同じ項目で扱われている。しかしながら、この2 つの構文には意味の拡張プロセスという視点から見ると相違が認められる。本論では、これらの構文における英語動詞take の基本義からの拡張プロセスを、他の類似構文との関係において分析する。この分析の結果を活用することにより、日本語訳による丸暗記でtake のそれぞれの意味や用法を指導・学習することから生じる弊害を防ぐことが期待できる。journal articl
Systems and Approaches for Handling Sexuality Issues in Children’s Homes
本研究の目的は、児童養護施設における子どもの性的問題に対する施設の体制と取り組みを明らかにすることであった。X 県内の児童養護施設を対象に質問紙調査を行い、18 施設29 寮舎の分析を行った。その結果、個人や男女の境界を守ることが難しい施設があることが示された。多くの施設では、ルールにより境界を明確にする指導が行われていることが明らかになった。子どもへの性教育等の予防的な取り組みを行っている施設も半数以上あることが示された。特に規模の大きい施設(大舎)では、建物の構造上、個別性への配慮が難しい面があることも示された。各施設でのルールやケアに関する工夫について検討する必要があることが示唆された。journal articl
AI(artificial intelligence) and Post-Capitalism
AI(人工知能)の急速な発展が今後の経済社会にどのような影響を及ぼすか、特に資本主義社会への影響とポスト資本主義社会への展望について考察した。資本主義社会は本来的に資産家と労働者との所得格差を拡大する仕組み(ピケティのr > g)をもっているが、先進諸国では、すでに利子率と経済成長率がゼロ水準となり、利潤率も2%以下に低下しつつある。さらにAI が人間の知能を凌駕する「シンギュラリティ」までに、労働力人口の5 割から最大9 割がAI と労働代替すると予測され、資本主義社会はすでに末期状態にある。ポスト資本主義社会は「20 世紀の社会主義社会」とは異なる「理想の社会主義社会」である。基本的人権が保障され、ベーシックインカムが所得原則となり、AI による最適な計画経済が実現される経済成長率ゼロの「定常世界」である。AI は資本主義の終焉と真正社会主義社会を実現する物質的・技術的基盤である。journal articl
Doubts on the Statistical Inference of the DNA Paternity Testing in the Family Affairs : from the Adjudication of the Sup. Ct. July 17, 2014, 68 Minshū 547
本稿は、最判平成26 年7 月17 日民集68 巻6 号547 頁における、DNA 親子鑑定の使われ方について論じる。最高裁は、親子関係をDNA 鑑定結果と一致させようとする訴えを却下した。原告の立論には、少なくとも、統計的推論の点で疑問がある。DNA 鑑定は、父子関係の判断に有効な手段であるけれども、それが誤った推論で判断されてはならない。鑑定結果の統計的意味を正しく理解することが求められる。journal articl
A study on the relation of every-day error behavior and the characteristics of spatial cognition
本研究では,日常生活における失敗行動と空間認知能力との関連性を明らかにするために、失敗行動の経験頻度と空間認知能力の自己評定との相関関係について分析した。大学生を対象とした質問紙調査を実施した結果、「地下街やショッピングセンターで迷う」、「曲がるべき道を間違えて通り過ぎる」、「一緒に買い物をしていた友人や家族を見失う」といった失敗の経験頻度が方向感覚の自己評定(方向感覚の悪さ)と中程度の正の相関を示した。また、「押して開けるドアを引いて開けようとする」、「階段や廊下でつまずく」と「テーブルや机の脚に自分の足の指をぶつける」といった歩行時の失敗と方向感覚の自己評定との間接的な関連も見出された。これらの結果から、空間認知能力は自己定位、経路選択、場所の記憶といった複雑な情報処理のみでなく、不注意や知覚運動協応のミスといった単純なアクションスリップとも関連している可能性が示唆された。journal articl