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繊維産業についての研究 : 繊維工業へのアンケートに基づいた変化に対する備えへの調査
繊維工業を取り巻く外部環境は激しく、かつ不確実な変化が断続的に起きている。かつて日本の基幹産業として近代化を支えたものの、多くの企業が淘汰された。昨今もCOVID-19の感染拡大、ウクライナ情勢を発端とする地政学リスクや原油価格の高騰、為替の円安傾向など激しい変化は続く。今後も起こりうる変化に対応出来る能力の蓄積が必要である。
本論文は自己変革能力を分析する基礎研究として、繊維工業の企業179社にアンケート調査を行い分析した。本論文は、D・J・ティースが1997年に提唱したダイナミック・ケイパビリティ(以下DC)の理論をベースに研究を行った。因子分析により必要な能力の影響度を論じた勝又(2023a)、北陸の企業で自己変革能力を有するセーレン株式会社を分析した勝又(2023b)の基礎資料という位置づけである。
DCとは、企業が技術・市場の変化へ対応するために、企業がもとより内部で保有する資源を再形成・再配置するための能力を指し、経営学の分野で現在非常に注目を浴びている理論である。
「(1)機会・脅威を感知し形成する能力、(2)機会を捕捉する能力、(3)企業の有形・無形資産の価値を高め、結合・保護し、必要な場合には再配置することで競争力を維持する能力」が重要であり、これにより持続的競争優位を得られるとされる(Teece、2007、図 1)。departmental bulletin pape
Research on Comparing Digital Illustration Software and Applications in Fashion Drawing
近年あらゆる分野においてデジタル化が急速に進み、アパレル業界もデジタルソフトのスキルが必須となってきているが、授業の様子を見ると身に付けるべきスキルと学生の習熟度に差異があるように感じられた。そこで本研究では、デジタルイラストに関しての調査を行い、数種類のデジタルイラストソフトおよびアプリケーションの比較を行うことで、多様なデジタルイラストソフトを用いたファッション画教育への活用方法を探り、学生のデジタルイラストソフト技術の向上へ繋げることを目的とする。比較は「Adobe Photoshop 2023」、「CLIPSTUDIO PAINT PRO」、「ibis Paint X」、「Procreate(R)」の 4 種のソフトとアプリを選定し、各ソフトの機能性や実際にデザイン画を描いた使用感の比較を行った。結果、イラスト制作に特化して開発されているソフトやアプリは初期設定のままでも筆圧性能が高く繊細な線まで表現しやすい為、初心者でもデジタルイラスト制作のスキル習得がしやすい可能性が示唆された。研究論文Research Paperdepartmental bulletin pape
古着型抜きからのデザイン展開 T-シャツ編 シャツ編
アパレル業界の商品企画には、ビンテージやアンティーク商品を基にパターンの型抜きをし、デザインにアレンジを加え新しい商品を提案するという手段がある。この商品企画の方法は多くの企業で取り入れられており、3D技術が発展した後も続いていくと考える。この研究グループでは、前文で紹介した商品企画の方法を基に授業のカリキュラムとして取り入れることを想定する。アイテムについての起源や歴史といった知識を習得し、分析・デザイン発想を行う。原型から展開する平面作図や立体裁断のような一からのパターン作成ではなく、古着の型抜きをすることにより、スピード感やリアリティを追求したパターン製作を目標とし作品制作を行う。
また、授業でのカリキュラムを想定するため、実際に本校の施設を活用しデザインの可能性を図る。departmental bulletin pape
本校における『文化中級日本語I』のカリキュラムの見直しと課題 : 本校独自の「留学 Can do 参照表」を用いて
現在の本校の教育活動において、『文化中級日本語I』(文化外国語専門学校)が初級から中級への橋渡しの機能を果たしているかどうかを検証するために、本校が独自に作成した「留学 Can do 参照表」を用いて『文化中級日本語I』の各技能活動の到達目標のレベルを分析した。分析によって、『文化中級日本語I』の技能活動の到達目標のレベルは A2-2 から B1-2 に相当し、技能ごとの課題が明らかになった。課題が明らかになった「理解すること 聞くこと」「理解すること 読むこと」「書くこと 記入・作文」「書くこと やり取り」の4つの技能を中心に A2-2、B1-1 レベルの活動を充実させることを提案し、具体的な活動案をまとめた。departmental bulletin pape
A Diary from Paris Based on the Two Exhibitions : Fortuny’s "The Mating Birds" and Albertine’s "Japanese-Styled Gown"
2022年から2023年にかけて、パリでは「マルセル・プルースト 作家の仕事場」と「キモノ」という二つの展覧会が開催された。本稿は両者に展示されたフォルチュニィの衣装から出発し、『失われた時を求めて』で描かれる、サン・マルコ聖堂の柱頭の「水を飲む番いになった鳥」をモチーフとしたフォルチュニィの(架空の)ドレスにおける「日本」を浮き彫りにしようと目論む。ジャポニスムが流行した時代には帯や着物の文様が人気で、フォルチュニィも自らの図案のインスピレーションの源の一つとした。その一方で、フォルチィニィの服飾品の中心は室内着(ローブ・ド・シャンブル)とその上から羽織るコートなのだが、17世紀ヨーロッパでは既に着物風の室内着(ローブ・ド・シャンブル)が流行した。ところでヴェネト・ビザンチン様式では「水を飲む番いになった鳥」のモチーフは稀ではないが、サン・マルコ聖堂に同じモチーフの柱頭はない。これはラスキンやマールの著作からプルーストが創造した東方(オリエント)を想起させる柱頭なのだ。同時にこれは、正倉院に由来しペルシャに起源を求めることのできる「双鳥」の文様をも想起させる。プルーストにおけるジャポニスムとは、「絹の道」シルク・ロードを辿り、ヴェネチアを経由し、20世紀のパリにまで辿り着いた「日本」の痕跡なのだ。研究ノートResearch Notedepartmental bulletin pape
日本人青年女性シルエッター計測のデータ分析から見えた体型特徴(2021-2022)
体型研究グループでは人体の寸法や形態を計測し(静態計測)、衣服パターン設計に活用する方法の研究を行っている。衣服設計には人体計測データが必要不可欠であるが、人体の寸法や形態は人種・環境・年齢等によって変化する。人体計測データの取得を継続して行うことで、データの蓄積と体型分類の考察につなげることが可能となる。これまでデータベース計測の日本人青年学生だけでなく、本学院に多数在籍している留学生(その中でも多くの割合を占めている中華人民共和国からの留学生)の計測も実施してきた。 また本学院の服装教育は日本人の青年女性体型を主体としているが、青年の体型把握のみならず、年齢を重ねることにより生じる体型の変化を把握することも必要であると考え、高齢者衣料の研究に関しては外部企業との共同研究も継続して実施している。departmental bulletin pape
A Survey of University Students’ Consciousness on Smoking or Vaping in the Field of General Education
ある教養科目履修者を対象として、授業のテーマと関連してたばこに関する意識調査を行った。履修登録者99名中、有効回答者は83名(男性19名・女性64名)であった。また 1 年生が75名(90.4%)で、20歳未満は71名(85.6%)であった。調査の結果、 1 年生のみにおける喫煙率(実数)は6.7%( 5 名)であり、その喫煙開始年齢は最も早くて15歳(中 3 )であった。また得点が高いほどたばこ製品や喫煙を許容、肯定、容認する態度や意識が高いと考えられる社会的ニコチン依存度(KTSND)は、統計的な有意差はなかったが高い順に習慣喫煙群、過去喫煙群、非喫煙群となった。またタバコに関する授業前と後の比較では、得点が下がる傾向が見られた。さらに本学の喫煙所についてのとらえ方を聞いたところ、非喫煙者では廃止、煙・臭い防止、ルール遵守で計67.5%であったのに対し、習慣喫煙者では現状維持と増設で91.7%と正反対の結果となった。本学の今(2023)年度の学生生活調査では 2 〜 4 年の喫煙率が16.8%(男性36.6%、女性12.1%)であったが、2019年よりいずれも増加しており、禁煙や受動喫煙防止のために物理的環境としても人的(心理的)環境としても包括的対策が望まれる。研究ノートResearch Notedepartmental bulletin pape
身近なものでできる染色・生地加工とブラウスのデザインの研究
特殊な染料や道具を使用することなく、身近なもので気軽に始めることのできる生地の加工方法を提案することにより、テキスタイルを専門的に主に学んでいない学生や下級生でも簡単に自分の作品に加工ができるようにすることを目的とした。
材料はすべてスーパーなど簡単に手に入るものを中心に使用した。
同時に行ったブラウスのデザイン研究ではカフスのデザインバリエーションの提案を行い、下級生を中心にした作品制作に落とし込めるようにすることを目的とした。departmental bulletin pape
Effects of Flood Damage on Mechanical Properties of Cotton and Silk Fabrics
近年、水災害による文化財等資料の被災が多発している中で、2020年に独立行政法人国立文化財機構文化財防災センターが設置されるなど文化財防災の体制が強化され、被災事例やレスキュー事例に関する研究は積み重ねられてきている。しかし、本学園が大量に所蔵している服飾資料、特に洋服に関するレスキュー事例は少なく、修復できる人材も少ない。このような中で、ハザードマップ上で最大50cm〜 3 mの浸水が想定されるエリア内に収蔵庫を持つ本学園が、被害を最小限にとどめるための防災計画を立てるには、資料トリアージの観点を取り入れる必要があると考える。そこで資料トリアージの指針を作成するべく、まずはモデル化した水災害を試験布に与え、どのような損害を受けるのかを実験することとした。試験布にはJISの綿布と絹布を用い、汚染条件を水、雨、土、水+土、雨+土、汚染期間を 1 日、1 週間、1ヵ月とし、これを夏と冬に行った。損害の程度は、KESを用いて力学特性値を測定し、汚染前後の値から相対的に評価した。その結果、汚染条件や汚染期間による明確な差は得られなく、布自体の特性による変化の方が大きいこと、汚染後は柔らかくなることが明らかとなった。研究ノートResearch Notedepartmental bulletin pape