Yasuda Women's University Repository / 安田女子大学リポジトリ
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The Dignity of Labor, or Bartleby
私達は,「生きるために働く」という理屈によって,自分の労働を正当化しようとする。日々,生活の糧を得るために,嫌な仕事であろうが辛い仕事であろうが,「生きるためには働かなければ」と自分に言い聞かせながら働き続けている。しかし,「過労死問題」は,「生きるために働く」という,この正当化の陰にあって決して光が当てられることのなかった選択肢の存在,即ち,「生きるか,あるいは働くか」に気付かせてくれる。高橋まつりさんが亡くなる前に残した「生きているために働いているのか,働くために生きているのかが分からなくなってからが人生」と書き込みに表現されているように,彼女の場合,「働くこと」と「生きること」は,あたかも鳥もちで分かち難く貼り付いてしまっており,「生きる」ために「働く」を選択しないという可能的なあり方に向かう扉が閉ざされてしまっていた。本論考では,「生きるか,あるいは働くか」という選択肢に示される可能性を,ハーマン・メルヴィルの小説『書記バートルビー』の読解によって得られる政治的な可能性と重ね合わせることによって追求する。バートルビーのように,「生きること」と「働くこと」に分断線を刻み入れることで見えてくる「非意味」という名の政治的抵抗の可能性に道を開く。departmental bulletin pape
A Historical Review of English Language Education for Children in Japan― Trends From the 1960s to 1970s ―
2017年3月に告示された新しい小学校学習指導要領では中学年で「外国語活動」、高学年で「外国語」が設定されることとなった。現在のような状態に至るまでには長い経緯があるが、戦後の政策動向において、特に注目すべきは1986年の臨教審第二次答申といえよう。本論では、この答申にいたるまでの1960年代から1970年代に的を絞り、当時の英語教育関連の雑誌や新聞記事から、関係者の活動や言説に関する情報を得ることを目的とする。特に本論では英語教師だけではなく、英語教育に対して発言力のある団体(海外の視察団や財界)の言説も扱うことで、英語教育政策過程におけるアクター群の役割を明らかにするとともに、早期英語教育に関する言説が時代とともにどのように変化したのかを議論する。なお、本論では小学校英語教育に加え、就学前教育における英語教育も扱うため、「早期英語教育」を主たる表記として用いる。departmental bulletin pape
The Newly Discovered Waka Tanzaku Written by Prince Kuni Asahiko During His Exile in Hiroshima
久邇宮朝彦親王が広島御謫居中に揮毫された新出の和歌短冊について紹介し、短冊の内容について分析・考察する。和歌の内容から、親王が広島にまず御到着になられたのが宮島であったこと、宮島から浅野家の別邸である古江の翠江園にお入りになった可能性が高いことを論じた。また、京都御還住以後に揮毫された、これまた新出の和歌短冊を紹介し、通行の親王歌集と文字の異同があることを指摘した。departmental bulletin pape
A Path to Sublime Community and Heidegger
この論文においては、ハイデガーを手引きとして心情への移行によって形而上学が決して捉えることができなかった存在の次元に注目することが課題になっている。最終的には、この心情という内在への方向転換こそが、後期ロマン派の延長線上に誕生した「ナチズム」という崇高なる共同体へのハイデガーのコミットメントという幻惑からの離脱の道になっているということを論じている。departmental bulletin pape
A Consideration of Shunto (Annual Spring Labor Offensive) from 2002 to 2013
2002年から2013年までの春闘において、1%台での低い賃上げ率が継続した。こうした賃上げ率の趨勢をもたらした一因は次の点にあったと解釈しうる。すなわち、パターンセッターであった金属産業における有力企業の労使間で「競争力」を重視する理念が共有され、賃上げの抑制と引き換えに正社員の雇用と定期昇給を出来る限り維持するという労使妥協のパターンが継続してきたという点である。departmental bulletin pape
The Dynamic Function of the Sentence-Final Particle "ne"
終助詞「ね」は自己(話し手)と非自己(聞き手)とのコミュニケーションを通じてどのような目的を成し遂げようとしているのか,について,行動生物学的な視点を参考にしつつ,その本質的な機能の解明を試みた。その結果,終助詞「ね」は非自己の領域に自己の情報を仮想的に「自己拡張」させ,自己の生存と存続の可能性を高めることを企図する動的な機能を有すると結論づけた。departmental bulletin pape
What is the Role of Diagonal Dyadic ‘Naname’ Relationships for Young People ? :Acceptance of the Multifaceted Aspect of Each Student at School
The present study considered the following aspects of young people’s relationships: vertical dyadic ‘Tate’ relationships between the young person and his/her parents or homeroom teacher, diagonal dyadic ‘Naname’ relationships between the young person and other adults, and horizontal dyadic ‘Yoko’ relationships among his/her peers. Recently, diagonal dyadic relationships between the young people and other adults have undergone a reduction in intimacy. Firstly, for young people, the roles of the diagonal dyadic partners were defined as follows: (1) a conversation partner or a playmate, (2) a mentor, (3) a translator, (4) a mediator, (5) a purveyor of other views, lifestyles, or values, and (6) a role model. Secondly, we note that various teachers other than the homeroom teacher were able to develop a diagonal dyadic relationship with the student at school, and that these relationships were worked out during student guidance and career guidance. Finally, we find a need to develop systems in which busy teachers can exchange various kinds of information about their students with each other.departmental bulletin pape
Development of “On-demand teaching materials” and implementation of “Internet Streaming Lesson”.
1) 30分の動画をコンテンツとするオンデマンド教材「著作権」を制作した。この教材はYouTubeをプラットホームとして配信され、1千名あまりの学生が視聴し、4万回のアクセスがき記録された(2018年9月11日現在)。視聴は多くの学生が試験前日に行っており、約8割の学生がスマフォで視聴していた。2) YouTubeライブ配信による5コマ、10時間の授業を実施した。受講者62名は配信映像を高画質で安定して受信しており、8割以上の学生がパソコンで受講していた。通学困難者も多く、ライブ配信による授業は概ね好評であった。departmental bulletin pape
Dysimmune toxicities and management of immune checkpoint blockade
がん治療における薬物療法では従来の殺細胞性の抗がん剤には限界があり、分子標的治療薬が登場した。近年、免疫チェックポイント阻害薬が悪性黒色腫をはじめとして多くのがん腫で再発、進行がんを対象に第Ⅲ相試験が行われ一定の効果が得られることから免疫療法として使用されるようになった。しかし、従来の抗がん剤ではみられなかった内分泌障害や消化管障害などの免疫関連有害事象が起こることが明らかとなった。それらに対しては、発症に早期に気づき対処することが求められる。悪性黒色腫に対しニボルマブやイピリムマブを投与し有害事象を来した自験例を示し考察を加えた。起こりうる免疫関連有害事象は多くの臓器に多岐にわたるので、治療科の医師のみでなく、腫瘍内科医、内分泌・代謝内科、消化器内科等の医師および、施設内の看護師、薬剤師を含めた診療連携体制が極めて重要であることを強調した。departmental bulletin pape
A Consideration of the Effective Practices of Newspapers in Education Using ICT
今日、ますますその度合いを深めていく高度情報通信ネットワーク社会の中で、学校教育におけるICT(情報活用能力)に大きな期待が寄せられている。それと同時に、スマホ依存症など青少年を取り巻く問題状況が指摘されている。一方、すでに教育界では30年以上にわたってNIEが実践されてきた。ところが、その取り組みは記事の読み比べにとどまり、今ひとつ利用の仕方に広がりを感じられない。さらに、今日的な教育課題としてESDという新たな国際的・地球規模での実践が指摘されている。生活全般に渡ってグローバル化が進みつつある現代および将来において喫緊の教育課題として、それを避けて通ることはできない。そこで、ESD、ICT、NIEという3つの要素をリンクさせた新しい教育実践を構想し、新学習指導要領の実施に向けてNIEの新しい在り方・教育方法としての有効性と可能性を検証した。 特に、全教科でNIEを活用できることを実証することによって、教員養成課程におけるICT教育の在り方を見直すことを提示したい。departmental bulletin pape