Atomi University Repository / 跡見学園女子大学機関リポジトリ
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銀行持株会社の取締役のグループ子会社に関する内部統制システムの構築・運用義務 ─東京地裁令和2年2月27日判決─
application/pdftext東京地裁令和2年2月27日判決では、改正前銀行法の下、銀行持株会社が子会社銀行に対して行う経営管理は法律上の義務ではなく、またその経営管理の内容は、子会社銀行の株主としての権利行使を通じて子会社銀行の業務について基本方針を定めることや、同銀行の取締役を選任することなどであり、上記基本方針が遵守されているかを監督し必要に応じ是正を求めることを意味しており、したがって内部統制システムの円滑な運用に支障を来すような事情が見受けられない場合に、子会社に対して具体的な業務を直接指導するなどの義務を負うことはないとされた。そして、詳細な事実関係の検討の下、子会社銀行の融資先に反社会的勢力が入り込んでいたことへの対応策を怠ったことを理由とする銀行持株会社取締役の責任は認められないとされた。この裁判所の判断につき、少なくとも事実関係の評価につき疑問がある。本件において一定程度の内部統制制度の構築は為されていたと評価できるが、その運用・是正については、問題点があったのではないか。departmental bulletin pape
双極性障害患者の家族における医療機関による情報提供へのニーズおよび満足度に関する調査
application/pdftext双極性障害患者の家族に対し,必要な情報や支援を提供することは,家族の負担を軽減し,患者の予後を改善するために重要である。しかし本邦においては,必ずしも双極性障害患者をケアする家族が必要とする情報が,医療の中で十分に提供されていない可能性がある。
そこで本研究は,①家族がどのような情報を必要としているのか,②家族は医療者からの情報提供を十分だと感じているのか,③家族は医療機関以外にどのような手段で情報を入手しているのか,④日常臨床における医療者からの情報提供は家族のエンパワメントやExpressed Emotion(EE)にどのような影響を与えるのか,について探索的に検討することを目的に,双極性障害患者と同居する家族を対象としたウェブ調査を実施した。
Web 調査会社を通じて,双極性障害と診断され,通院している患者と同居する家族にアンケートへの協力を依頼し,208人(男性121人,女性87人)から有効回答が得られた。協力が得られた家族のうち,患者の配偶者は87人(41.8%),子どもは61人(29.3%),きょうだいは33人(15.9%),親は24人(11.5%),その他が3人(1.4%)であった。
家族が評価した医療機関からの情報の有無や程度,医療機関からの情報提供に対する満足度は,家族のエンパワメントの高さ,家族のEE と弱い有意な相関があり,家族が医療機関からの情報を得ており,それに満足しているほど,エンパワメントが高く,EE が低いことが示唆された。外来診療の中で行われる,主治医をはじめとする医療者との間で行われる患者の疾患や治療,社会資源に関する説明や家族からの相談にのることは,家族のエンパワメントを高め,EE を低下させるうえで有用であることが示唆された。departmental bulletin pape
トライアル・カウンセリングの「クライエント体験」の報告とその考察
application/pdftext本稿では,まず大学院で公認心理師,臨床心理士養成のために教育の一環として課せられたトライアル・カウンセリング(原則として外部相談機関の臨床心理士から有料でカウンセリングを受けること)の構造について述べた。次に,筆者のクライエント体験について,1)カウンセラーの視点,2)クライエントの視点,3)自己理解の3点から気付いたことを報告した。最後に1)カウンセラーの視点から学んだこと,2)クライエントの視点から学んだこと,3)自己理解からまなんだことについて総合考察を行った。カウンセラーにとって体験学習の重要性を身をもって知ることができたため,今後も学び続けていきたいと思った。departmental bulletin pape
MIE(Magazine in Education:「雑誌を教育に」)研究の試み ―実践報告およびその有効性の分析と今後の展望―
application/pdftext2020年度から始まった新学習指導要領では学校教育における質の高い学びを実現するために主体的・対話的で深い学び(アクティブ・ラーニング)の視点に立った授業を行うことが欠かせないとの考え方を示す。また2012年中央教育審議会においても将来に向かって学び続ける力、主体的に考える力を持った人材の育成を目標とする大学教育は教員と学生が意思疎通を図りつつ、一緒になって切磋琢磨し、相互に刺激を与えながら知的に成長する場を創り、学生が主体的に問題を発見し解を見いだしていく能動的学修(アクティブ・ラーニング)への転換が必要であるとの答申を発表した。
新聞を教育に活用するNIE(Newspaper in Education)はアクティブ・ラーニングの先駆的学修とされているが、雑誌にもアクティブ・ラーニングの視点に立った授業が実現でき、目指す人材育成をかなえる教育効果が得られるとして、「雑誌を教育に」の普及を目指すMIE(Magazine in Education)研究と活動も始められている。本稿は総説論文として、MIE 研究の一分野である「雑誌作り」に軸足を置いた、「雑誌編集授業」の事例研究を概観することを通して、雑誌編集授業のアクティブ・ラーニングとしての有効性やそのほかの教育効果を示すものである。同時にこの授業が抱える課題および今後の展望についての考察を述べた。departmental bulletin pape