The Open University of Japan Repository / 放送大学機関リポジトリ
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Development and Outcome of Digital Literacy Training at the Open University of Japan
40020473186本研究は、面接授業「初歩からのパソコン」の受講で習得した放送大学生のデジタル・リテラシー・スキル(以下
「DLスキル」)の定着状況把握を目的に実施した。この授業を2010年度2学期から2013年度1学期の間に受講した在
学生に2013年11月に郵送アンケートを実施した。調査結果は、DLスキルの種類により、定着したもの、低下したも
の、向上したものがあること、DLスキルの定着には、受講生の年齢、受講生のパソコン・インターネットの利用頻
度が影響を及ぼしていること、DLスキルの向上とパソコン・インターネット利用頻度の間に相関があること、DLス
キルの定着には、受講生のその後の学習方法が影響を及ぼしていることを示した。受講直後から本調査の期間に低下
したDLスキルについて、授業後のスキル活用の機会を増加させる必要性が示唆された。また、定着効果のあるテレ
ビ授業「遠隔学習のためのパソコン活用」の受講と同好会等への参加を促す必要性が示唆された。departmental bulletin pape
Adaptation to the highland and its changes in Ladakh, the Himalayas (1) focusing on subsistence and food
40020473095高所では一般に、エネルギー摂取量が低い一方、運動量が多いため、糖尿病や高血圧などの生活習慣病はもともと少ないと考えられてきた。しかし、生活スタイルの変化によって、近年、急激に生活習慣病が顕在化してきた。そこで、本研究では、インド・ラダーク地方に焦点を絞り、文化人類学と栄養学と医学の共同により、高所環境に対する人間の医学生理的適応と生態・文化的適応を明らかにし、そして、近年の変化によって適応のバランスがどのように崩れ、それが高所住民にどのような影響を及ぼしているかを明らかにすることを主な目的とした。
本稿では、まず、ラダークの都市レー(標高3600m)の概要、チャンタン高原(標高4200-4900m)の遊牧民とドムカル谷(標高3000-3800m)の農民・農牧民の伝統的生活とその変化、及びその背景について論じる。つぎに、それぞれの地域で実施した健診調査のうち、栄養学調査の結果、および分析について論じる。
チャンタン高原の人びとは、以前はヤクとヤギ・ヒツジの遊牧と交易によって生計を立ててきた。遊牧については、基本的に固有のシステムが継承されている。一方、かつて行われていた、北のチベット、西のザンスカル等との長距離のキャラバン交易は、消滅した。
ドムカル谷では、農耕とともに、ヤク、ゾモ(ウシとヤクの交雑種)、ゾー(ゾモの雄)、バラン(在来ウシ)などの移牧が行われてきた。ドムカルにおける農牧複合は、この地方の厳しい自然環境に適応した、独自の特徴を持っている。それは相互扶助などの社会システムによって支えられてきた。しかし、若者が軍関係の仕事につくため、村外に出ることが多くなり、家畜の飼養は急激に減少し、むらの生活も近代化して大きく変化してきた。その背景には、中国との国境紛争、舗装道路の開通、政府による食糧配給による援助、さらに、レーの都市の拡大・観光化や軍の需要などによる市場経済化などがある。
ラダークにおける食事調査により、高所環境という食料入手の困難な環境を反映した、質・量ともに乏しい栄養状態を明らかにした一方、レーやドムカルでは過栄養やこれに関わる生活習慣病も見過ごせない問題となっていることが明らかになった。さらに、栄養摂取と糖尿病との関連を分析すると、エネルギー摂取量の多い人だけではなく、少ない人にも糖尿病がみられた。エネルギー摂取量の少ない人では、食品摂取の多様性が少なく、炭水化物に偏った食事内容になっていることも要因の一つと考察できる。
現在の人々の食の嗜好からも食事の変化をみてとることができた。特に大麦から米・小麦への主食の転換は、元来の高所住民の伝統的な食生活の中心を大きく変えるものであり、生活習慣病の増加の一因となることが懸念される。伝統的な食生活を見直すこと加え、野菜などの摂取頻度の少ない食品群の補強がうまく行われること、さらに健康に関する知識の向上が今後ますます重要になると考えられる。departmental bulletin pape
Adaptation to the highland and its changes in Ladakh, the Himalayas (2) focusing on lifestyle-related disease
40020473114インドのラダーク地方において、チャンタン高原(標高4200-4900m)の遊牧民、都市レー(標高3600m)の住民、
及び農牧地域のドムカル谷(標高3000-3800m)の農民・農牧民を対象に医学調査を行なった。その結果、①生活習
慣病(糖尿病、高血圧など)が都市でより多く発症していること、②標高が高いほど高血糖の率が高いこと、③高カ
ロリー食・高ヘモグロビンの群に高血糖の率が高いだけでなく、低カロリー食・低ヘモグロビンの群においても高血
糖が多い、などが明らかになった。①についてはエピジェネティックスや節約遺伝子の考え方によってある程度説明
できる。しかし、②や③については説明がつかない。そこには、高所における低酸素への適応が作用しているからで
ある。
Beallによれば、高所への遺伝的適応の方式として、チベットの住民は、肺活量を大きくし、低酸素に対する呼吸
応答を調節し、血管を拡張して多くの血液を体に流す「血流増加方式」をとっており、アンデスの住民は、「ヘモグ
ロビン増加方式」をとってきた。
私たちの健診の結果、Beall仮説を指示する結果がでた一方、高齢者の場合、都市レーや生活スタイルが変化しは
じめたドムカルで、多血症(高ヘモグロビン)が多くみられるという、Beall仮説に矛盾する結果がでた。また、多
血症と糖尿病の相関が認められた。
そこで、その原因を究明した。その結果、高所における酸化ストレスの実態、低酸素と酸化ストレスの関係、酸化
ストレスと糖尿病の強い関連がわかってきた。チベット系住民は、NO増加による血管拡張と血流増加によって、低
酸素に対する有利な適応をしてきた。ところが、高齢とともに、生活スタイルの急激な変化によって適応バランスが
崩れると、多血症や高脂血症を発症して体内低酸素を生じ、その結果、NOの過剰な増加等により酸化ストレスが高
まり、かえって糖尿病や老化を促進する。糖尿病と酸化ストレスは相互に影響しあい、症状は重篤化するのである。departmental bulletin pape
Dynamic Change of Satisfaction among Students of The Open University of Japan Measured by the UX Curve
40020473148本研究では、学生の満足度を時間軸に関して動的に把握する手法として、UXカーブやその変法であるUXグラフ
を利用した。UXカーブの主要な特徴の一つは、満足度などの特性の時間的変動を測定できる点にある。UXカーブ
を学生満足度に適用するにあたり、カーブの始点は入学時点とした。ただし、一部のデータでは、入学前の期待感に
ついて求めた場合もある。得られたデータを分析すると、カーブは研究活動への参加の度合いやサークル活動への参
加度合いに伴って向上することが明らかとなった。一時的な仮説としては、これらの二つの要因を促進するべく大学
側が配慮してやることが必要であり、またその点を明らかにするためには個別インタビュー調査も併用した方が良い
と考えられた。departmental bulletin pape
OUJ's New Challenge : The Supporting Systems for the Students with Disabilities in the Open University of Japan
この論文の目的は、放送大学の障害者支援の現状を紹介することにある。そのために、第一にこの領域の国際的な
動きを概観し、第二に、近年の日本の高等教育における障害者支援の進展について議論する。米国、英国、EU諸国、
豪州では強力な障害者差別禁止法によって、教育分野での差別が解消されてきた歴史がある。日本においても2013年
に障害者差別解消法が成立し、2016年4月から施行されることになった。しかし、その実現のためには、乗り越える
課題が山積している。第三に、放送大学の障害者支援、とくにICTを活用した支援について議論する。障害のある学
生にとって学びやすい教材や教授法を開発することは、多くの学生にとって有益で、豊かな学びの環境を作り出すこ
とにも繋がっている。departmental bulletin pape
New law on the rights for disabled persons (2005) and labor policy in France
40020473049フランスでは、2005年に成立した「障害者の権利と機会の平等、参加および市民権のための法律」により、障害者政策の枠組みが大きく変わった。雇用率制度の改善が図られ、適合企業(EA)・在宅労働供給センター(CDTD)や労働支援サービス機関(ESAT)の設置等労働能力の低下した障害者向けの就労の場も整備された。所得保障面では、PCA(障害補償給付)の創設や最低賃金と連動する所得保障政策が実施され、障害者のワンストップ窓口である県障害者センター(MDPH)や障害の認定等、障害者の権利に関する決定を行う障害者権利・自立委員会(CDAPH)も整備された。ここでは、2008年のリーマンショック、同年に発効した国連障害者権利条約の影響等も踏まえ、フランスにおける権利と機会の平等という理念と障害者雇用・就労政策、特に保護的就労への対応を最近の動向も踏まえ整理し、日本へのインプリケーションを論ずる。departmental bulletin pape