SIKOR - Sapporo Medical University Information and Knowledge Repository / 札幌医科大学学術機関リポジトリ
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ゲノム医科学の創成期、成長期、展開期と私の医師・教員人生~たくさんの縁と恩と運とともに~
大学を卒業してから今日までの自身を振り返ると、あらためてたくさんの縁と恩に恵まれた年月であり、好きなことを自由にやれた幸運な年月であったことを実感します。私のこれまでをふりかえりながら、次世代を担う若い方々へのメッセージをお伝えできればと思います。
故郷の大学を卒業しても何もやりたいものを見つけられずにいた私を教室員として受け入れてくださった母校の恩師、信州大学で研究の楽しさに気づかせ、海外留学の機会を与えてくださった信州大学の恩師、そして論文一編の執筆もない若造を無謀にも受け入れてくださったシカゴ大学の恩師。私の医師・研究者としてのはじまりはおよそ自主性のないものでした。
当時はサンガー法やPCR法が開発されたばかりで多くのラボが一斉にタンパク研究から分子生物学にシフトしていた時期であったというタイミングも幸運でしたが、シカゴという大好きな刺激的な街で、クローニングされたばかりの甲状腺ホルモン受容体遺伝子を調べてホルモン不応症の機序を明らかにするという、NIHのグループなどとの競争は文字通りしびれる毎日でした。結果的に他グループに先んじて報告することができましたが、30歳前後の大人が何の結果責任も負わずに好きなことができるという、ただただ楽しいだけの恵まれた境遇の4年間は、その後の私の価値観に大きく影響しているはずです。
帰国後は遺伝性内分泌腫瘍に関心をもち、遺伝的な原因を探りたいと思ったのですが、私にはその方法がわかりません。そのような時に、信州大学の衛生学教室に新たな恩師となる臨床遺伝学を専門とする教授が着任されるという、再び絵に描いたような幸運に恵まれました。さっそくその教室に足しげく向かうようになり、結果的にはのちにそこの助教授(のちに准教授)として拾っていただくことになりました。
2013年に縁あって札幌医大に新設された教室の教授として着任しましたが、もともとスキルスラボだった古い東棟の広い教授室は、偽りなく空っぽでした。文字通りゼロからのスタートだったわけですが、それは何も描かれていないところに自分の好きなように絵を描くことの喜びを実感する日々でもありました。当時の病院長先生、学部長先生をはじめとした多くの方々のご支援のおかげで、わずか半年で病院に遺伝外来を開設し、一年で大学院修士課程の教育課程を整備して、私が想定しているよりも早く遺伝カウンセラーを目指す学生を迎えることができました。これまでに遺伝カウンセラー養成コースを修了した多くの卒業生は現在道内外で活躍してくれています。
現在の札幌医大は、遺伝性難病診療・研究、がんゲノム医療、遺伝医療の人材育成などで高い評価を得るに至りました。今後は、札幌医大が基礎研究から臨床実装までをつなぐトランスレーショナルなゲノム医学・医療のフロンティアとして国内外をリードしていくことを期待しています。
このようなきわめて個人的なお話をしながら、そこから得た学びと気づきをお伝えすることで、私の最終講義といたします。departmental bulletin pape
SOX10 Inhibits T Cell Recognition by Inducing Expression of the Immune Checkpoint Molecule PD-L1 in A375 Melanoma Cells.
札幌医科大学博士(医学)doctoral thesi
HLA class II neoantigen presentation for CD4+ T cell surveillance in HLA class II-negative colorectal cancer
札幌医科大学博士(医学)thesi
Loss of tapasin in tumors potentiates T cell recognition and anti-tumor effects of immune checkpoint blockade
札幌医科大学博士(医学)thesi